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ヒューリック、東大受験塾「鉄緑会」を完全子会社化 ベネッセから取得

ヒューリック、東大受験塾「鉄緑会」を完全子会社化 ベネッセから取得|M&A Times

不動産大手のヒューリック(東証プライム・証券コード3003)は2026年7月7日、東京大学受験の指導に特化した進学塾「鉄緑会」を運営する株式会社東京教育研(東京都渋谷区)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表しました。株式はこれまで同社を傘下に置いていたベネッセコーポレーションから取得します。

発表の概要

取得スキームは現金を対価とする相対取引で、株式取得の予定日は2026年7月31日です。取得価額は非開示とされ、報道では数百億円規模とみられると伝えられています。取得後、東京教育研はベネッセグループを離れ、ヒューリックの完全子会社となります。

鉄緑会は1983年に指導を開始した中高一貫校生向けの進学塾で、東京・大阪・京都・兵庫に校舎を展開しています。2026年度は東京大学に584名(東大合格者全体に占める割合は約20%)が合格し、最難関とされる理科三類では57名(同約59%)を占めるなど、高い合格実績を持ちます。売り手のベネッセコーポレーションは2007年に鉄緑会を傘下に収め、約19年間運営してきました。売却の理由は公表されていません。

取得の狙いとヒューリックの「不動産の商社化」戦略

今回の取得は、ヒューリックが2026年2月に公表した中長期経営計画(2026〜2036年度)に基づくものです。同社は不動産事業を核としながら成長分野をM&Aで取り込む「不動産の商社化(コングロマリットプレミアムの創出)」を基本戦略に掲げ、2036年度までにM&A・企業投資へ7,500億円を投じ、経常利益3,000億円(うち教育などの新規事業等が3〜4割)を目指すとしています。

この戦略の要は、好立地の自社不動産にグループの事業会社を出店させることで、①不動産の賃貸収益と②事業そのものの運営収益を二層で取り込み、さらに事業ブランドという無形の資産を不動産価値の向上に還元する点にあります。ヒューリックはこの枠組みで、2024年に個別指導塾「TOMAS」を運営するリソー教育を子会社化し、幼児教育の伸芽会や、こども教育関連のワンストップ施設「こどもでぱーと」(2029年度までに20棟へ拡大予定)などを組み合わせて、独自の「こども教育経済圏」を築いてきました。中長期経営計画では、この領域について「好立地への出店サポート」やホールディングス化による運営効率の向上を通じて賃貸収益と事業収益の双方を得るとし、2036年度にこども教育関連利益100億円超を目標に掲げています。

鉄緑会は、この「こども教育経済圏」の学習領域に加わることになります。ヒューリックは今回の取得後、自社の不動産開発・運営ノウハウやネットワークを活用して鉄緑会の既存エリアの拡充や将来的な新規出店を支援するとしています。中長期経営計画(本買収の公表前に策定)では学習領域の中核に個別指導のTOMASを据えており、東大受験に特化した高いブランド力を持つ鉄緑会が加わることで、一般に同経済圏の高付加価値化につながるとみられます。

今後の予定

ヒューリックは2026年7月31日付での株式取得を予定しています。

※本記事は2026年7月7日時点の開示・報道情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

関連用語:教育業界のM&Aカーブアウト企業価値評価

出典

  • ヒューリック株式会社「中長期経営計画(2026-2036)」(2026年2月3日)株主・投資家情報
  • ヒューリック株式会社「ニュースリリース」https://www.hulic.co.jp/ir/news/
  • 日本経済新聞「ヒューリック、東大受験『鉄緑会』買収 トップ進学塾の拡大支援」nikkei.com
  • 時事通信「ヒューリック、東大受験塾買収 『鉄緑会』、教育事業拡大へ」jiji.com