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ヨシムラ・フードHD、焼物調理機器の倖生工業を子会社化

ヨシムラ・フードHD、焼物調理機器の倖生工業を子会社化|M&A Times

2026年9月2日、食品関連企業の支援・グループ化を手がけるヨシムラ・フード・ホールディングス(証券コード2884・東証プライム)は、業務用焼物調理機器メーカーの倖生工業(千葉県千葉市中央区)の全株式を取得し子会社化したと発表しました。

発表の概要

倖生工業は1975年12月設立で、独自開発のセラミック製人工炭「倖生炭」を用いた業務用焼物調理機器「倖生炭グリラー」を主力製品としています。炭火に近い焼き上がりと高い耐久性を特徴に幅広い飲食店で採用されており、積極的な営業活動をしていないにもかかわらず口コミで評価が広がり、現在は売上高の2〜3割を海外向けが占めています。

2025年6月期の売上高は237百万円、営業利益91百万円、純利益61百万円、純資産419百万円で、過去3期は売上高176百万円→186百万円→237百万円、営業利益47百万円→52百万円→91百万円と増収増益が続いてきました。株式取得前は代表取締役の陶山次郎氏が91.5%、他1名が8.5%を保有していました。

項目内容
譲渡元(売り手)代表取締役 陶山次郎氏(開示上の株式取得の相手先。取得前の保有比率は陶山氏91.5%・他1名8.5%)
取得対象倖生工業株式会社(千葉県千葉市中央区)の発行済株式全数1,000株
事業内容業務用焼物調理機器の開発・製造・販売
スキーム株式譲渡による完全子会社化
取得価額相手先との守秘義務契約に基づき非開示。外部機関による財務・法務デューデリジェンスの結果を勘案した合理的な価格としています
契約締結日2026年9月2日
株式譲渡実行日2026年9月2日

背景

買い手のヨシムラ・フード・ホールディングスは2008年3月設立の食品関連企業支援プラットフォームで、後継者がいない企業や共に成長を目指す中堅・中小の食品関連企業の株式を譲り受け、現在は全38社を擁するグループへと成長してきました。

本件株式取得の理由についてヨシムラ・フードHDは、人口減少に伴う国内市場の縮小を見据え、日本ならではの高品質・独自性を持つ製品を国内外へ展開することを成長戦略の一つに掲げているためと説明しています。グループにはシンガポールとマレーシアで業務用厨房機器の販売・メンテナンスを手がけるNKRグループとExamasグループがあり、両グループが築いてきた現地の販売網とメンテナンス体制を倖生工業の海外展開に活用することで成長を加速できると判断したとのことです。

本件はヨシムラ・フード・ホールディングスの経営戦略にも重なります。同計画は2030年2月期に売上高1,150億円・営業利益80億円・EBITDA120億円とする目標を掲げ、さらにこれら定量目標にはオーガニック成長に加え新規M&Aを含むとしています。

M&Aターゲットは戦略別に3類型が示されており、このうち「その他」の類型は「当社グループ企業とシナジー効果を発揮できる企業」「独自の商品、技術等を持つ企業」を対象に、地域を「日本全国/東南アジア(主にシンガポール、マレーシア)」、業種を「食品製造業・食品卸売業・食品通信販売業・食品機械製造販売業」と定めています。形態は3類型に共通で「株式の過半数以上の譲渡(事業譲渡を含む)」「マイノリティ出資は行わない」としており、食品機械の製造販売にあたる倖生工業の完全子会社化はこれらの類型と整合します。

今後の予定

ヨシムラ・フードHDは、本件株式取得による2027年2月期以降の連結業績への影響は現在精査中とし、開示すべき事項が生じ次第速やかに開示するとしています。

解説

本件は、売上高2億円台のオーナー企業でも独自技術とブランド力があれば上場グループの傘下に迎え入れられる実例です。倖生工業は積極的な営業をせずとも口コミだけで売上高の2〜3割を海外向けが占めるまでになりました。ヨシムラ・フードHDはここに自社グループが持つシンガポール・マレーシアの販売網とメンテナンス体制を組み合わせ、海外展開の加速を描いています。

自社の技術力やブランド力が評価され、買い手の持つ販路や体制と組み合わさることで単独では届かない成長を実現できる可能性がある点は、売却や譲渡を検討するオーナー企業にとって参考になります。会社売却の進め方を具体的に知りたい方は会社売却の進め方完全ガイドもあわせてご覧ください。

※本記事は2026年9月2日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典

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