国産・無添加ペットフードのD2C(消費者直販)事業を手掛ける犬猫生活(東証グロース・556A)は2026年9月14日、茨城県守谷市で「守谷フォレスト動物病院」を運営する株式会社どうぶつのもりの株式を取得し子会社化すると発表しました。犬猫生活が取得した動物病院としては2拠点目です。
発表の概要
どうぶつのもりは2021年10月に設立された法人で、茨城県守谷市の守谷フォレスト動物病院を運営する会社です。代表取締役の古川志久麿氏が全株式にあたる10株を保有し、獣医師1名・診察室2室の体制で外科手術にも月20件程度対応しているとのことです。売上高は2024年9月期が79,417千円、2025年9月期は87,543千円、営業利益はそれぞれ12,774千円・15,752千円でした。犬猫生活は古川氏から全株式を取得します。
案件の条件一覧を見る譲渡元(売り手)・取得対象・スキーム・取得株式数 ほか(7項目)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元(売り手) | 古川志久麿氏(どうぶつのもり代表取締役・全株式保有) |
| 取得対象 | 株式会社どうぶつのもり(守谷フォレスト動物病院・茨城県守谷市) |
| スキーム | 全株式取得による子会社化 |
| 取得株式数 | 10株(議決権所有割合100%) |
| 取得価額 | 相手方の要望により非開示(アドバイザリー費用等11,100千円) |
| 契約締結日 | 2026年9月15日(予定) |
| 株式譲渡実行日 | 2026年9月30日(予定) |
取得価額は相手方の要望により非開示ですが、犬猫生活は社内でDCF法等による株式価値評価と法務・財務に関する調査を実施したうえで金額を決定したとしており、直前事業年度末の純資産額の15%を下回る水準としています。
背景
どうぶつのもりの現経営者は、経営と臨床を分離し診療に専念できる体制を構築することを目的として事業承継を希望しており、犬猫生活はバックオフィス機能の提供を通じて経営基盤を強化する自社の方針と合致するとして本件の取得を決定しました。本件の意義として首都圏近郊での事業拠点の確保と動物病院運営ノウハウの蓄積を挙げており、自社商品の紹介を通じた「犬猫生活ブランド」の認知拡大にもつながるとしています。譲渡後も古川氏は引き続き院長として勤務するほか、従業員も継続雇用する予定です。
犬猫生活は本件を、自社が2026年6月15日に公表した成長戦略・中期経営計画に基づく取り組みに位置づけています。同計画は動物病院M&Aの推進を成長戦略の柱の一つに掲げ「地方優良病院のM&Aを積極推進」し「日本一の規模となる動物病院グループを目指す」としています。中長期目標には「都市拠点×地方M&Aの両輪で全国50病院以上の体制を構築」を置いています。同日公表の2027年4月期第1四半期決算説明資料でも、全国50病院体制の構築に向けた進捗として「新たに1社との契約締結を予定(9月)」と本件を挙げています。
犬猫生活が動物病院を取得するのは2025年5月に事業譲受した島根県の「益田ペットクリニック」に続き2拠点目です。益田は事業譲受であったのに対し本件は株式取得による初めての子会社化にあたり、動物病院事業はペットフードのD2C事業に次ぐ「第2のコア事業」と位置づけられています。
今後の予定
契約締結は2026年9月15日、株式譲渡の実行は同年9月30日の予定です。本株式取得が2027年4月期の業績に与える影響は精査中で、判明次第開示するとしています。犬猫生活は2027年4月期第2四半期から連結決算の開示を予定しています。
解説
本件は獣医師1名・診察室2室、年間売上高87百万円規模の動物病院が全株式を譲渡した事例です。現経営者は経営から退くのではなく、経営と臨床を分離し診療に専念する体制を選びました。今回の犬猫生活でいう「全国50病院以上」といった、買い手が公表する中期経営計画の目標に自社の事業規模がどう重なるかを知っておくと、仲介やFAから買い手候補の提案を受けた際に相手の狙いを理解し交渉の材料にできます。譲渡に向けた準備の進め方は会社売却の進め方完全ガイドでも解説しています。
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※本記事は2026年9月14日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

