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太洋物産、買収3カ月の宅配ピザ会社を6.5億円で譲渡 撤退へ

太洋物産、買収3カ月の宅配ピザ会社を6.5億円で譲渡 撤退へ|M&A Times

食品専門商社の太洋物産(9941・東証スタンダード)は2026年9月30日、7月1日に株式交換で完全子会社化した株式会社いちごホールディングス(IH社)の全株式をAI DINING株式会社へ6億5,000万円で譲渡したと発表しました。同日付で譲渡を実行し、宅配ピザ事業から撤退します。

発表の概要

IH社は仙台市の会社で、宅配ピザ「ナポリの窯」を中心とした飲食事業をグループで展開しています。IH社はピザ生地の製造を担い、店舗運営は子会社のストロベリーコーンズが担当しています。譲渡先のAI DINING(東京都港区、2022年設立)はアプリの企画・開発などを手掛ける会社で、太洋物産との資本・人的・取引関係はありません。

案件の条件一覧を見る譲渡元(売り手)・譲渡先・譲渡対象・事業内容 ほか(9項目)
項目内容
譲渡元(売り手)太洋物産株式会社
譲渡先AI DINING株式会社(代表取締役 木野将徳。大株主は株式会社X HOLDINGS 51.0%、株式会社ベストアメニティホールディングス 49.0%)
譲渡対象株式会社いちごホールディングスの保有株式全部(251株、議決権所有割合100.0%)
事業内容ピザ生地の製造、その他食品・清涼飲料水の製造委託、購入及び販売ならびに輸入
IH社の業績(2025年11月期)売上高約13億4,155万円、営業利益約399万円、当期純利益約△1,532万円、純資産約10億1,097万円
スキーム株式譲渡
譲渡価額6億5,000万円(IH社の財政状態・事業計画・直近の業績に加え、株式交換の譲渡対価と株式交換の際に太洋物産で生じた諸経費等を総合的に勘案し、譲渡先との協議・交渉を経て決定)
取締役会決議日・契約締結日・株式譲渡実行日いずれも2026年9月30日
(参考)取得時の株式交換2026年4月24日契約締結、6月30日に両社の臨時株主総会で承認、7月1日効力発生。IH社株式1株に太洋物産株式1,967.45株を割当て、交付株式数は493,829株(4月24日開示時点の予定数)。比率は太洋物産株価1,215円(基準日終値1,349円から10%ディスカウント)とDCF法の算定範囲内のIH社株価2,390,446円から算出。交付株式は1,215円換算で6億円相当(4月24日開示)

背景

太洋物産によると、株式交換契約の締結(4月24日)から効力発生(7月1日)までの間にIH社内で「本来当社がIH社について報告を受けるべき事項であった」当初の事業計画の想定を上回る一時的な費用の支出と固定費負担等が生じていました。

要職にあたる人物の辞任なども踏まえて再検討した結果、経営資源を宅配ピザ事業以外に重点配分する方が中長期的な企業価値向上に寄与すると判断しました。

譲渡先は、太洋物産がIH社株式の取得元のエックスモバイル株式会社と元社長の木野将徳氏に譲渡の意向を相談したところ、木野氏が買戻し先として指定した企業です。AI DININGの代表取締役も木野氏です。

第6回新株予約権は4月24日に株式交換と併せて発行を決めた資金調達で、使途に宅配ピザ事業の出店費用10億円を含んでいました。この資金を含めIH社への出資・貸付等は行っていないとしています。譲渡と同じ9月30日にはこの10億円を使途から外し、M&A及び資本提携に係る資金を19億100万円から29億100万円に増やす変更も決議しました。

今後の予定

太洋物産は本件で関係会社株式売却益(子会社株式を売った利益)を特別利益に計上する見込みです。金額と連結業績への影響は精査中としています。金額と連結業績への影響は精査中としています。

解説

太洋物産が譲渡理由に挙げた想定外の支出や固定費負担は、株式交換契約の締結から効力発生までの約2カ月間に生じたものです。譲渡先は元社長が指定した会社で、譲渡価額6億5,000万円は取得時の株式対価6億円相当を上回ります。

契約から実行までに対象会社の状態が変わる問題は会社の規模を問わず発生するものです。実行後に問題が見つかれば売り手側への買戻しや補償請求に発展することがあります。中小企業の株式譲渡契約でも、この期間の大きな支出や役員の異動を報告事項や表明保証として定め、違反時の補償・価格調整・解除の条件を置くことが備えになります。

詳しくは表明保証の役割と違反時の対応とクロージング条件(CP)の扱いで解説しています。

※本記事は2026年9月30日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は太洋物産の適時開示をご確認ください。

出典

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