きんでん(証券コード1944)は、2026年7月6日に終了した弘電社(証券コード1948)株式に対する公開買付け(TOB)が成立したと、7月7日付で発表しました。買付け等の価格は1株11,501円で、決済開始日である2026年7月13日付できんでんの弘電社に対する議決権所有割合は42.53%となる予定です。
発表の概要
きんでんは、電気設備工事を中心に情報通信設備工事や空調・衛生設備工事などを手がける総合設備エンジニアリング大手で、関西電力を筆頭株主(持株比率29.75%)とする東証プライム上場企業です。一方の弘電社は、三菱電機を親会社(持株比率51.4%)とする1917年設立の電気設備工事会社で、屋内線工事・送電線工事・発変電工事・通信工事・空調工事の設計・施工などを手がけ、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。
本公開買付けの期間は2026年5月26日から2026年7月6日まで(30営業日)でした。応募株券等の数は3,714,499株で、買付予定数の下限1,336,800株を上回ったため、応募株券等の全部の買付け等を行います。弘電社の親会社である三菱電機は、保有する4,485,620株(弘電社の基準株式数に対して51.36%相当)についてあらかじめ本公開買付けに応募しない旨を合意しており(不応募合意株式)、この株式を除いた4,247,980株が買付予定数(上限なし)とされていました。買付け等の結果、きんでんの議決権所有割合は42.53%(37,144個)となり、決済の開始日である2026年7月13日付で弘電社はきんでんの関連会社となる予定です。取得価額は427億2,000万円(アドバイザリー費用等を除く)です。
背景
開示によると、きんでんグループと弘電社グループの間には、従来から設備工事に関する営業取引がありました。一方で両社の間に資本関係・人的関係はなかったとされています。本公開買付けは、弘電社株式の全て(弘電社が所有する自己株式および三菱電機の不応募合意株式を除く)を取得し、最終的に弘電社を完全子会社化することを目的とする取引の一環です。開示によると、TOBで取得しない三菱電機の保有分は、TOB成立後のスクイーズアウト(株式併合)で株主をきんでんと三菱電機の2社のみとした後、弘電社自身が自己株式取得によって三菱電機から買い取る予定です。これにより最終的にきんでんが唯一の株主となる設計です。きんでんはTOB開始時の開示で、両社の顧客基盤や施工力を掛け合わせた事業基盤の強化に加え、きんでんが相対的に手薄だった特別高圧受変電・発変電設備等の強電工事や半導体関連工事といった事業領域の拡大などのシナジーを見込むとしています。
今後の予定
きんでんは、対象者が所有する自己株式および不応募合意株式を除く弘電社株式の全てを取得することを目的とした手続を、今後実施する予定としています。この手続が実施された場合、弘電社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる見込みです。具体的な手続や実施時期は、弘電社との協議の上、決定次第、弘電社が公表するとしています。
公開買付け(TOB)の仕組みはTOBとはで解説しています。電気工事など建設業界のM&A動向は建設業界のM&Aもあわせてご覧ください。
次に読む
※本記事は2026年7月8日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。
出典
- 株式会社きんでん「株式会社弘電社(証券コード:1948)の株券に対する公開買付けの結果及び関連会社の異動に関するお知らせ」(適時開示、2026-07-07)
- 株式会社弘電社「株式会社きんでんによる当社株式に対する公開買付けの結果並びに主要株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」(適時開示、2026-07-07)
- 株式会社きんでん「株式会社弘電社の株券に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」(適時開示、2026-05-25)
- 株式会社きんでん「第112期 有価証券報告書」(大株主の状況、2026-03-31現在)

