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事業売却とは?会社売却・事業譲渡との違いと進め方

事業売却とは?会社売却・事業譲渡との違いと進め方|M&A Times

「事業売却」で検索すると、会社ごと売る手続きの解説ページと、事業の一部だけを売る手続きの解説ページが混在して出てきます。これは「事業売却」という言葉自体が、法律用語ではなく、株式譲渡と事業譲渡の両方を指す通称として使われているためです。本記事では、会社を売ろうか迷い始めた経営者の視点を中心に、この呼び方の整理と進め方・税金の違いを解説します。

結論:事業売却は株式譲渡と事業譲渡の総称

結論から言うと、「事業売却」は会社ごと売る株式譲渡と、事業の一部を売る事業譲渡の両方を指す言葉です。会社という器ごと引き継いでもらいたい場合は株式譲渡、特定の事業だけを引き継いでもらい会社自体は手元に残したい場合は事業譲渡を検討することになります。どちらを選ぶかによって、税金の仕組みも手続きの複雑さも大きく変わります。まずは自分がどちらを求めているのかを整理することが、事業売却を進める最初の一歩です。

会社ごと売る事業売却=株式譲渡の進め方と税金

株式譲渡は、オーナー経営者が保有する自社株式を買い手に譲渡し、会社の経営権をそのまま引き継いでもらう方法です。契約や許認可、雇用関係は会社に紐づいたまま維持されるため、比較的シンプルな手続きで進められます。

進め方は、条件の整理と相手探し、基本合意、買収監査(デューデリジェンス)、最終契約、クロージングという流れが一般的です。準備からクロージングまでは半年〜1年程度かかることが多いとされますが、規模や交渉の状況によって前後します。

税金面では、個人株主が株式を譲渡した場合の譲渡益には、原則として所得税・住民税をあわせて20.315%の税率がかかります。税額の計算方法や特例の有無は個々の状況で変わるため、詳しくはキャピタルゲインとは?株式売却の税金と計算方法で確認したうえで、実際の申告は税理士に相談することをおすすめします。

事業の一部を売る事業売却=事業譲渡の進め方と税金

事業譲渡は、会社が持つ事業の一部または全部を、資産・契約・従業員などの単位で個別に買い手へ譲渡する方法です。会社そのものは売り手のもとに残るため、複数事業のうち不採算部門だけを譲渡するといった使い方もできます。

進め方は、譲渡対象の切り出しと財産目録の整理、契約や許認可の承継手続き、従業員の転籍同意の取得などが加わり、株式譲渡より工程が多くなりやすい点が特徴です。取引先との契約は個別に巻き直しが必要になる場合があります。

税金面では、譲渡益に対して法人税がかかるほか、譲渡資産の内容によっては消費税が課税される点が株式譲渡と大きく異なります。原則として、のれん部分を含む資産評価や消費税の課税・非課税区分の判定が必要になるため、詳細は事業譲渡にかかる税金とは?消費税・法人税と株式譲渡との違いを参照し、税理士に確認してください。

会社売却と事業譲渡、どちらを選ぶべきか

判断の軸は主に3つです。会社ごと引退・承継したいか事業だけを引き継がせたいか、簿外債務や個人保証を含めて会社を切り離したいか、買い手が株式取得と事業取得のどちらを望んでいるかです。

観点株式譲渡(会社売却)事業譲渡
対象会社の全株式事業の資産・契約・従業員(選択可能)
主な税金譲渡所得に対し約20.315%(原則)法人税+消費税(原則)
契約・許認可原則そのまま維持個別に承継手続きが必要
向いているケース会社ごと引退・承継したい場合不採算部門の切り離し・一部譲渡
一般的な傾向であり、実際の税額や手続きは個々の状況により異なります。詳細は専門家にご確認ください。

買い手側の意向も大きく影響します。買い手がリスクを事業単位に限定したい場合は事業譲渡を、経営権ごとシンプルに引き継ぎたい場合は株式譲渡を提案してくることが多く、交渉の中で最終的な手法が固まっていくケースも珍しくありません。売却相場の考え方は会社売却の相場は純資産の何倍?規模別の実測PBR・PERもあわせて確認してください。

どちらの手法でも、士業やM&A仲介会社などの専門家に依頼して進めるのが一般的です。費用は成功報酬型が中心で、具体的な水準や着手金の有無は依頼先によって異なります。仲介の仕組みや手数料の考え方はM&A仲介とは?業務内容・手数料・FAとの違いを解説で解説しています。

よくある失敗・注意点

  • 「事業売却」というキーワードだけで情報を集め、自社に合わない手法(株式譲渡か事業譲渡か)の準備を進めてしまう
  • 事業譲渡の税額を株式譲渡と同じ感覚で見積もり、法人税・消費税の負担を想定より重く感じてしまう
  • 交渉の初期段階で「会社を売りたい」とだけ伝え、株式譲渡と事業譲渡のどちらを想定しているか買い手と認識がずれる
  • 許認可が必要な事業で、事業譲渡後に許認可の再取得ができず事業継続に支障が出る

まとめ

  • 「事業売却」は株式譲渡(会社ごと)と事業譲渡(事業単位)の両方を指す通称
  • 税金は株式譲渡が譲渡所得課税、事業譲渡が法人税+消費税と仕組みが異なる(いずれも原則)
  • 自社に合う手法は、引退か一部譲渡かという目的と、買い手の意向の両方から判断する

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