サイバー・バズ(7069・東証グロース、インフルエンサー活用のSNSマーケティング事業を展開)は2026年10月16日、熊本県のアースコーポレーションとワンエイトの全株式を取得し子会社化すると発表しました。売り手はアース社を保有するマツカワホールディングス(松川和男氏が90%保有)と、ワンエイト社を保有する松川和男氏で、株式の取得価額は両社合計5億円(アドバイザリー費用等を除く)です。
発表の概要
アースコーポレーション(以下アース社。熊本県玉名市・2003年設立)は自治体からふるさと納税の運営業務を包括的に受託する事業を展開しています。ワンエイト(熊本県玉名郡南関町・2022年設立)は生産者から調達した農産品を自社で加工し返礼品やECで販売する地域商社で、両社は一体として事業運営してきました。
案件の条件一覧を見る譲渡元(売り手)・取得対象・事業内容・スキーム ほか(8項目)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元(売り手) | アース社:株式会社マツカワホールディングス(熊本県玉名郡和水町、代表取締役 松川重光、大株主 松川和男90.0%・松川重光5.0%・松川和枝5.0%) ワンエイト社:松川和男氏(熊本県玉名郡和水町) |
| 取得対象 | 株式会社アースコーポレーション(熊本県玉名市、代表取締役 松川重光、2003年8月設立、資本金3,000万円) 株式会社ワンエイト(熊本県玉名郡南関町、代表取締役 伏井康人、2022年2月設立、資本金300万円) |
| 事業内容 | アース社:ふるさと納税支援事業、地域ブランディング事業、企業版ふるさと納税事業 ワンエイト:地域商社事業(農産品等の加工・商品化及び販売) |
| スキーム | 株式譲渡による完全子会社化。両社の現株主に実質一体性があるため一体の取引とし、両社それぞれと株式譲渡契約を締結。取得資金は手元資金及び借入金 |
| 取得価額 | アース社:普通株式4億7,128万2,000円+アドバイザリー費用等8,000万円(両社買収にかかる概算額)=合計5億5,128万2,000円(概算) ワンエイト社:普通株式2,871万8,000円(アドバイザリー費用はアース社側に算入)=合計2,871万8,000円(概算) 上記に加えアーンアウト対価を設計。2026年10月1日〜2029年9月30日の3対象期間で各社のEBITDAの2分の1を上限に、実績に応じた金額を追加払い |
| 契約締結日 | 2026年10月16日(取締役会決議日と同日) |
| 株式譲渡実行日 | 2026年10月31日(予定) |
| 対象会社の業績(2026年5月期) | アース社:売上高29億6,823万4,000円(返礼品等売却収入含む総額。売却収入から仕入原価を控除した純額ベースでは10億4,985万9,000円)・営業利益3,759万円・純資産7,772万8,000円 ワンエイト:売上高9億7,418万6,000円・営業損失2,761万3,000円・純資産△1,128万2,000円 |
背景
サイバー・バズは2022年9月のWithLIVE買収でライブ配信事業を立ち上げる一方、2026年9月期にはBuzzJobをEBO方式で売却し事業ポートフォリオの最適化を進めてきました。2026年9月期以降は事業投資・M&A向けの戦略投資予算を設定し重点戦略としています。
サイバー・バズはふるさと納税の市場規模が2025年度に1兆3千億円超と推計される一方、控除適用者数は1千万人強で、利用者の裾野において拡大余地が見受けられると分析しています。
規制見直しで返礼品の魅力や自治体の付加価値がより重要になるとみられる中、自社のインフルエンサー網と両社の自治体・生産者ネットワークを組み合わせSNSを使った返礼品のプロモーションや自治体のマーケティング支援を新たに提供する狙いです。
両社の事業拡大やオペレーションの効率化による利益構造の改善に加え、自治体・生産者の全国ネットワークと安定的かつ一定規模以上の収益基盤を早期に得られる点も理由に挙げています。
サイバー・バズは2026年9月期第3四半期決算説明資料で成長戦略の一つに「事業領域を拡張するM&Aを実施」を挙げており、ふるさと納税支援という新領域を取得する本件はこの方針に沿った案件です。
今後の予定
株式譲渡実行日は2026年10月31日(予定)です。同日の臨時株主総会で両社の取締役・監査役を選任し、一部の中核人材は取締役として関与を続ける見込みです。松川和男氏は取得後1年間アース社の非常勤取締役、その後1年間は顧問として引継ぎに従事する予定です。
両社は2027年9月期第1四半期から連結子会社となる予定で、業績への影響は2026年11月12日開示予定の2027年9月期連結業績予想に織り込むとしています。
解説
サイバー・バズは株式の取得価額合計5億円に加え、2026年10月1日から2029年9月30日までの3期間で「各社のEBITDAの二分の一を上限とし、実績に応じて算定された金額」を売り手に追加で支払う設計です。この対象期間のうち譲渡後の約2年間は売り手の松川和男氏がアース社の非常勤取締役・顧問として引継ぎに従事する予定です。
アーンアウトは売り手が見込む成長と買い手が確信を持てる価格との差を後払いで埋める仕組みで、オーナー個人が売り手となる中小の株式譲渡でも契約で取り決めることがあります。ただし追加分は譲渡後の業績次第のため、売却時点で確実に手にできるのは固定対価だけです。
詳しくはアーンアウト条項とロックアップ・キーマン条項の記事で解説しています。
※本記事は2026年10月16日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。
出典
- 株式会社サイバー・バズ(証券コード7069)「株式会社アースコーポレーション及び株式会社ワンエイトの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2026年10月16日・PDF)
- 同・日経電子版 開示情報ページ
- 株式会社サイバー・バズ(証券コード7069)「2026年9月期 第3四半期決算説明資料」(2026年8月13日・PDF)
- 株式会社サイバー・バズ(証券コード7069)「連結子会社の異動(株式譲渡)及び特別利益の計上に関するお知らせ」(2026年8月13日・PDF)
- 株式会社サイバー・バズ公式サイト

