M&Aの「リアル」を伝える経済メディア

読了目安 約4分

,

エクサウィザーズ、ele&companyを7.04億円で子会社化

エクサウィザーズ、ele&companyを7.04億円で子会社化|M&A Times

エクサウィザーズ(4259・東証グロース、AIプロダクト・AIサービスを提供する企業)は2026年9月8日、コンサルティング事業を展開するele&companyの全株式を取得し子会社化すると発表しました。取得価額はアドバイザリー費用等を含め704百万円(7.04億円)です。

発表の概要

ele&companyは2024年4月8日設立、東京都中央区日本橋蛎殻町の会社です。代表取締役は森兼作氏で、PM支援を中心とした現場伴走型のコンサルティング事業のほか有料職業紹介事業・労働者派遣事業を手がけています。

「伴走ではなく、自走を実現する。」をミッションに掲げ、AI推進以外にも新規事業開発や営業変革など幅広いテーマで大手エンタープライズ企業への支援実績を持ちます。設立から短期間で業績を伸ばし、2025年12月期は売上高205,313,120円・純利益20,226,800円を計上しました。2026年12月期上期の売上高は395,867,137円、純資産は61,608,923円です。

案件の条件一覧を見る譲渡元(売り手)・取得対象・事業内容・スキーム ほか(7項目)
項目内容
譲渡元(売り手)ele&companyの既存株主(森兼作氏450株・岡郁樹氏50株の個人2名)
取得対象株式会社ele&companyの普通株式500株(発行済株式の全株式)
事業内容コンサルティング事業、有料職業紹介事業、労働者派遣事業
スキーム株式譲渡による完全子会社化(議決権所有割合100.0%)
取得価額株式700百万円+アドバイザリー費用等4百万円(合計704百万円)
契約締結日2026年9月中(予定)
株式譲渡実行日2026年9月中(予定)

背景

株式取得の目的についてエクサウィザーズは、「AIを社会実装し、社会課題を解決する」ことをミッションに2,500社を超える企業・行政機関にAIプロダクト・AIサービスを提供してきたと説明しています。生成AIの普及でAI/AIエージェント開発の需要が高まる一方、業務現場の課題をヒアリング段階から理解し、IT・システムに特化せず組織全体の経営課題に総合対応できるコンサルタントは採用・育成に時間を要することから、IDC Japan「国内ビジネスコンサルティング市場予測、2025年~2029年」など複数のデータに照らしても市場全体で不足していると開示は述べています。

対象会社側の強みについては、ele&companyが個人の専門性に依拠せずチーム単位で提案から実行までを担う標準化された営業モデルと、経営・業務コンサルティング人材の採用・活用力を持つ点を開示は挙げています。この営業モデルと人材基盤をエクサウィザーズグループに取り込み、既存の顧客接点の拡充とクロスセル、採用競争力の強化につなげる考えです。

買い手の経営戦略から見ると、本件はエクサウィザーズが2026年8月12日に公表した「2027年3月期第1四半期決算説明資料」の体制強化策と重なります。同資料はAIソリューション事業のデリバリー体制強化策として「採用(約40名を採用予定)」「業務提携(テクノプロとのAX人材育成に向けた基本合意)」と並べ「M&A(積極的なソーシングを実施中)」を掲げ、成長戦略にも「M&Aを通じたエクサウィザーズグループとしての事業成長」を明記しています。コンサルティング人材基盤の獲得を目的とする今回の子会社化は、この体制強化策の一環に位置づけられます。

今後の予定

契約締結・株式譲渡実行はいずれも2026年9月中を予定しています。ele&companyの業績は2027年3月期第3四半期連結会計期間からエクサウィザーズの連結業績に反映される見通しで、連結業績予想への影響は現在精査中です。

解説

ele&companyは設立2期目にあたる2025年12月期に売上高2億円超を計上し、2026年12月期上期時点の純資産は約6,161万円です。この会社が標準化された営業モデルとコンサルティング人材の採用・活用力を評価され、取得価額7.04億円でエクサウィザーズグループ入りすることになりました。

設立から日が浅くても、再現性のある営業の仕組みと人材基盤という無形の強みが対価につながった例といえます。株式取得後も代表取締役の森兼作氏・取締役の岡郁樹氏をはじめとする現経営陣が経営を続ける予定で、全株式を譲渡しながら経営には残る道筋があることも本件の特徴です。

自社の営業モデルや人材基盤をどう言語化し伝えるかは、売却や資本提携を検討する際の準備の一つになります。準備の進め方は売却準備の記事で解説しています。

次に読む

※本記事は2026年9月8日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典: 株式会社ele&companyの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ(日経・開示情報)、エクサウィザーズ 2027年3月期第1四半期決算説明資料