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エリッツHD、明石のディーホームを7億円で完全子会社化

エリッツHD、明石のディーホームを7億円で完全子会社化|M&A Times

株式会社エリッツホールディングス(証券コード5533・東証スタンダード、京都を地盤とする総合不動産グループ)は2026年9月10日、取締役会でディーホーム株式会社(兵庫県明石市)の全株式を取得し子会社化することを決議したと発表しました。取得価額はアドバイザリー費用等を含め概算766百万円です。

発表の概要

ディーホームは1972年7月設立、資本金10百万円、代表取締役は阪田真也氏で、兵庫県明石市西明石町を拠点に不動産の賃貸、売買、管理及び仲介を手がけています。2025年12月期の業績は売上高945百万円、営業利益112百万円、純利益35百万円、純資産327百万円、総資産3,028百万円でした。株式の取得先は阪田真也氏(持株比率50%)、阪田雅子氏(同40%)、他2名(同10%)の個人4名で、エリッツHDとの間に資本・人的・取引関係はないとのことです。

案件の条件一覧を見る譲渡元(売り手)・取得対象・事業内容・スキーム ほか(7項目)
項目内容
譲渡元(売り手)阪田真也氏、阪田雅子氏、阪田英里奈氏、阪田晏奈氏(個人4名)
取得対象ディーホーム株式会社(兵庫県明石市、全200株・議決権所有割合100.0%)
事業内容不動産の賃貸、売買、管理及び仲介
スキーム株式取得による完全子会社化
取得価額株式(概算)700百万円+アドバイザリー費用等(概算)66百万円=合計(概算)766百万円
契約締結日2026年9月14日
株式譲渡実行日2026年11月中旬(予定)

背景

エリッツHDは取得理由について「同社の保有する賃貸用不動産、賃貸不動産管理物件及び不動産開発事業を取込むことで、当社グループの収益基盤の地域的拡大が期待される」と開示しています。ディーホームが持つ管理物件を取り込むことで、明石エリアでの収益基盤を得ることになります。

エリッツHDの有価証券報告書(第14期、2025年12月24日提出)によると、同社の中期経営計画(2026年9月期〜2028年9月期)の戦略テーマは「管理拡大」「仲介拡大」「財務体質の強化」の3つで、達成状況を測る主要な指標に①管理物件数(戸数)②仲介件数などを掲げています。同社は「基盤である京都・滋賀エリアの賃貸住宅需要」を踏まえつつ「近隣他府県エリアへ店舗網の展開を進め、すでに大阪府・奈良県・兵庫県へ拡大中」と説明しており、2025年9月期時点の管理戸数は28,685戸、営業店舗数は68店です。

また事業等のリスクの項目では、保有・管理不動産の多くが京都府に集中している点を踏まえ「奈良県や兵庫県をはじめ営業地域の拡大を順次進めて、管理物件の分散により地域偏在に係るリスクの低減に努めております」とも記載しており、兵庫県明石市の管理会社であるディーホームの子会社化は、このエリア拡大・管理拡大の方針に沿う取得といえます。

今後の予定

2026年9月14日に株式譲渡契約を締結し、同年11月中旬に株式譲渡を実行する予定です。エリッツHDは当期(2026年9月期、連結売上高予想6,778百万円・連結営業利益予想1,107百万円)の連結決算への影響はないとしています。

解説

今回の開示では、株式取得価額700百万円に加え、アドバイザリー費用等66百万円が明示されました。M&A仲介の手数料相場を検討する際、対価とは別にどの程度の費用が発生するかは開示の数値が乏しく、こうした具体的な事例は参考になります。また1972年設立で50年以上の歴史を持つディーホームのような地場の同族会社でも、上場グループの拡大方針に地域・事業内容が合致すれば買収対象になり得ることも、本件が示す事実です。

譲渡・承継の相手探し自体は仲介会社やFAが担うのが一般的です。ただ売り手の経営者も、自社の事業内容や商圏が業界内の上場企業の中期経営計画とどこで重なるかを知っておくと、候補先の提案を受けた際に相手の狙いを理解し交渉の材料にできます。準備を具体的に進める際は会社売却の進め方を参考にしてください。

次に読む

※本記事は2026年9月10日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典