M&Aの「リアル」を伝える経済メディア

読了目安 約4分

,

ジャパンインベストメントアドバイザー、ヨット販売のキーサイドを完全子会社化 地銀系ファンドと社長から取得

ジャパンインベストメントアドバイザー、ヨット販売のキーサイドを完全子会社化 地銀系ファンドと社長から取得|M&A Times

東証プライム上場の株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー(JIA、証券コード7172)は2026年7月23日、ヨット・モーターボート販売を手がける株式会社キーサイド(横浜市金沢区)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表しました。取得日は同年7月29日を予定しています。

発表の概要

JIAは、キーサイドの発行済株式61,001株(100.0%)を新たに取得します。取得前のJIAの所有株式数は0株でした。取得価額は守秘義務により非開示ですが、JIAの連結純資産の15%を超えない水準としています。

項目内容
取得株式数61,001株(100.0%)
取得前の所有株式数0株
取得価額守秘義務により非開示(JIA連結純資産の15%以下)
株式取得日2026年7月29日(予定)
売り手千葉・横浜パートナーシップ1号投資事業有限責任組合(91.8%)、中川昌司氏(8.2%)

売り手は、千葉・横浜パートナーシップ1号投資事業有限責任組合(91.8%)と、キーサイド現代表取締役の中川昌司氏(8.2%)です。同組合の無限責任組合員はちばぎんキャピタル株式会社と横浜キャピタル株式会社で、2021年4月1日に設立されました。

背景

キーサイドは1998年5月の創業で、ヨット・モーターボート及び付帯用品の販売・仲介・輸出入、艤装・メンテナンス業務などを、主に法人顧客向けに手がけています。現在の株式会社キーサイドは2022年11月、旧・株式会社キーサイドのバイアウトの受け皿として設立され、バイアウト完了後に旧会社を吸収合併して現社名になりました。2025年11月期の売上高は30.72億円、経常利益は1.68億円、純資産は8.03億円です。

JIAは「金融を通じて社会に貢献する企業でありつづける」を経営理念に掲げ、金融商品の組成・販売・運営やプライベート・エクイティ投資、各種アドバイザリーサービスを展開する東証プライム上場企業です。開示によれば、今回の子会社化により自社の顧客基盤を活用してキーサイドの販路拡大を図るとともに、グループの収益拡大による企業価値の向上を目指すとしています。

JIAは2023年7月公表の「2024年~2026年中期経営計画」で、航空機関連のリース投資商品(JOL・JOLCO)で培った投資家基盤を軸に、2023年~2025年のフェーズで不動産やプライベート・エクイティファンドなど新たな投資商品を展開し、事業承継検討層や富裕層へ顧客を拡大する方針を示していました。今回の開示でも、富裕層向けビジネス商材の拡充を新たな事業戦略に位置づけており、キーサイドの子会社化はこうした中期方針の延長線上にある動きといえます。

今後の予定

株式取得日は2026年7月29日を予定しています。JIAが2026年2月10日に公表した2026年12月期の業績予想には、本件による影響は織り込まれていません。当期の業績への影響は軽微だが、通年寄与となる来期以降は相応の利益貢献を見込むとしています。

解説

本件は、オーナー経営者から一度ファンドへ承継された会社が、その後に事業会社へ再承継される「二段階の事業承継」の一例です。旧キーサイドは2022年11月、ちばぎんキャピタルと横浜キャピタルが運営するファンドによるバイアウトを経て現体制となりました。今回、そのファンドが保有株式を事業会社であるJIAに譲渡してイグジットし、現社長も保有株式を手放しています。

ファンドが株主となるM&Aでは、一定期間を経て別の買い手に株式が譲渡されるのが一般的で、譲渡先には事業会社が選ばれることもあります。買い手の種類によってその後の経営方針が変わりうる点は、中小企業M&Aの買い手にはどんな企業がいる?4つの類型で解説しているとおり、承継を検討する経営者が押さえておきたいポイントです。

※本記事は2026年7月24日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

用語解説

出典