東証プライム上場のA&Dホロンホールディングス(計測・分析機器を手がけるグループの持株会社)が、電子計測器メーカーの株式会社エーディーシーを完全子会社化します。連結子会社のエー・アンド・デイを通じて全株式を取得することを、2026年7月10日開催の取締役会で決議しました。
今回の取引には3社が登場します。関係を整理すると次のとおりです。
- 買い手(親会社):A&Dホロンホールディングス(グループの持株会社)
- 取得主体(親会社の子会社):エー・アンド・デイ(実際に株式を買い取る会社)
- 対象(売られる会社):エーディーシー(完全子会社になる会社)
発表の概要
エーディーシーは、半導体・電子部品分野の精密計測に強みを持つ電子計測器・光計測器メーカーで、産業技術総合研究所(産総研)と共同で基準源モジュールの開発にも取り組んできました。エー・アンド・デイは同社の全株式を取得し、完全子会社とします。取得価額は公表されていません。
背景
A&Dホロングループは計量・計測機器事業を展開しており、エーディーシーの計測技術・顧客基盤との親和性が今回の子会社化の背景にあります。エー・アンド・デイの技術力・生産基盤・グローバル販売網とエーディーシーの計測技術・顧客基盤を相互に活用することで、両社の持続的な成長につながると考えられます。
A&DホロンHDは2025年5月に長期ビジョン2034と、その第1ステップとなる中期経営計画(2025年度〜2027年度)を策定し、2026年5月の計画見直し後も、M&Aを「事業シナジーや成長領域へのアクセスを重視し柔軟に検討」する成長投資・戦略投資の柱の一つと位置づけています。とりわけ計測・計量機器事業では、売上拡大策として「将来成長分野への参入を見据えた戦略的M&Aの検討」を掲げており、電子計測器・光計測器を手がけるエーディーシーの子会社化は、この方針に沿った動きと考えられます。
用語解説
今回のように、対象会社の株式譲渡(会社のオーナーが保有する株式を買い手に売り渡す方法。中小企業のM&Aで最も多く用いられる形です)によって全株式を取得し子会社化する手法は、M&Aの代表的なスキームの一つです。
中小経営者への示唆
買い手が自社の技術や顧客基盤とのシナジー(相乗効果)を見込んで、規模の大きくないメーカーを子会社に迎える動きは、業界を問わず広く見られます。今回のように、買い手が既存事業との親和性を評価して取り込むケースは少なくありません。売却を検討するオーナー経営者にとっては、「どんな相手なら自社の強みを高く評価してくれるか」を考えることが、相手探しの出発点になります。譲渡に踏み切る時期の考え方は、会社を売るタイミングの見極め方もあわせて参考にしてください。
出典:A&Dホロンホールディングス「株式会社エーディーシーの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(PR TIMES)/A&Dホロンホールディングス「中期経営計画(2025年度〜2027年度)見直しについて」(2026年5月13日)

