株式会社セプテーニ・ホールディングス(東証スタンダード4293)は2026年9月24日、人材採用支援の株式会社メディアハウスホールディングス(メディアハウスHD、東京都新宿区)の株式取得・連結子会社化を決議し、株式譲渡契約を締結したと発表しました。
メディアハウスHDの波戸内啓介代表取締役社長兼CEOは、自身が保有する株式と代表を務める資産管理会社の株式会社HKが保有する株式を譲渡する売り手でもあります。セプテーニHDはデジタル広告を軸とするマーケティング事業などを手がけるグループの持株会社です。親会社は株式会社電通グループで、52.47%(自己株式控除後の持株比率、2026年6月30日現在)を保有しています。
発表の概要
メディアハウスHDは1983年8月6日設立、人材採用支援中心のHR Tech事業とWebマーケティング等を展開し、「全国の中小企業を元気にする」をミッションに掲げます。従業員325名(2026年4月現在)で、札幌・名古屋・大阪・福岡に4つの拠点を構えます。2025年12月期の売上高は14,501百万円でした。
案件の条件一覧を見る譲渡元(売り手)・取得対象・事業内容・スキーム ほか(7項目)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元(売り手) | 株式会社HK(波戸内啓介氏が代表を務める資産管理会社)および波戸内啓介氏 |
| 取得対象 | 株式会社メディアハウスホールディングスの普通株式954,900株(議決権所有割合100.0%・集約完了時) |
| 事業内容 | 人材採用支援事業、WEBマーケティング事業等 |
| スキーム | 株式譲渡による子会社化(全株集約が完了しない場合も発行済株式〈自己株式を除く〉の3分の2以上を集約できれば成立し、残りはセプテーニHDがスクイーズアウトを実施する予定) |
| 取得価額 | 普通株式10,781百万円、アドバイザリー費用等(概算)57百万円、合計(概算)10,838百万円(約108億円・集約完了時) |
| 契約締結日 | 2026年9月24日(同日付のプレスリリースで締結を公表) |
| 株式譲渡実行日 | 2026年11月4日(予定) |
普通株式の取得価額10,781百万円は、メディアハウスHDの2025年12月期の経常利益834百万円の約12.9倍・純資産2,977百万円の約3.6倍にあたります(いずれも編集部試算)。
株式を譲渡する株式会社HKと波戸内氏は合わせてメディアハウスHDの議決権比率43.1%を保有しています。この2者は株式譲渡実行日までに、メディアハウスHDの会社関係者から成る他の既存株主から普通株式を全て集約する努力義務を負います。セプテーニHDは株式譲渡実行日までに全株式の集約が完了することを想定しています。
全株式の集約を完了せずと発行済株式(自己株式を除く)の3分の2以上を集約できれば本株式取得は成立し、残りの株式はセプテーニHDがスクイーズアウトを実施して議決権比率100.0%にあたる普通株式を取得する予定です。
大株主及び持株比率(2026年8月31日現在)は株式会社HK24.7%、メディアハウスホールディングスグループ従業員持株会20.7%、波戸内氏16.5%です。開示は議決権比率と持株比率を別の基準・時点で記載しており、両者の数値は一致していません。
背景
セプテーニHDは適時開示で、運用型求人広告市場が今後数年にわたってCAGR20%前後で成長し、2030年ごろには求人広告市場の過半を占めると推測されるとしています。そのうえで本件により、同市場での自社グループのシェアが強固になり、顧客への提案力・購買力の最大化が見込めると述べています。
またメディアハウスHDの中小企業顧客基盤と広範な営業網、自社とは異なる営業スキルを持つ人材を獲得することで、大手企業中心の既存顧客層と補完しあう事業基盤を築くことができると説明しています。
セプテーニHDの中期経営計画(FY2026-2028)は3か年の成長投資予定枠を約250億円とし、「事業の探索」の主な投資領域にHRテクノロジー領域(求人代理店・採用管理システム・人事ソリューション)をM&Aを含む手段で掲げており、本件はこの投資領域に重なります。
今後の予定
取締役会での決議と株式譲渡契約の締結は2026年9月24日、実行は同年11月4日の予定です。セプテーニHDは成立条件を満たす株式の集約について買い手の自社と譲渡側のいずれにも特段の懸念はないことを確認したとしており、取得の実行状況は株式譲渡実行日に改めて開示するとしています。
2026年12月期の連結業績への影響は軽微であるとし、また2027年12月期の連結業績予想は現在精査中で2027年2月の2026年12月期決算発表時に公表する予定です。
解説
本件で株式を譲渡するのは合わせて議決権比率43.1%を持つ株式会社HKと波戸内氏で、この2者は残る株式を実行日までに集約する努力義務を契約で負っています。
ただし全株式の集約が完了しなくても取引が流れないのは、3分の2以上の集約を本株式取得の成立条件とし、残りの株式はセプテーニHDがスクイーズアウトで取得すると契約で定められているからです。
買い手候補1社との相対交渉になる中小のM&Aでは、買い手が100%の取得をクロージングの前提として求めることが多く、少数株主を残したまま実行することを売り手が認めてもらえるとは限りません。
規模を問わず言えるのは株式の集約が売り手側の努力義務として契約に組み込まれていた点で、従業員持株会や役員・社員など会社関係者に株式が分散している会社ほど、交渉に入る前に集約の道筋を確かめておく必要があります。
株主が分散していることを理由に売却を諦める前に、自社の株式をどう集約できるか専門家に確かめてみてください。M&A Timesの無料相談では状況に応じて仲介会社をご紹介しています。
※本記事は2026年9月25日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は両社の公表資料をご確認ください。
出典
- 株式会社メディアハウスホールディングスの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ(株式会社セプテーニ・ホールディングス〔証券コード4293〕、2026年9月24日)
- 同(日本経済新聞 適時開示)
- セプテーニ・ホールディングス、株式会社メディアハウスホールディングスの連結子会社化に向けた株式譲渡契約を締結(プレスリリース、2026年9月24日)
- 中期経営計画|FY2026-2028(株式会社セプテーニ・ホールディングス〔証券コード4293〕、2026年2月12日)
- メディアハウスホールディングス、セプテーニ・ホールディングスへの株式譲渡契約を締結(株式会社メディアハウスホールディングス、2026年9月24日)
- 株式会社メディアハウスホールディングス 会社概要
- 株式情報(株式会社セプテーニ・ホールディングス)

