株式会社BuySell Technologies(証券コード7685・東証グロース)は2026年9月17日、鹿児島県でリユース品買取店舗「買取専門東京市場」を運営するHKSビクトリージャパン株式会社の全株式を取得し完全子会社化すると発表しました。同社は出張訪問買取と国内554店舗(2026年7月現在・FC308店舗を含む)を展開する総合リユースサービス「バイセル」を運営しています。同日付で株式譲渡契約を締結し、10月30日に譲渡を実行する予定です。
発表の概要
HKSビクトリージャパン株式会社は2015年3月設立、鹿児島県鹿児島市の企業です。代表取締役会長は西元秀行氏、代表取締役社長は附田さつき氏が務めます。「買取専門東京市場」の運営を主としたリユース事業を、鹿児島県を中心とした九州エリアおよび関東エリアで20店舗展開しています(2026年9月現在)。
特に鹿児島県では大手・全国規模の買取業者に比する規模を持ち、特定のエリアに集中するドミナント戦略で高い知名度と顧客資産を築いてきました。従業員は43名(アルバイト・パート含む)で、大株主は西元秀行氏が100%を保有しています。2026年2月期の売上高は2,329百万円、当期純利益は56百万円、純資産は162百万円でした。
BuySellは西元秀行氏から発行済株式400株の全株式を取得し、HKSビクトリージャパンを完全子会社化します。取得に先立ち、HKS社が営んできた不動産賃貸事業は売買により切り離す予定です。主な取得条件は次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元(売り手) | 西元秀行氏(鹿児島市) |
| 取得対象 | HKSビクトリージャパン株式会社(鹿児島県鹿児島市) |
| 事業内容 | 「買取専門東京市場」の運営を主としたリユース事業および不動産賃貸事業 |
| スキーム | 株式取得(完全子会社化)※不動産賃貸事業は取得に先立ち売買により切り離し |
| 取得価額 | 普通株式500百万円+アドバイザリー費用等(概算)25百万円=合計(概算)525百万円 |
| 契約締結日 | 2026年9月17日 |
| 株式譲渡実行日 | 2026年10月30日(予定) |
背景
株式取得の目的についてBuySellは地方エリアにおけるドミナント戦略の推進と、鹿児島県を中心とした九州地域の店舗数増加による買取チャネルの強化を挙げています。同社は2026年4月に長崎県中心の九州エリアで買取店舗を展開する株式会社DelightZを完全子会社化しており、店舗数が少ない地域への進出を図ってきました。
買い手の経営戦略から見ると本件は、BuySellが自社の中期経営計画2027で掲げる方針の一環に位置づけられます。同計画はFY2027までの目指す姿として「グループ店舗数650店舗以上への拡張による、店舗買取事業領域での業界上位ポジションの確立」と「連続的なM&Aの実行による、リユース市場のロールアップ推進とインオーガニック成長の実現」を掲げています。M&Aターゲット方針では優先度1位に「リユース事業:既存事業の競争力強化」を置き、その内容として買取チャネル強化(出張訪問買取・店舗・宅配)を挙げていました。
投資規律の面では同計画は「EV/EBITDA倍率の上限設定(割高なM&Aはしない)」と「J-GAAP前提で連結初年度から「のれん負け」しない利益貢献」を掲げるほか、過去5年で累計約200億円・5社のM&A投資を実行してきたと説明しています。長崎県中心に14店舗を展開する株式会社DelightZの取得は、同計画のなかでエリアカバー率が低い九州エリアでの店舗拡大の例とされており、本件はそれに続く九州での積み増しにあたります。
また直近の2026年12月期第2四半期決算説明資料によると、店舗買取セグメントの第2四半期累計の売上高は35,349百万円(前年同期比64.1%増)、店舗数は前年度末比57店舗増の547店舗まで拡大しました。中計の650店舗以上という目標に対し、本件の20店舗はその積み上げの一部となります。
今後の予定
株式譲渡の実行日は2026年10月30日を予定しています。実行後、HKSビクトリージャパンはBuySellの完全子会社となります。連結にあたっては2026年12月31日をみなし取得日とし、2026年12月期第4四半期は貸借対照表のみを連結、2027年12月期第1四半期から損益計算書を連結する予定です。本件による2026年12月期の業績への影響は軽微とのことです。
解説
HKSビクトリージャパンは代表取締役会長の西元秀行氏が株式を100%保有するオーナー企業です。株式譲渡による完全子会社化にあたり、リユース事業以外に営んでいた不動産賃貸事業を、株式取得に先立ち売買により切り離しています。不動産など本業と切り離せる資産をあらかじめ整理し、譲渡対象を本業に絞っておくことは会社売却の準備の選択肢の一つといえます。
※本記事は2026年9月17日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。
出典
- 「買取専門 東京市場」を運営するHKSビクトリージャパン株式会社を子会社化(株式会社BuySell Technologies プレスリリース)
- HKSビクトリージャパン株式会社の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ(日本経済新聞 適時開示)
- 株式会社BuySell Technologies 中期経営計画
- 中期経営計画2027(2026年8月更新版)
- 株式会社BuySell Technologies 2026年12月期第2四半期決算説明資料
- 株式会社BuySell Technologies 決算情報(公式IR)

