株式会社プロジェクトホールディングス(東京都港区・証券コード9246・東証グロース)は2026年9月28日、テクノプロ・ホールディングス株式会社の完全子会社TX1株式会社による公開買付け(TOB)に賛同し応募を推奨すると発表しました。買付価格は普通株式1株につき2,200円で、成立後は上場廃止となる見込みです。
発表の概要
プロジェクトホールディングスは2016年1月設立で、2021年9月に東証マザーズ(現グロース市場)へ上場、連結子会社3社とともにDX/AIコンサルティングを中心に事業を展開しています。公開買付者のTX1は本TOBのために2026年9月3日に設立された会社です。
案件の条件一覧を見る対象会社・公開買付者・スキーム・買付価格 ほか(8項目)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象会社 | 株式会社プロジェクトホールディングス(証券コード9246、東証グロース市場) |
| 公開買付者 | TX1株式会社(テクノプロ・ホールディングス株式会社の完全子会社) |
| スキーム | 公開買付け(TOB)による完全子会社化。応募されなかった株式は、成立後の公開買付者の議決権が90%以上なら株式等売渡請求、90%未満なら株式併合によりスクイーズアウトで取得予定 |
| 買付価格 | 普通株式1株につき2,200円、新株予約権1個につき1円 |
| 買付期間 | 2026年9月29日〜2026年11月11日(30営業日) |
| 買付予定数の下限・上限 | 下限3,554,400株(所有割合62.43%)、上限なし |
| 応募合意株主 | SBIホールディングス(28.65%)、土井悠之介代表取締役CEO(15.51%)、DY投資事業有限責任組合1号(15.10%)、合計59.27% |
| 対象会社の意見 | 賛同の上、応募を推奨(新株予約権者は応募するか否かを各自の判断に委ねる) |
買付価格2,200円は公表日の前営業日である2026年9月25日の終値1,110円に対して98.20%、直近6か月間の終値単純平均1,049円に対して109.72%のプレミアムです。テクノプロ・ホールディングスの当初提案は2,050円でしたが、対象会社と特別委員会の要請を受けて9月7日に2,150円、9月15日に2,200円へ引き上げられました。9月17日の再度の要請に対しテクノプロ・ホールディングスは9月24日、2,200円が提示可能な最大限度の価格であると回答しています。
応募合意株主の土井氏は所有する883,000株のうち530,000株を株式会社みずほ銀行に担保として提供しており、9月29日中に担保権を解除した上で応募する予定です。土井氏は本取引後も継続して代表取締役として経営にあたる予定ですが、対象会社の経営陣が公開買付者に出資する予定はなく、本取引はMBOには該当しないと対象会社は説明しています。
また筆頭株主のSBIホールディングスは所有する全株式を応募するため、TOBが成立すれば決済開始日をもって対象会社との資本関係が解消され、対象会社・土井氏・SBIホールディングスの2023年11月15日付資本業務提携契約書は終了します(同契約の締結当時、対象会社は株式会社プロジェクトカンパニーの商号で、2024年1月に現商号へ変更しました)。
資本提携の解消後も取引関係は継続する見込みで、対象会社・公開買付者・SBIホールディングスの3者は2026年9月28日付で、対象会社の連結子会社である同名の株式会社プロジェクトカンパニー(デジタルトランスフォーメーション事業を担う事業会社)とSBIホールディングスの業務提携の内容および既存の事業上の取引関係の継続を定めた契約を締結しました。
背景
買い手のテクノプロ・ホールディングスは今回の経緯について、金融機関の紹介により2026年6月18日にプロジェクトホールディングスと秘密保持契約を締結し、同日に土井氏と面談を実施したと説明しています。
テクノプログループは技術者派遣と請負で大手製造メーカーや情報通信関連企業など3,000社以上の顧客基盤を持つ一方、DX構想・業務要件定義・AI実装化の課題を案件化する提案営業力の不足と上流対応力の強化を経営課題としていましたが、プロジェクトホールディングスグループがSIer営業支援で培った提案営業力は顧客との信頼を広げ様々な顧客課題に対応する上で大きく寄与し、またBPR・業務要件定義やPMOの能力はDXプロジェクトを上流から一気通貫で手掛ける上で補完性が高いとしています。
また対象会社のプロジェクトホールディングス側が得るものとして同社は、テクノプログループの顧客基盤と経営資源を使えば自社の経営課題である営業基盤・人材基盤・AIケイパビリティを短期間で強化できると見込んでいます。非公開化により上場維持に要する固定的なコストと人的リソースを一定程度削減・最適化し、AIプロダクト開発・人材採用・新規事業への成長投資に振り向けられる点も理由に挙げました。
なおプロジェクトホールディングスと独立社外取締役3名の特別委員会は、第三者算定機関トラスティーズ・アドバイザリーの株式価値算定書を踏まえ、今回の2,200円という価格は株主に合理的なプレミアムを付した売却機会を提供する水準だと判断しています。
今後の予定
買付期間は2026年9月29日から11月11日までで、決済の開始日は11月18日を予定しています。TOBで全株式を取得できなかった場合、公開買付者はスクイーズアウトを実施する予定で、その方法は成立後の議決権が総株主の議決権の90%以上なら株式等売渡請求、90%未満なら株式併合となります。
株式併合となる場合、公開買付者は対象会社に臨時株主総会の開催を要請する予定で、開催日は2027年1月中旬を見込んでいます。公開買付者は原則として対象会社の現行の経営体制と従業員の雇用・処遇を維持することを基本方針としています。
解説
創業者でCEOの土井氏は所有する883,000株の全てを応募する契約を公開買付者と結び、その契約には代表取締役としての残留(任期満了前に辞任しない・再任を拒まない)と退任後2年間の競業避止が盛り込まれています。
売り手にとっては価格と並んで、譲渡後に自分が経営にどう関わり何を禁じられるかが交渉時の論点になります。中小企業の株式譲渡契約でも、引継ぎ期間を定めるロックアップや競業避止の条項は同じように設けられる場合があります。
条項の中身と期間の目安はロックアップ・キーマン条項とはと競業避止義務とはをご覧ください。売却後の経営者の選択肢は会社売却後の経営者はどうなる?も合わせてご参考ください。
※本記事は2026年9月29日時点の開示情報に基づいています。最新の状況はプロジェクトホールディングスの適時開示およびテクノプロ・ホールディングスの公表資料をご確認ください。
出典
- 株式会社プロジェクトホールディングス・TX1株式会社「TX1株式会社による株式会社プロジェクトホールディングス(証券コード:9246)の株券等に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」(2026年9月28日)
- 株式会社プロジェクトホールディングス「TX1株式会社による当社株券等に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(2026年9月28日)
- テクノプロ・ホールディングス株式会社「株式会社プロジェクトホールディングスの株券等に対する公開買付けの実施について」(2026年9月28日)
- テクノプロ・ホールディングス株式会社(証券コード6028)「テクノプロ・グループ 非公開化に向けた方針について」(2025年8月6日。同社は2026年3月1日に現テクノプロ・ホールディングス株式会社へ吸収合併され消滅)

