M&Aの「リアル」を伝える経済メディア

読了目安 約5分

,

Photosynth、ジムGOODLIFE等2社を5.6億で買収

Photosynth、ジムGOODLIFE等2社を5.6億で買収|M&A Times

「Akerun入退室管理システム」等を提供するPhotosynth(4379・東証グロース)は2026年10月15日、セミパーソナルジム「GOODLIFE GYM」運営の株式会社GOODLIFEとマシンピラティス等の株式会社GDSの全株式を取得して子会社化し、その後2社を合併させると発表しました。

発表の概要

GOODLIFEはトレーナー1名が最大4名を同時に指導する「セミパーソナル」トレーニングを月額制で提供するフィットネスジム「GOODLIFE GYM」を、首都圏中心に61店舗(うちFC49店舗)展開しています。

GDSはマシンピラティスとストレッチ専門ジムを直営5店舗で運営しています。

2社の株式取得価額は5億6,000万円(取得関連費用を含む合計は概算6億500万円)で、両社の株式を100%保有する創業者の鈴木涼太氏による会社売却です。

案件の条件一覧を見る譲渡元(売り手)・取得対象・事業内容・スキーム ほか(6項目)
項目内容
譲渡元(売り手)鈴木涼太氏(2社の創業者で発行済株式を100%保有)
取得対象株式会社GOODLIFE(東京都渋谷区、2021年設立)及び株式会社GDS(東京都港区、2024年設立。いずれも代表取締役 鈴木涼太)
事業内容GOODLIFE:セミパーソナルジム「GOODLIFE GYM」の直営店運営及びフランチャイズ本部運営
GDS:マシンピラティス「THE PORT Personal Pilates」及びストレッチ専門ジム「TUNE STRETCH」の運営
スキーム株式譲渡による完全子会社化。その後GOODLIFEを存続会社、GDSを消滅会社とする吸収合併
取得価額GOODLIFE株式4億円、GDS株式1億6,000万円(小計5億6,000万円)、取得関連費用(概算)4,500万円、合計(概算)6億500万円。対価は全額を借入金で充当予定
経営成績GOODLIFE(2025年12月期)売上高3億8,140万2,000円・営業利益444万4,000円・当期純利益401万5,000円
GDS(2026年1月期)売上高4,230万4,000円・営業損失132万3,000円・当期純損失136万8,000円

背景

Photosynthは2026年2月13日公表の中期経営計画で、Akerunなどの自社サービスを無人化・省人化のパッケージに組み上げて顧客単価を高める戦略「ソリューション開発」を注力方針に掲げています。

その一環として、小売・フィットネス・レンタルスペース等の有人店舗の運営会社を買収し、自社のパッケージを組み込んで企業価値を高める「1st Party M&A」を推進する方針を示しており、本件は同方針の下で実行される案件です。

説明資料によれば中計のM&Aは「無人化・省人化のためのサービス・Tech企業の買収」と「有人店舗(1st Party)の買収」の2類型で、前者は2025年10月のfixU連結子会社化といった実績があります。

また2026年5月13日の第1四半期決算説明資料でも、買収先を24時間営業化・無人化して売上増とコスト削減を図る自社流のM&A・PMI手法を「確立されたM&A必勝法」として戦略の柱に挙げ、2028年12月期に売上58〜75億円・調整後EBITDA11.6〜15億円とする目標を、M&Aやアライアンスによる上積みも合わせながら目指すとしています。

なお取得価額について、Photosynthは説明資料で、財務DDで正常化した実力ベースのEBITDAを基準に将来の成長やシナジーを織り込まずEV/EBITDA倍率5倍未満で取得したと説明しています。

取得後の方針についてPhotosynthは、対象会社の店舗でトレーナーによる有人サービスの価値を維持しつつ、非中核業務(清掃・受付等)と稼働していない時間帯をAkerun・Migakun・fixUで無人化・外部化する「ハイブリッド型」運営へ移行し、自社店舗での実証を本業のAkerun等の需要創出に還流させる方針です。

今後の予定

株式譲渡の実行日は2026年11月1日を予定しています。完全子会社化の後は2026年12月1日付でGOODLIFEを存続会社、GDSを消滅会社とする吸収合併を予定しています。

両社の代表取締役には11月1日付で、Photosynth経営企画室で本件のソーシングからPMIまでを担当する小澤智哉氏が就任する予定です。説明資料によると創業者の鈴木涼太氏は引継ぎのため一定期間残留する予定です。

Photosynthは2026年12月期の連結業績への影響を精査中としています。

解説

2社単純合算の直近期の営業利益は決算書上310万円でしたが、第三者による財務DDで非経常的な費用やグループイン後に発生しない費用を除いた正常EBITDAは9,200万円と算出しました。

Photosynthは株式取得価額5億6,000万円を、新店の黒字化などでこの9,200万円からさらに改善した最新の実力値ベースのEBITDAの4.5倍程度とみています(成長・シナジーは未織込、逆算すると年1億2,400万円前後。編集部試算)。

売却後に発生しない費用を除いた収益力が決算書の利益を大きく上回る会社なら、それが買い手の評価の土台になり得るとわかります。

※本記事は2026年10月15日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典

次に読む