M&Aの「リアル」を伝える経済メディア

読了目安 約3分

,

大崎電気、マレーシア製造子会社をスイスCicorに譲渡 約10.9億円

大崎電気、マレーシア製造子会社をスイスCicorに譲渡 約10.9億円|M&A Times

スマートメーターなど計測制御機器を手がける大崎電気工業(東証プライム、6644)は2026年7月28日、マレーシアの製造子会社EDMI Electronics Sdn Bhd(EESB社)の全株式を、スイス上場のEMS企業Cicor Technologies Ltd.傘下のCicor Asia Pte. Ltd.へ譲渡すると発表しました。譲渡価額は約10億8,500万円で、実行日は2026年10月30日を予定しています。

発表の概要

大崎電気工業は同日の取締役会で本件を決議し、7月29日付で株式譲渡契約を締結する予定です。連結子会社EDMI Limited(シンガポール)が保有するEESB社(マレーシア・ジョホール州、2010年設立、スマートメーターの製造・修理)の全株式88,630,164株を、Cicor社の子会社Cicor Asia Pte. Ltd.(シンガポール)に7百万米ドル(想定レート1米ドル=155円で約10億8,500万円)で譲渡し、実行日は10月30日の予定です。あわせてEDMI社とCicor社はメーターの製造委託契約を締結し、「設備保有型」から「アセットライト型」の生産モデルへ転換します。

背景

EDMI社は、スマートメーターおよびグリッドソリューションの設計・開発を中核とする事業を展開しています。サプライチェーンの環境変化を踏まえ、製造機能は高い専門性を持つEMSパートナーに委ね、自社は開発領域へ経営資源を集中する方針です。設計・開発や知的財産、品質基準、顧客対応の中核機能は引き続きEDMI社が保持します。

Cicor Technologiesは、スイス証券取引所に上場する電子機器受託製造(EMS)企業で、EDMI社の英国向け製品をモロッコで生産するなど協業実績があります。大崎電気工業は資本効率化を通じたROE向上を課題に位置付けており、本株式譲渡もその一環です。損益改善額は付帯契約交渉中のため非開示で、EESB社の2025年12月期は売上高744百万円で、営業損益は18百万円の赤字でした。

今後の予定

契約締結日は2026年7月29日、譲渡実行日は同年10月30日(いずれも予定)です。2027年3月期の連結業績予想への影響は精査中で、第1四半期決算公表時点では修正はないとしています。

解説

本件は、製造を外部のEMSパートナーへ委ね自社は開発領域に集中するカーブアウトとアセットライト化の実例です。得意領域を見極めて磨き上げ、それ以外を外部に委ねる発想は、中小製造業が事業を整理・売却する際にも参考になります。自社の強みを棚卸しし売却に向けた準備・磨き上げを進めることが、譲渡後の企業価値向上にもつながると考えられます。

※本記事は2026年7月28日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典

次に読む