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サンエツ金属、富山住友電工の電子リード線事業を譲受へ

サンエツ金属、富山住友電工の電子リード線事業を譲受へ|M&A Times

東証プライム上場のCKサンエツ(コード5757、富山県に本社を置く伸銅・精密部品メーカーのグループ)は2026年7月30日、連結子会社のサンエツ金属株式会社(富山県砺波市、黄銅棒・線・めっき線事業および精密部品事業を展開)が、富山住友電工株式会社(住友電気工業の100%子会社)の電子リード線事業を譲受することを決議し、同日付で契約を締結したと発表しました。

発表の概要

今回譲り受けるのは電子リード線事業で、開示によれば電子リード線とは高品質・高信頼性が求められる端子を量産するための素材としての銅線・銅合金線を指します。スキームは特定の事業を切り出して譲渡する事業譲渡にあたります。

項目内容
譲渡元富山住友電工株式会社(富山県射水市、住友電気工業の100%子会社、資本金4億9,000万円、代表取締役社長 山本康夫)
譲受側サンエツ金属株式会社(富山県砺波市、CKサンエツの100%子会社)
対象事業電子リード線事業
譲渡元の事業内容アルミ線材・アルミ合金線、電子リード線、セルメット®(多孔質金属体)の製造
譲受価格相手先との取り決めにより非開示
契約締結日2026年7月30日
事業譲受実行予定日2027年11月1日(予定)

背景

CKサンエツグループは主要事業領域である伸銅事業のうち電子リード線分野を高付加価値製品と位置付けていますが、海外の同業他社が多数参入を試みており市場での競争が激化しつつあります。品質・原価・デリバリーなど全ての面で競争力を持続的に高めるため、同グループはM&Aによる事業領域と規模の拡張を成長戦略の重要な施策と位置付け、従来より一貫して取り組んできました。実際に同グループは、シーケー金属(2011年)、TOBを経た日本伸銅(2015年)、三谷伸銅(2025年)の子会社化など伸銅・関連事業のM&Aを重ねて規模を拡大してきており、2026年5月公表の資本コストや株価を意識した経営に関する資料でも「M&Aを中心とした成長投資の継続的実行」を成長投資の柱に挙げています。伸銅事業は2026年3月期に売上高1,314億円とグループの主力事業で、電子リード線はその高付加価値製品と位置付けられています。

本事業譲受によりサンエツ金属では、電子リード線の製造・品質管理のノウハウを融合し規模を拡大することで、より競争力を高められると判断しています。大手グループが特定の事業を切り出して他社へ譲渡する手法は一般にカーブアウトと呼ばれます。

今後の予定

  • 取締役会決議日:2026年7月30日
  • 契約締結日:2026年7月30日
  • 事業譲受実行予定日:2027年11月1日(予定)

本事業譲受による2027年3月期のCKサンエツ連結業績への影響はないとしています。素材供給から製品加工までの一貫生産体制を深化させることで、市場環境の変化に柔軟に対応できる安定した事業基盤の構築と収益性の向上を目指す方針です。

解説

大手グループであっても、採算や戦略上の理由から特定の事業を切り出し、専業のメーカーへ譲渡する動きは一般的になりつつあります。本件も、住友電気工業グループの富山住友電工が電子リード線事業をサンエツ金属へ譲渡する形がとられました。

会社ごと譲渡する株式譲渡と異なり、事業譲渡は特定の事業・資産のみを切り出して譲渡できるため、後継者不在や不採算部門の整理を検討する中小企業でも使いやすい手法です。事業の切り分け方や譲渡に向けた条件整理の進め方は、会社売却の準備は何から?磨き上げの進め方もご参照ください。

次に読む

※本記事は2026年7月31日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典:CKサンエツ「当社連結子会社による事業譲受に関するお知らせ」(2026年7月30日) https://ssl4.eir-parts.net/doc/5757/tdnet/2858132/00.pdf/CKサンエツ「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応のアップデート」(2026年5月21日) https://ssl4.eir-parts.net/doc/5757/tdnet/2819671/00.pdf/CKサンエツ「2026年3月期 決算短信」 https://ssl4.eir-parts.net/doc/5757/tdnet/2807802/00.pdf