レカム株式会社(東証スタンダード3323)は2026年8月17日の取締役会で、秋田県湯沢市の株式会社とみやの全株式を取得し完全子会社化することを決議しました。同日付で株式譲渡契約及び株式交換契約を締結しています。
発表の概要
とみやは寛政9年(1797年)の創業から約229年の歴史を持つ秋田県の老舗企業です。湯沢本社のほか秋田営業所・大仙営業所・小売店舗を構え、文具や事務用品、オフィス家具、OA機器などを官公庁や法人、個人向けに販売しています。2026年5月期の売上高は約19.79億円、当期純利益は約1,385万円、純資産は約6.69億円でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元(売り手) | 富谷栄助氏(とみや代表取締役。株式譲渡の実行時までに他の株主保有分を同氏に集約し100%とする予定) |
| 取得対象 | 株式会社とみや(秋田県湯沢市、文具・事務用品・OA機器販売) |
| 事業内容 | 文具・事務用機器・紙製品、教材・理化学機器、計量器・測量機器、オフィス家具・OA機器等の販売 |
| スキーム | 株式譲渡で議決権の過半数を取得し連結子会社化した後、簡易株式交換で残る株式を取得し完全子会社化する二段階方式 |
| 株式交換比率 | レカム1:とみや0.001139 |
| 交付株式数 | 865,000株(レカムの自己株式を充当、新株発行なし) |
| 取得価額 | 秘密保持契約により非開示(第三者算定機関ユニヴィスコンサルティングの算定結果等を参考に決定) |
| 契約締結日 | 2026年8月17日 |
| 株式譲渡実行日(連結子会社化) | 2026年9月4日(予定) |
| 株式交換効力発生日(完全子会社化) | 2026年9月7日(予定) |
背景
レカムは国内外でITソリューションやカーボンニュートラルの推進、BPOを中心とした法人向けトータルソリューション事業を展開する会社です。とみやが持つ地域の顧客基盤や販売網とレカムのITソリューション商材、ダイレクトマーケティングのノウハウを組み合わせ、クロスセルや提案力向上を図る狙いです。
レカムグループは2026年1月に岩手県盛岡市の有限会社カワハラ事務機を子会社化しており、今回のとみや子会社化は東北地方における事業基盤拡充の第二弾にあたります。2026年5月に公表した決算説明資料では、カワハラ事務機の子会社化を「東北地方の顧客基盤に当社グループシナジーを展開」する事例として紹介し、販売網の拡大を国内ソリューション事業の重点施策に位置づけています。
また取得対価の一部をレカム株式とすることで、富谷栄助氏は本件後もレカムグループの株主としてとみや及びレカムグループの発展に関与を続ける枠組みです。
今後の予定
とみやは2026年9月3日に臨時株主総会を開き、株式交換契約の承認を諮ります。株式譲渡は2026年9月4日に実行し、レカムはとみやの議決権の過半数を取得し連結子会社とする計画です。続く株式交換は2026年9月7日に効力を発生させ、会社法第796条第2項に基づく簡易株式交換によりレカム側は株主総会の承認を経ずに完全子会社化します。レカムは今期の連結損益への影響については限定的となる見込みとのことです。
解説
今回のとみやの事例の特徴は、取得対価の一部を買い手株式で受け取ることで、譲渡後もオーナーが統合後の会社に株主として関わり続ける設計にある点です。会社の売却を検討する経営者にとって、現金一括の譲渡だけでなく買い手の成長に対価の一部を委ねる選択肢を知る一例です。地方の老舗企業でも株式譲渡と株式交換を組み合わせた第三者への承継が実現できることを示す事例でもあります。検討を始める段階から会社売却の進め方を押さえ、選択肢を整理しておくことが実務上重要です。
次に読む
※本記事は2026年8月18日時点の開示情報に基づいています。株式譲渡・株式交換の実行日は予定であり、最新の状況はレカムの適時開示をご確認ください。

