M&Aの「リアル」を伝える経済メディア

読了目安 約2分

TOB規制が約20年ぶり抜本改正 「3分の1」から「30%」へ

2026年5月1日に施行された改正金融商品取引法により、TOB(株式公開買付け)に関する規制が大きく見直されました。公開買付制度の抜本的な改正は2006年(平成18年証券取引法改正)以来、約20年ぶりとなります。

主な改正点

  • 基準の引き下げ:これまでの「3分の1超(約33.3%)」から「30%超」の議決権取得でTOBが義務付けられるようになりました
  • 市場内取引への拡大:従来は主に市場外取引が対象でしたが、市場内(立会内)での買い集めにも30%ルールが適用されるようになりました
  • 適用除外の再編:一部の適用除外が廃止される一方、僅少な買付け(増加0.5%未満)等の除外が新設されるなど、実態に合わせた見直しが行われました

30%に引き下げられた背景

基準が30%に引き下げられた背景には、諸外国でTOBが義務付けられる閾値を30%とする例が多いことや、30%の議決権があれば多くの上場会社で株主総会の特別決議を阻止できることがあるとされています。経営権の移動につながる取引の透明性を高め、一般株主に平等な売却機会を確保する狙いです。

実務への影響

市場内での買い集めも規制対象となったことで、上場企業の経営権に関わる株式取得は、これまで以上にTOBによる手続きが求められる場面が増えると考えられます。なお、施行日(2026年5月1日)より前に開始された公開買付け等については、原則として改正前の規定が適用される経過措置が設けられています。TOBの仕組みそのものについてはTOB(株式公開買付け)とはで詳しく解説しています。関連して非公開化の手法であるMBOもあわせてご確認ください。

出典: 金融庁「令和6年金融商品取引法等改正に係る政令・内閣府令案等に関するパブリックコメントの結果等について」