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ミナトHD、メディア・トラストと提携解除 提供情報と実態に相違

ミナトHD、メディア・トラストと提携解除 提供情報と実態に相違|M&A Times

ミナトホールディングス(東証スタンダード6862、メモリーモジュールやプログラム書込みサービスなどデジタル関連事業を展開)は2026年10月7日、株式会社メディア・トラスト、株式会社ブレーン、ダイキサウンド株式会社との資本業務提携契約を解除すると発表しました。ミナトHDが2025年にMTグループから取得し子会社化したBR・DSは引き続き連結子会社として事業を継続します。

発表の概要

ミナトHDは2025年2月27日の取締役会でMT・BR・DSとの資本業務提携を決議し、同年3月5日付で契約を締結しました。資本提携の中身は、MTが第三者割当で発行した優先株式1,000万株をミナトHDが全額引き受けるというものです。取得価額は1,000万円で、この優先株式を現在も保有しています。

同年4月23日にはMTからBR株式198,000株(99.00%)とDS株式250,000株(51.28%、既存保有分とBR保有分を含め99.67%)を取得すると決議しました。取得価額は秘密保持義務を理由に非開示で、株式譲渡実行日は2025年5月1日(予定)とされていました。

項目内容
解除の相手先株式会社メディア・トラスト(MT)、株式会社ブレーン(BR)、ダイキサウンド株式会社(DS)
解除する契約2025年3月5日付で締結した資本業務提携契約
解除の理由ミナトHDがMTから提供を受けていた情報と実態との間に相違があり、本契約に違反する事項が複数あることを認識。契約違反にはDSの財務状態に約1億5,000万円の悪影響を及ぼす事象を含む。違反の内容とMTによる説明・対応の状況等から提携関係の維持に不可欠な信頼関係が著しく損なわれたと判断
解除の効力発生2026年10月7日に解除通知。通知の到達日に効力発生
ブレーン・ダイキサウンドの扱い契約解除後も引き続きミナトHDの連結子会社として事業を継続(株式保有への影響なし)
MT優先株の扱いミナトHDが保有する1,000万株(取得価額1,000万円)。償還の時期・方法は未定だが今後MTに償還を求める。2026年3月期末に備忘価額1円まで減損処理済み
役員派遣MTとの業務上の連携を終了し、ミナトHDからMTへ派遣していた取締役1名・監査役1名が退任
業績影響解除理由に挙げた契約違反の事象について2027年3月期第2四半期決算で約1億5,000万円の損失を計上予定(具体的な会計処理方法は検討中)。本契約の解除が2027年3月期連結業績に与える影響は精査中
代表取締役の異動MTの代表取締役社長を兼務する近藤雅信氏がBRの代表取締役社長及び取締役を2026年10月7日付で辞任。後任はBR取締役でミナトHD執行役員ビジネスデベロップメント部門長の三浦正彦氏が代表取締役社長に就任

背景

ミナトHDはデジタル分野の企業が連携して新しい製品・サービスで新市場の開拓を目指す「デジタルコンソーシアム構想」を掲げ、資本業務提携を含む戦略的なアライアンスを積極的に進めていたなか、すでにシステム開発分野で協業実績のあったMTグループと資本提携し財務面から支援することが両社グループの事業の成長と規模拡大につながると判断し資本提携を決定していました。

解除に至る経緯について、ミナトHDは次のように説明しています。BR・DSを子会社化した後に両社の財務状況・取引関係・労務管理その他の経営実態を精査したところ、MTから提供を受けていた情報と実態との間に相違があり、契約に違反する事項が複数あると認識しました。

その中にはDSの財務状態に約1億5,000万円の悪影響を及ぼす事象も含まれており、契約違反の内容とこれまでのMTによる説明・対応の状況を総合的に勘案した結果、提携関係の維持に不可欠な信頼関係は著しく損なわれたと判断して解除を決定したとのことです。

開示に記載された会計処理からは、問題が今回の発表より前に表面化していたことが読み取れます。ミナトHDは2026年3月期末の時点で保有するMT優先株式を備忘価額1円まで減損し、DSからMTへの貸付金についても全額に貸倒引当金を計上しています。

今後の予定

ミナトHDはMT優先株式の償還を今後求め、MTとの賃貸借その他の取引・契約関係も解消を前提に対応を進めるとしています。本契約の解除が連結業績に与える影響は精査中で、開示すべき事項が生じた場合は速やかに知らせるとしています。

解説

本件は子会社化から約1年5か月後に、売り手側から受けていた情報と実態の相違を理由に提携契約の解除へ至った事例です。ミナトHDは「法令上又は契約上認められる当社の権利を留保しつつ、今後必要な対応を検討」するとしており、解除で終わりではなく今後の対応を検討する段階にあります。

売り手がM&Aの交渉時に買い手に渡した財務・取引先・労務等の社内の実態に関する情報は株式の引き渡し後も買い手の確認対象であり続けます。

本件のように実態との食い違いが見つかれば引き渡しから1年以上たって関係の解消や権利行使の検討に発展し得るため、都合の悪い点も含めて売却前に自社の実態を把握し正確に伝えておく方が結果的に売り手自身を守ることになります。

※本記事は2026年10月8日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典

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