和食レストラン「和食さと」などを展開するSRSホールディングス(東証プライム、8163)は2026年8月7日、回転寿司「スシロー」を運営するFOOD & LIFE COMPANIES(東証プライム、3563)の連結子会社である株式会社京樽の全株式を取得すると発表しました。同日付で株式譲渡契約を締結し、株式譲渡の実行は2026年9月1日を予定しています。
発表の概要
京樽は東京都中央区日本橋に本社を置くフードサービス企業です。2018年9月27日設立で代表取締役社長は武川貴訓氏です。テイクアウト寿司「京樽」と回転寿司「回転寿司みさき」(旧・海鮮三崎港)「すしみさき」(旧・すし三崎丸)を首都圏中心に展開しています。2025年9月期の連結売上収益は235億3,200万円、営業利益は6,000万円で黒字化した一方、資本合計は▲30億400万円の債務超過となっています(IFRS基準)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元(売り手) | 株式会社FOOD & LIFE COMPANIES |
| 取得対象 | 株式会社京樽の普通株式202株(発行済株式の100%) |
| 事業内容 | フードサービス業(テイクアウト寿司「京樽」、回転寿司「回転寿司みさき」「すしみさき」の運営) |
| スキーム | 株式譲渡 |
| 取得価額 | 株式37億4,500万円+アドバイザリー費用等(概算)4,500万円=合計(概算)37億9,000万円 |
| 契約締結日 | 2026年8月7日 |
| 株式譲渡実行日 | 2026年9月1日(予定) |
背景
売り手のFOOD & LIFE COMPANIESは2021年4月1日付で吉野家ホールディングスから京樽の全株式を取得しました。以後スシロー事業で培ったノウハウを生かし、商品開発力の強化や店舗リニューアル、生産性の向上など京樽ブランドの総合的な立て直し(リブランディング)に取り組んできました。今回の譲渡背景として、テイクアウト寿司市場の事業環境の変化を踏まえ「持続的な成長及び企業価値のさらなる向上」には成長を推進できるパートナーへの譲渡が最適だと判断したと説明しています。あわせて国内外のスシロー事業へ経営資源を集中することがグループ全体の中長期的な企業価値向上に資すると判断したことも譲渡理由に挙げています。
本株式譲渡に先立ち京樽はFOOD & LIFE COMPANIESを引受先とする第三者割当増資を実施し、新株1株を発行して64億8,000万円を調達、払込期日は2026年8月18日予定です。この増資は京樽の債務超過の解消とFOOD & LIFE COMPANIESからの借入金返済に充当するとしています。
買い手のSRSホールディングスは2025年5月9日公表の中期経営計画「SRS VISION 2030」で重点戦略の一つに「グルメ寿司チェーン圧倒的No.1の実現」を掲げ、2030年3月期に連結売上高1,150億円・経常利益60億円・店舗数1,100超(新規M&A含まず)を目指す計画です。前中計期間も鶏笑・うまい鮨勘・牛ノ福などのM&Aで店舗数を伸ばした実績があります。京樽が展開する「回転寿司みさき」「京樽」がSRSグループの傘下に加わることで、既存ブランド「にぎり長次郎」「うまい鮨勘」との商品開発や共同購買などのシナジーに加え、課題だった首都圏の店舗網拡充が見込めるとしています。
今後の予定
京樽の第三者割当増資の払込は2026年8月18日、株式譲渡の実行は2026年9月1日を予定しています。SRSホールディングスは本件が2027年3月期の連結業績に与える影響を精査中で、修正が生じた場合は速やかに開示する方針です。FOOD & LIFE COMPANIESは京樽が連結子会社(特定子会社)から除外される予定とし、2026年9月期の連結業績への影響は軽微と見込んでいます。SRSホールディングスは首都圏を中心とする京樽店舗での株主優待券の利用可能化に向けた準備も進める考えです。
解説
本件は債務超過に陥った子会社を親会社が第三者へ株式譲渡で切り離すカーブアウトの一例です。譲渡に先立ち第三者割当増資で財務基盤を整えた上で譲渡する手法は、赤字や債務超過を抱える会社を売却する実務の工夫として参考になります。企業の経営者にとっても、自社や事業の一部を成長を託せる相手へ譲渡する選択肢は事業承継やM&Aの出口戦略の一つです。売却を検討する際は財務内容の整理や譲渡先の見極め方について、早めに専門家へ相談することが有効です。会社売却の進め方はこちらの記事で解説しています。
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※本記事は2026年8月7日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

