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トーカイ、東京・熊本2社の福祉用具事業を吸収分割で承継

トーカイ、東京・熊本2社の福祉用具事業を吸収分割で承継|M&A Times

トーカイ(コード9729、岐阜県岐阜市、東証プライム市場)は2026年9月7日、株式会社K-WORKER(東京都新宿区)と株式会社荒木マリーン(熊本市)の福祉用具貸与事業・福祉用具販売事業・住宅改修事業を吸収分割で承継すると発表しました。同日開催の役員会で決議し吸収分割契約を締結、効力発生日は2026年11月1日を予定しています。

発表の概要

トーカイは病院リネンサプライなど病院運営の周辺業務受託や福祉用具の貸与・販売を手掛ける企業で、2026年3月期の連結売上高は159,664百万円です。1996年から福祉用具の貸与・販売及び住宅改修を展開し、現在はトーカイグループとして東北から九州まで104拠点を展開しています。

分割会社の一つK-WORKERは1999年8月設立で代表取締役は古川圭吾氏、居宅介護支援・訪問介護・通所介護に加え福祉用具貸与・販売事業等を営む個人1名が全株式を保有するオーナー企業です。

もう一つの荒木マリーンは1980年6月設立で代表取締役は荒木寿朗氏、福祉用具貸与・販売・住宅改修を手掛け、個人3名が全株式を保有しています。K-WORKERの居宅介護支援・訪問介護・通所介護事業は今回の承継対象に含まれず、承継されるのは両社の福祉用具貸与・販売事業等に限られます。

案件の条件一覧を見る承継会社・分割会社(2社)・対象事業・スキーム ほか(6項目)
項目内容
承継会社株式会社トーカイ(岐阜県岐阜市、東証プライム9729)
分割会社(2社)株式会社K-WORKER(東京都新宿区)、株式会社荒木マリーン(熊本市)
対象事業福祉用具貸与事業、福祉用具販売事業、住宅改修事業
スキーム吸収分割(会社法第796条第2項の簡易吸収分割に該当しトーカイ側の株主総会の承認手続きなし)
対価K-WORKERに120百万円、荒木マリーンに186百万円の金銭を交付(合計306百万円)
効力発生日(予定)2026年11月1日

背景

本会社分割の目的についてトーカイは、シルバー事業として1996年より福祉用具の貸与・販売及び住宅改修を展開しトーカイグループとして現在104拠点を構える一方、K-WORKERと荒木マリーンはそれぞれ東京都内・熊本県内で同様の事業を展開し地域に根差した顧客基盤を築いており、両社から福祉用具貸与・販売事業等を承継することで、顧客基盤の拡大とシェア向上を図るとしています。

トーカイの経営計画を見ると、本会社分割はシルバー事業(福祉用具の貸与・販売や住宅改修などの在宅介護サポート事業)の拡大方針に沿う動きです。2025年5月26日公表の「2026年3月期〜2028年3月期 中期経営計画 説明資料」では、シルバー事業をグループの成長をけん引する事業としており、10年後に目指す姿として介護用品レンタルでのシェア10%を掲げています。

2023年度は5%程度でしたが、これを積極的な出店と地域シェアを高めるM&Aで引き上げる方針です。2026年5月25日の決算説明会資料では4月にシルバー事業のM&A担当部署を新設したことや2025年3月期に吸収分割2件の実績があることも開示しており、本件は同じ吸収分割スキームで地域の事業基盤を取り込む一連の取り組みの一つと位置づけられます。

今後の予定

本会社分割の効力発生日は2026年11月1日を予定しています。簡易吸収分割の要件を満たすためトーカイ側の株主総会決議は不要です。承継する資産の金額は僅少の見込みで、負債の承継は見込んでいません。トーカイは、本会社分割による連結業績への影響は軽微としています。

解説

本件は、会社全体の業績にかかわらず特定の事業部門を会社分割で切り出せば、その部門単独にDCF法で対価がつく実例です。K-WORKERは2025年9月期に売上422,296千円に対し営業損失143,314千円、純資産は△4,572千円でしたが、承継対象の福祉用具貸与・販売事業等は売上141,012千円(全体の33.4%)を占め、DCF法により123百万円〜172百万円のレンジで算定されました。荒木マリーンは2026年3月期の売上185,621千円(税込経理方式ベース)の全額が対象事業に相当し、199百万円〜255百万円のレンジで評価されています。

事業単位で承継先を見つければ、他部門の業績によらず対価を得られる可能性がある点は、複数事業を営むオーナー経営者への示唆になります。買い手側から見ても、本会社分割は会社法第796条第2項の簡易吸収分割に該当するため株主総会の承認手続きを経ずに実行でき、承継資産が僅少で負債の承継も見込まない設計になっている点は、会社分割型M&Aの実務を知るうえで参考になります。

会社分割を活用した事業承継の考え方は会社分割を活用した事業承継とは?スキームと注意点、吸収分割と新設分割の違いは吸収分割と新設分割の違いとは?使い分けを解説で解説しています。事業の一部を切り出して対価を得る選択肢を検討する際は事業売却とは?会社売却・事業譲渡との違いと進め方もご参考にしてください。

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※本記事は2026年9月8日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典