HYUGA PRIMARY CARE株式会社(証券コード7133、東証グロース市場)は2026年9月25日、代表取締役社長の黒木哲史氏が経営を継続するマネジメント・バイアウト(MBO)として、株式会社JG44による普通株式と新株予約権への公開買付け(TOB)に賛同し応募を推奨すると発表しました。買付価格は1株2,110円で、株式は上場廃止となる予定です。
発表の概要
HYUGAは在宅訪問薬局事業を中心に、中小薬局向け在宅支援のきらりプライム事業、住宅型有料老人ホームのプライマリケアホーム事業を展開しています。2007年11月の設立以来店舗網を広げ2021年12月に東証マザーズへ上場しました。
公開買付者のJG44は2026年9月4日設立の会社で、日本成長投資アライアンス株式会社(JGIA)が管理・運営するJGIA3号投資事業有限責任組合が発行済株式の全てを所有しています。公開買付者によればJGIAは、人材・資金・ネットワークが限定的で本来の成長可能性を発揮できていない企業に特化した事業承継投資・事業支援投資・成長投資等を目的としたファンドを組成・運用しています。
案件の条件一覧を見る対象会社・公開買付者・スキーム・買付価格 ほか(7項目)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象会社 | HYUGA PRIMARY CARE株式会社(証券コード7133、東証グロース市場) |
| 公開買付者 | 株式会社JG44(JGIA3号投資事業有限責任組合が発行済株式の100%を所有) |
| スキーム | マネジメント・バイアウト(MBO)としての公開買付け。黒木哲史氏は本取引後も経営を継続する予定 |
| 買付価格 | 普通株式1株につき2,110円(新株予約権は第3回・第4回が1個1,150,800円、第5回が1個1,015,800円) |
| 買付期間 | 2026年9月28日〜2026年11月10日(30営業日) |
| 買付予定数の下限・上限 | 下限1,518,400株(所有割合20.44%)、上限なし |
| 対象会社の意見 | 賛同の上、応募を推奨 |
買付価格2,110円は、JGIAの初回提案1,800円(2026年8月31日)から、HYUGAと特別委員会が延べ5回の価格交渉を重ねて決まった水準です。公表前営業日である9月24日の終値1,343円に対して57.11%、最終提案の前営業日の終値1,310円に対して61.07%のプレミアムにあたります。
発行済株式総数に行使可能な新株予約権の目的となる株式を加え自己株式を除いた7,427,072株(開示の本基準株式数)を基準にすると2,110円は会社全体で約157億円にあたり、2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益501百万円の約31倍の水準です(編集部試算)。
黒木氏は所有する1,357,200株(所有割合18.27%)のうち864,128株(11.63%)をTOBに応募し、残る493,072株(6.64%)は応募しないことを公開買付者と合意しています。黒木氏の資産管理法人である一般社団法人Hyuga(12.12%・第2位株主)、シーユーシー(11.31%・第3位株主)、HYUGAの第4位株主かつその他の関係会社であるエムスリー(9.42%)と第5位株主のエムスリーキャリア(6.74%)も応募せず、不応募株式は合計3,433,072株(46.22%)です。
HYUGAはTOB成立を条件に、1株1,718円で自社株TOBを実施しエムスリーグループ(シーユーシー・エムスリー・エムスリーキャリア)の保有株の一部を買い取る予定です。1,718円はTOB価格より392円低く、法人株主にみなし配当の益金不算入規定が適用されることを踏まえ、エムスリーグループの税引後手取り額がTOBに応募した場合を上回らないように設定したとしています。買付予定数は711,621株で、応募が合意されているエムスリーグループの646,928株(8.71%)を上回る数を一般株主の応募に配慮して設定しています。
自社株TOBと自己株式取得の後に残る不応募株式は、株式交換の対価としてJG44株式に振り替わる予定です。株式交換後のJG44の議決権割合は、JGIA3号投資事業有限責任組合22.60%、公開買付者に追加出資する予定のJG III A (Cayman), L.P.とJG III B (Cayman), L.P.が各10.33%、黒木氏10.55%、一般社団法人Hyuga 19.25%、エムスリーグループ26.93%となる想定です。
背景
非公開化の理由としてHYUGAが挙げるのは、薬価改定や人件費高騰などの外部環境の影響と低水準の株価が続く中で、大規模な成長投資が制約されている状況です。黒木氏は、知名度や社会的信用力は上場以外の方法でも実現でき、当面は借入れで必要資金を賄えてエクイティ・ファイナンスの必要性も見込んでいないことから、上場を維持する意義を見出しにくいとしています。
黒木氏は2025年2月から非公開化を検討し、JGIAとは別の投資ファンド(先行提案者)と意見交換していましたが、2026年3月に先方の事情で検討が延期となり、その後複数ファンドと意見交換を重ね、7月10日にJGIAを共同投資家に選定しました。
JGIAは、組織体制の構築・営業力強化・DX推進とAI活用・M&A推進の4施策で成長を支援する方針です。うちM&Aでは国内の地方中堅中小薬局チェーンや介護施設運営企業の追加買収を進め、在宅訪問薬局事業とプライマリケアホーム事業の規模拡大を図るとしています。HYUGAの従業員については本取引後も原則として現在の雇用条件を維持する予定だとしています。
HYUGAの2026年3月期は店舗数63店舗、在宅訪問患者数12,474名、きらりプライム加盟2,879店舗と拡大した一方、出店・採用費用の先行で営業利益は前期比22.3%減の816百万円となりました。
今後の予定
TOBの買付期間は9月28日から11月10日までで、決済の開始日は11月17日を予定しています。TOBが成立した場合、HYUGAは11月18日から12月16日まで自社株TOBを実施し、その後2027年1月上旬に臨時株主総会、2027年2月上旬に株式併合、2027年3月上旬に株式分割と自己株式取得、2027年4月上旬に株式交換を行う予定です。
TOBに応募しなかった一般株主の株式は株式併合で1株に満たない端数となり、最終的に買付価格2,110円に所有株数を乗じた額と同一になるよう算定された金銭が交付される予定です。
株式併合が実施された場合、東証グロース市場でのHYUGA株式の上場は所定の手続を経て廃止となります。HYUGAはTOBの成立を条件に、2027年3月期の期末配当を行わないことも同日決議しています。
※本記事は2026年9月26日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。
出典
- MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ(HYUGA PRIMARY CARE株式会社〔証券コード7133〕、2026年9月25日)
- 自己株式の取得及び自己株式の公開買付けの予定に関するお知らせ(HYUGA PRIMARY CARE株式会社〔証券コード7133〕、2026年9月25日)
- 株式会社JG44によるHYUGA PRIMARY CARE株式会社(証券コード:7133)の株券等に対する公開買付けの開始に関するお知らせ(HYUGA PRIMARY CARE株式会社〔証券コード7133〕・株式会社JG44、2026年9月25日)
- 事業計画及び成長可能性に関する説明資料(HYUGA PRIMARY CARE株式会社〔証券コード7133〕、2026年6月26日)

