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兼松、CAEのIDAJを連結子会社化へ 取得総額501億円

兼松、CAEのIDAJを連結子会社化へ 取得総額501億円|M&A Times

兼松(東証プライム8020・総合商社)は2026年9月18日、連結子会社の兼松エレクトロニクスが、株式会社IDAJ等を傘下に持つ特別目的買収会社の株式会社BCJ-61の全株式を取得する株式譲渡契約を締結したと発表しました。取得価額はアドバイザリー費用等を含め概算504.6億円(最終的な譲渡価額は契約に定める価格調整を経てクロージング時に確定)で、IDAJおよびその子会社は兼松の連結子会社となる予定です。

発表の概要

IDAJは1994年10月設立で横浜ランドマークタワー(横浜市西区)に本社を置き、代表取締役社長は中嶋達也氏です。資本金は1億円です。MBD(モデルベース開発)・CAE分野のソフトウェア販売と技術サポートに加え受託解析やコンサルティングを手がけ、自動車メーカーをはじめ製造業の設計開発プロセスを支援しています。

単体の2025年9月期売上高は144億800万円、営業利益27億7,800万円、純資産89億9,100万円で、2023年9月期の売上高116億8,900万円から増収が続いています。IDAJはモデルベース開発支援の株式会社アイ・ディー・クロスリンク(IDxL)を100%子会社に持ち、IDxLの下にリアルコネクト株式会社(RC)が連なります。

案件の条件一覧を見る譲渡元・取得対象・事業内容・スキーム ほか(8項目)
項目内容
譲渡元BCPE Advance Cayman, L.P.(投資事業、持株比率50%)および株式会社エイティアイシーホールディングス(持株比率50%)
取得対象株式会社BCJ-61(特別目的買収会社。傘下の株式会社BCJ-62を通じてIDAJおよびその子会社を保有)
事業内容MBD・CAEに関するプロダクトの販売・技術サポート、デジタルエンジニアリングに関するコンサルティング、システムインテグレーション
スキーム兼松エレクトロニクスがBCJ-61の全株式を取得する株式譲渡。IDAJおよびその子会社が兼松の連結子会社となる予定
取得価額BCJ-61・BCJ-62・IDAJ・IDxL・RCの取得総額501億円(うち株式価値390億円)、アドバイザリー費用等概算3.6億円、合計概算504.6億円(最終的な譲渡価額は契約に定める価格調整を行ったうえでクロージング時に確定)
取得株式数52,177株(議決権所有割合100%)
契約締結日2026年9月18日
株式譲渡実行日2026年10月1日(予定)

背景

株式取得の理由について兼松は、従来のシステム構築・実装領域に加え設計開発・解析を含む上流工程へ事業領域を拡大し、設計から製造までを一気通貫で支援する体制構築が重要と説明しています。IDAJが持つMBD・CAE領域の技術力や専門人材、幅広いソフトウェアポートフォリオを取り込むことで「設計開発DX」ソリューションの提供が可能になり、自動車に加え半導体・防衛・重工業・電気電子等の成長領域への展開加速を見込むとしています。

買い手の経営戦略との関係を補足すると、兼松は本件を自社の中期経営計画「integration 1.1」が掲げる「ソリューションプロバイダー」への進化に向けた取組みの一環に位置づけています。同計画は2025年3月期から2027年3月期を対象とする「integration 1.0」を2025年8月15日にアップデートしたもので、当期利益350億円・ROE16〜18%を目標に掲げ、成長投資としてICTソリューションを中心とするDX関連へ約400億円を投下する方針を示しています。本件はこのDX関連投資の枠に沿うものです。

一方の売り手側の事情を補足すると、BCJ-61の株式はBCPE Advance Cayman, L.P.(事業内容は投資事業)と株式会社エイティアイシーホールディングスが50%ずつ保有しています。PEファンドのベインキャピタルは2023年5月にIDAJへの出資を発表しており、自社サイトでもIDAJの保有比率を50%、投資時期を2023年5月と記載しています。出資は創業家とのパートナーシップのもとで実施したと同社は説明しており、今回は両株主がそろって事業会社の兼松グループへ譲渡するイグジットとなりました。

今後の予定

本株式取得は、関係当局の許認可の取得その他契約に定める前提条件が充足されることを条件に実行される予定です。株式譲渡実行日は2026年10月1日を予定しています。なお本株式取得による当期の連結業績への影響は軽微である見込みと兼松は説明しています。

解説

本件で実際に起きたのは、7月10日の取締役会で最終決定を社長に一任した兼松エレクトロニクスが売り手との協議を経て譲渡先候補に選定され、約2か月かけて取得条件を確定させてから契約に至った流れです。金額は外部専門家によるデューデリジェンスと株式価値算定を踏まえて決め、最終的な譲渡価額は契約に定める価格調整を経てクロージング時に確定するとしています。

買い手が内定してからも条件の確定に数か月かかること、買い手のデューデリジェンスと株式価値算定が金額の根拠になること、価格調整条項で最終的な手取りが動くことは、規模を問わず中小企業の売却にも共通します。

こうした条件は契約書に入って初めて目にすることが多く、その場で意味を判断するのは難しいものです。売却を検討し始めた段階で専門家に相談し、金額がどう決まりどこで動くのかを把握しておくと良いでしょう。M&A Timesの無料相談では状況に応じて仲介会社をご紹介しています。

※本記事は2026年9月23日時点の開示情報に基づいています。株式譲渡実行日は2026年10月1日を予定していますが、最新の状況は兼松の適時開示をご確認ください。

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出典