M&Aの「リアル」を伝える経済メディア

読了目安 約4分

,

HUMAN MADE、アンダーカバー買収へ 高橋盾氏はデザイン専念

HUMAN MADE、アンダーカバー買収へ 高橋盾氏はデザイン専念|M&A Times

HUMAN MADE株式会社(証券コード456A・東証グロース)は2026年9月11日開催の取締役会で株式会社アンダーカバーの全株式取得及び子会社化を決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。取得対象は高橋盾氏が1990年に立ち上げたブランドUNDERCOVERを運営するアンダーカバー社です。

発表の概要

アンダーカバーは1994年9月設立、東京都渋谷区神宮前に本社を置く企業で紳士服や婦人服、アクセサリー等の企画・製造・販売を手がけています。代表取締役の高橋盾氏が1990年に立ち上げたブランドUNDERCOVERを運営し、ストリートとモードを融合した独自のポジションを30年以上かけて確立してきました。

株主は高橋盾氏が80%、高橋弘史氏が20%を保有しており、直近の2026年6月期の業績は売上高3,590百万円、営業利益65百万円、当期純利益37百万円、純資産537百万円でした。

案件の条件一覧を見る譲渡元(売り手)・取得対象・事業内容・スキーム ほか(7項目)
項目内容
譲渡元(売り手)アンダーカバーの大株主である高橋盾氏(80%)と高橋弘史氏(20%)
取得対象株式会社アンダーカバー(発行済株式240株、取得後の所有割合100%)
事業内容紳士服、婦人服、アクセサリー等の企画・製造・販売
スキーム株式譲渡
取得価額普通株式538百万円とアドバイザリー費用等(概算)16百万円の合計554百万円(概算)
契約締結日2026年9月11日
株式譲渡実行日2027年2月(予定)

背景

HUMAN MADEは子会社化について、人の手が生み出すカルチャーをマンガやアニメ・ゲームに続く産業に育てるという「CULTIVATE CULTURE」の実現に向けた成長戦略の一環と説明しています。同社はブランド資産の価値が十分に利益につながっていない企業を買収し、HUMAN MADEに続く第二第三の柱として育てる方針を掲げています。この方針は2025年11月27日開示の「事業計画及び成長可能性に関する事項」の「IP戦略-ブランドポートフォリオ拡大」に示されており、本件は同方針の第1号案件です。

UNDERCOVERについてHUMAN MADEは、ストリートとモードを融合した独自のポジションを確立しており世界的に高い知名度を持つデザイナーズブランドだと評価しています。代表の高橋盾氏はHUMAN MADEの大株主でクリエイティブディレクターのNIGO®氏と30年以上の親交があり、1990年代の裏原宿ストリートカルチャーを牽引した間柄です。両社は2025年にコラボレーションアイテム「HUMAN MADE×UNDERCOVER」を発売するなど協業を重ねてきました。

両社は2026年6月15日付で株式取得に向けた基本合意書を締結しており、今回の株式譲渡契約はこれに続く決定です。

今後の予定

アンダーカバー社は2028年1月期第1四半期からHUMAN MADEの連結子会社となる予定です。株式譲渡実行日は2027年2月を予定しており、2027年1月期の業績への影響は軽微と見込んでいます。株式取得後は高橋盾氏が経営から離れアンダーカバー社のヘッドデザイナーとしてクリエイティブに専念し、経営はHUMAN MADEが担います。両社はバックオフィス等の経営基盤を共有しながら1〜2年でビジネスモデルを変革し、5年程度で売上高50億円前後、営業利益率20%前後を目指す方針です。

解説

本件で注目したいのは高橋盾氏が保有する株式の全てを譲渡し経営から退く一方で、ヘッドデザイナーとしてクリエイティブには関与し続ける設計です。経営権と実務は買い手であるHUMAN MADEに委ね、創業者は自身の専門領域に専念する形になっています。自社の強みが属人性やブランド力にある会社では、譲渡後の関与範囲を事前に整理しておくと交渉条件の設計に役立ちます。会社売却の進め方を確認し、関与範囲の希望も含めて準備を進めるとよいでしょう。

次に読む

※本記事は2026年9月11日時点の開示情報に基づいています。株式譲渡実行日(2027年2月予定)を含め今後の状況が変わる可能性があります。最新の情報は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典