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かどや製油、インテグラルのTOBで上場廃止へ 1株2,514円

かどや製油、インテグラルのTOBで上場廃止へ 1株2,514円|M&A Times

かどや製油株式会社(証券コード2612、東証スタンダード市場)は2026年9月14日、PE投資会社インテグラルが設立した買収目的会社のITG-GホールディングスからTOB(株式公開買付け)を受けることを発表しました。買付価格は1株2,514円で、成立後は株式を非公開化する予定です。

発表の概要

かどや製油は「純正ごま油」を主力製品とし、ごま油のほかいりごま・ねりごま・ラー油などごま関連製品を手掛けるごま油専業メーカーです。国内ごま油市場で高いシェアを持ち、近年は米国でもアジア食品として販売網を広げています。筆頭株主は三菱商事株式会社(所有割合26.88%)、第2位株主は三井物産株式会社(同21.92%)で、第3位株主は創業家の小澤物産株式会社(同11.54%)です。

項目内容
対象会社かどや製油株式会社(証券コード2612、東証スタンダード市場)
公開買付者株式会社ITG-Gホールディングス(インテグラル株式会社の完全子会社)
スキーム公開買付け成立後にスクイーズアウト手続を実施し非公開化
買付価格普通株式1株につき2,514円
買付期間2026年9月15日〜10月30日(30営業日)
決済開始日2026年11月9日
買付予定数23,079,969株(下限13,847,100株・上限なし)
対象者の意見賛同のうえ株主への応募を推奨(公開買付契約締結済み)

背景

非公開化の狙いについて、短期的な業績プレッシャーや株式の流動性に起因する経営上の不確実性から解放された環境を整備することで、中長期的な企業価値向上に繋げるためと説明しています。具体的には、米国の非アジア系消費者層への浸透に向けたマーケティング投資や現地販売網の拡充、ごま加工技術を生かした新商品開発などを想定しているとのことです。

創業家株主である小澤物産・小澤商事・小澤一彦氏はいずれも本公開買付けに応募しません。このうち小澤物産は保有する3,189,558株のうち1,905,127株を、かどや製油が実施する自己株式取得(1株2,002円)に応じて売却する予定です。小澤商事と小澤一彦氏は株式を保有したまま非公開化後も株主として残ります。インテグラルは創業家株主との間で株主間契約を締結しており、創業家株主は非公開化後の会社の取締役候補者1名を指名できるとしています。

買い手のインテグラルについて、公式サイトで「経営陣との信頼関係を礎にし、長期的視野に立ってエクイティ投資を行う」ことを投資方針に掲げており、投資先の経営基盤強化を支援する仕組み「i-Engine」を運用しています。

2007年の創業以来、キュービーネットホールディングスやスカイマーク、旭化成メディカルなど計40件(2026年9月14日時点)の投資実績があり、本取引もこの方針に沿った経営支援の一環と位置づけられます。公開買付者のITG-Gホールディングスは本取引のために2026年7月に設立された未上場のSPCです。

筆頭株主の三菱商事と第2位株主の三井物産は、公開買付けに応募せず自己株式取得に応じる方向で公開買付期間中に協議する予定とのことです。開示によれば、両社との合意が成立した場合は合意した株主の保有株数に応じて買付予定数の下限を引き下げたうえで買付価格を引き上げる想定で、三菱商事のみ合意した場合は2,644円、三井物産のみの場合は2,620円、両社との合意が成立した場合は2,760円への変更を想定しているとのことです。ただし2026年9月15日時点でこれらの合意は成立しておらず、あくまで協議予定の想定条件となっています。

今後の予定

公開買付期間は2026年9月15日から10月30日まで(30営業日)で、決済は11月9日に開始されます。成立後は株式併合などの手続きでスクイーズアウトを実施し、公開買付者と創業家株主のみを株主とする体制に移行したうえで、上場廃止基準に従い東京証券取引所スタンダード市場での上場を廃止する予定です。三菱商事・三井物産との自己株式取得に関する合意が期間中に成立した場合は、買付条件の変更に関する訂正届出書が提出されます。

解説

本件は創業家株主が公開買付けに応募せず自己株式取得に切り替え、非公開化後も取締役候補者の指名権を保持する設計になっている点が特徴です。特別委員会による交渉の結果、買付価格は公表前営業日終値比5.45%、過去6カ月間の終値平均比46.76%のプレミアムを付けた2,514円で合意しています。

売却後も一定の関与を残したいオーナー株主にとって、株式の一部を残す設計や取締役指名権の確保が交渉材料になり得ることを示す事例といえます。会社売却の進め方を検討する際は、こうした交渉の型を知っておくことが判断材料の一つになります。

※本記事は2026年9月15日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典

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