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SBI HD、BASEへTOB開始 1株340円・上限20%

SBIHD、BASEへTOB開始 1株340円・上限20%|M&A Times

SBIホールディングスの子会社SBINM合同会社は2026年8月28日、BASE株式会社(東証グロース)へのTOB開始を発表しました。買付価格は1株340円で、買付予定数の上限は23,792,300株(開示の定める所有割合で20.00%)です。

発表の概要

BASEはネットショップ作成サービス「BASE」や決済サービス「PAY.JP」、資金調達サービス「YELL BANK」などを運営する東証グロース上場企業です。SBIホールディングス(以下SBIHD)は証券・銀行・保険を中心に子会社740社・持分法適用会社78社(2026年3月31日時点)を擁する金融グループの持株会社で、両社は2026年8月28日付で資本業務提携契約を締結しました。同日SBIHD傘下のSBINM合同会社がBASE株式への公開買付けの開始を発表しています。

項目内容
対象会社BASE株式会社(東証グロース、証券コード4477)
公開買付者SBINM合同会社(SBIHDの完全子会社SBIER株式会社が持分の全てを所有)
スキーム公開買付け(TOB)。同日付でSBIHDとBASEの資本業務提携契約を締結
買付価格普通株式1株につき340円
買付期間2026年8月31日〜2026年9月30日(20営業日)。期間延長を請求する意見表明報告書が提出された場合は2026年10月15日まで(30営業日)
買付予定数の上限23,792,300株(所有割合20.00%)。下限は設定せず、上限を超えた応募はあん分比例方式
対象者の意見本公開買付けに賛同するとともに、応募するか否かは株主の判断に委ねる(応募中立)

背景

BASE側の開示によると、同社は2025年9月から12月にかけて更なる成長に向けて集客・マーケティングや決済・金融などの分野で複数の事業会社との業務提携の可能性を検討していましたが、2025年12月中旬にSBIHDを「最も有力な戦略的パートナー候補」と判断したとのことです。

一方のSBIHD側によると、BASEのEC・決済機能とID基盤はグループが推進する「ネオメディア生態系」においてコンテンツ・IPの収益化を支えるコマース基盤として活用できる可能性があり、金融と非金融の融合などの戦略と高い補完性を持つと判断したとのことです。

買い手の経営戦略を補足すると、SBIHDは2026年に入りGENDAとの資本業務提携(7月29日)、フジ・メディア・ホールディングスとの戦略的資本業務提携協議開始(6月26日)、電通との業務提携(6月1日)など、非金融の上場事業会社との資本提携を重ねてきました(SBIホールディングス「2027年3月期第1四半期決算説明会資料」より)。上場を維持したまま部分出資で協業に踏み込んだ本件も、これらの手法と同じ形です。

価格交渉の経緯をみると、SBIHDは2026年8月12日に1株320円を提示した後、応募を見込める株式数が持分法適用に必要な水準に満たないというBASE側の認識に基づく引き上げ要請を受けて、8月21日に330円、8月27日に340円へと2度価格を引き上げています。BASEは株主の取得簿価の推計を踏まえ、340円であれば持分法適用に必要な株式数を上回る応募が見込めるとして同日付で応諾しています。

今後の予定

買付期間は2026年8月31日から9月30日までの20営業日です。対象者から期間延長を請求する意見表明報告書が提出された場合、買付期間は30営業日となり2026年10月15日まで延びます。決済の開始日は2026年10月7日(期間延長時は10月22日)の予定です。

解説

本件では買付価格が1株320円から330円、340円へと2度引き上げられました。BASE側は株主の取得簿価の推計を根拠に交渉しており、提示額をそのまま受け入れたのではないことが読み取れます。SBIHD側も所有割合20.00%を上限とする部分買付けにとどめ、東証グロースの上場維持基準である流通株式比率25%を安定的に確保できる設計としました。

全株取得ではなく持分法適用関連会社という関係を選び、BASEの上場と経営の独立性を保つ枠組みを採った点も本件の特徴です。また買い手が全株取得以外の形で事業に関与しようとする本件のような事例があることは企業経営者にとっても学びとなるでしょう。本件は買い手と売り手間の株価交渉から売却スキームまで様々な思惑のもと交渉があったことがうかがえます。このような交渉に備えて、会社を売却する場合の進め方や必要な準備を会社売却の進め方完全ガイドからぜひご覧ください。

※本記事は2026年8月29日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

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出典