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リンクアンドモチベーション、SELFと株式交換契約締結 比率確定

リンクアンドモチベーション、SELFと株式交換契約締結 比率確定|M&A Times

リンクアンドモチベーション(2170、東証プライム上場、組織開発コンサルティングとクラウドサービスを展開する企業。代表取締役会長は小笹芳央氏)は2026年9月9日、企業向け統合AIサービス「SELFBOT」を提供するSELF株式会社(東京都新宿区、代表取締役生見臣司氏)との株式交換契約を締結したと発表しました。8月10日に公表した基本合意を経た続報で、交換比率と対価の内容が確定しました。

発表の概要

SELFは2014年11月に設立され、社内のナレッジ情報を一元管理し顧客対応やカスタマーサポートを自動化する企業向け統合AIサービス「SELFBOT」を展開しています。サービス開発に伴う先行投資により2025年9月期末時点の純資産は0.8百万円の債務超過ですが、直近2期は営業黒字と当期純利益を計上しており、2026年9月期には債務超過の解消を見込んでいます。発行済株式は普通株式4,469,903株とA種優先株式561,798株の合計5,031,701株(2026年8月12日現在)で、代表取締役の生見臣司氏が36.01%を保有する筆頭株主です。

案件の条件一覧を見る株式交換完全子会社・株式交換完全親会社・スキーム・株式交換比率 ほか(9項目)
項目内容
株式交換完全子会社SELF株式会社(東京都新宿区、代表取締役生見臣司氏)
株式交換完全親会社株式会社リンクアンドモチベーション(証券コード2170、東証プライム市場)
スキーム会社法796条2項に基づく簡易株式交換。SELFの総資産がLMIの直前事業年度末純資産の10%未満、SELFの売上高がLMIの直前事業年度売上高の3%未満と見込まれるため、LMIは株主総会の承認を得ずに実施
株式交換比率LMI株式1に対しSELF普通株式0.1291419・SELF A種優先株式0.8900962
交付する株式LMI保有の自己株式1,077,299株のみを充当し、新株式の発行は行わない
株主総会・承認手続きLMIは簡易株式交換のため株主総会の承認なし。SELFは全株主から同意書を取得し書面決議(株主総会のみなし決議)で承認予定
基本合意書締結日2026年8月10日
株式交換契約締結日2026年9月9日
効力発生日2026年10月1日(予定)

背景

完全子会社化の目的についてLMIは、SELFBOTを自社商品「モチベーションクラウド」における変革サービス(組織課題の診断に対し、解決を担うサービス群を指すLMI独自の呼称)の一つに組み込み、情報へのアクセス効率化を通じた生産性向上を支援できるためとしています。既存のクラウドサービスやコンサルティングと組み合わせることで組織変革効果の持続的な向上を図り、組織変革のニーズを持つ顧客へのクロスセル機会の拡大も見込めるとも説明しています。

また買い手の経営戦略から見ると、本件はLMIが2026年2月12日に公表した中期成長戦略の方針に沿った取り組みといえます。同戦略はコンサル・クラウド事業を中心とした収益のストック化を進めることで、2030年までに営業利益150億円(2025年の42億円から約3.5倍)、ARR240億円(同75億円から約3倍)の達成を目指しており、中間目標として2028年に営業利益100億円・ARR150億円を挙げています。

目標達成手段の一つとして変革サービスの新たな領域でクラウド化を推進する方針を掲げており、RPAのRobo-PatやFCEプロンプトゲート、ピアボーナスのUniposなどのサービスを変革サービス群に位置付けています。LMIは2011年のキャリアスクール事業、2014年のALT配置事業、2020年のオープンワークなどM&Aで事業領域を広げてきた実績もあり、本件もこの成長戦略に沿ったM&Aと位置づけられます。

今後の予定

効力発生日は2026年10月1日を予定しています。SELFが発行する新株予約権は効力発生日までに新株予約権者による放棄で消滅する予定で、LMIによる代替新株予約権の交付はありません。株式交換に伴いLMIの名称・所在地・代表者・事業内容・資本金・決算期に変更はなく、連結業績への影響も軽微と見込んでいます。

解説

本件は現金でなく買い手の上場株式を対価とするイグジットの一例です。SELFの株主は換金ではなく、LMIという上場企業の株主になる形で対価を受け取ります。算定結果はSELF普通株式1株75.52円に対しA種優先株式1株520.52円と約6.9倍の開きがあり、DCF法で算定した企業価値をCVM法で優先株式の残余財産優先分配権等を反映して配分した結果です。

VCなど種類株主を含む会社の売却・承継を検討する経営者にとって、株式の種類ごとに経済的権利が異なれば対価の配分にも差が生じる点は交渉前に押さえておく必要があります。SELFは決算上は債務超過でしたが、直近2期の営業黒字と成長性を根拠にDCF法の評価が成立しており、帳簿上の純資産の少なさだけで自社の売却可能性を判断すべきではないことも本件から読み取れます。会社の売却・承継を具体的に検討する際は会社売却の進め方ガイドを参考にしてください。

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※本記事は2026年9月9日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典