沖縄県宜野湾市に本社を置きauショップ運営などの移動体通信事業とブライダル事業を展開する光貴(コード342A・Fukuoka PRO Market、代表取締役社長 斉藤政美氏)は2026年9月18日、京都市下京区で運営する婚礼施設「ヴォヤージュドゥルミエール京都七条迎賓館」を、「小さな結婚式」などを運営するKSGグループの株式会社レック(兵庫県神戸市、取締役社長 梅原栄次氏)へ事業譲渡すると発表しました。
発表の概要
譲渡対象の「ヴォヤージュドゥルミエール京都七条迎賓館」は、光貴が運営する複数のブライダル施設の一つです。2026年3月期の実績は売上高112,205千円・経常利益7,601千円の赤字で、全社売上高7,726,960千円に占める比率は1.5%でした。同施設に係る固定資産は2026年3月期末の減損処理により、2026年9月18日時点の帳簿価額が0円となっています。流動資産・流動負債・固定負債は今回の事業譲渡の対象に含まれません。
案件の条件一覧を見る譲渡元・譲受側・対象事業・スキーム ほか(7項目)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元 | 株式会社光貴 |
| 譲受側 | 株式会社レック(KSGグループ) |
| 対象事業 | 婚礼施設「ヴォヤージュドゥルミエール京都七条迎賓館」(京都市下京区) |
| スキーム | 事業譲渡(現金決済) |
| 譲受価格 | 800万円 |
| 契約締結日 | 2026年9月24日(予定) |
| 実行予定日 | 2026年10月1日(予定) |
背景
事業譲渡の理由について光貴は、2027年3月期を初年度とする中期経営計画でブライダル事業における事業基盤の強化及び収益性の向上を重点施策に掲げていると説明しています。この方針のもと全社の経営資源の最適配分を検討した結果、当該施設をレックへ譲渡することが経営資源の効率的な活用及び中長期的な企業価値の向上に資すると判断し、本件事業譲渡を決定しました。
「ヴォヤージュドゥルミエール京都七条迎賓館」以外のブライダル施設は引き続き運営を継続します。光貴は今後も事業ポートフォリオの最適化及び収益力の向上に取り組むとしています。
譲受側のレックについて補足すると、1989年9月設立で資本金5,000万円、2026年5月期の純資産は1,664,232千円・総資産は10,471,914千円です。大株主はレックホールディングス62.76%・神戸信用金庫25.60%・KRエンカレッジファンド投資事業組合11.64%で、公式サイトによれば冠婚葬祭を起点にウェディング事業「小さな結婚式」や写真事業「ラヴィファクトリー」など13の事業を展開するKSGグループの中核企業です。光貴とレックの間に資本関係・人的関係・取引関係はありません。
今後の予定
事業譲渡契約の締結は2026年9月24日、事業譲渡の実行は2026年10月1日を予定しています。いずれも現時点の予定で、今後の協議の状況等により変更となる場合があるとしています。光貴は本件による2027年3月期業績への影響は軽微と見込んでいます。
解説
本件で実際に起きたのは、2026年3月期末の減損処理によりすでに帳簿価額が0円となっていた婚礼施設が、現金800万円で同業のレックに引き継がれ営業を継続するという展開です。施設単位の事業譲渡という手法により、光貴は他のブライダル施設の運営を維持したまま特定の施設だけを切り離すことができました。
本件から企業の経営者が読み取れるのは、帳簿上の価値がゼロでも売却の対価がつきうるということです。減損処理は自社の会計上の評価にすぎず、買い手が値段をつけるのは立地・設備・稼働している事業そのものだからです。
ただし本件は上場会社の適時開示だからこそ800万円という価格が表に出た取引で、中小企業の相対取引では同種の施設がいくらで動いたかは外から見えません。自社の事業や施設の切り出しを検討する段階では、どこまでを譲渡対象に含めるかの整理を含めて仲介会社やFAに相談するのが実務です。具体的な進め方は会社売却の進め方で解説しています。
※本記事は2026年9月21日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

