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サイバーステップHD、3rd買収白紙の経緯を開示 12.5億円全額返還

サイバーステップHD、3rd買収白紙の経緯を開示 12.5億円全額返還|M&A Times

サイバーステップホールディングス(3810・東証スタンダード)は8月12日、コンタクトセンター事業を営む株式会社3rdの株式取得に係る株式譲渡契約を合意解約した経緯の詳細を開示しました。譲渡代金12.5億円は全額返還済みで、事業計画とのマイナス乖離に加えAIコールセンター関連サービスの急速な普及により従来型コールセンター事業の事業モデルの再構築が必要になったことを理由に挙げています。

発表の概要

サイバーステップHDは2026年7月14日、3rdの株式譲渡契約を合意解約したことを公表していました(既報「サイバーステップHD、3rd買収を合意解約 12.5億円返還」)。今回の開示は合意解約に至った経緯を時系列で示すもので、クロージング後に締結した2件の覚書が当時適時開示されていなかった点にも言及しています。

項目内容
対象会社株式会社3rd(コンタクトセンター〈テレマーケティング〉事業等)
買い手サイバーステップホールディングス株式会社(3810・東証スタンダード)
当初の取得価額1,250百万円(12.5億円)
取得実行日2026年1月14日
合意解約日2026年7月14日
代金返還・株式返還の完了日2026年7月27日
再取得の予定現時点でなし

合意解約に至った経緯

経緯は、契約締結後に判明した業績乖離への対応から、AI普及による事業モデルの見直し、清算完了までの以下の流れとなります。両覚書が当時未開示だった点については、外部専門家から適時開示すべきだったと指摘されており、同社も同意しています。

  • 2025年10月3日:財務デューデリジェンスを経て基本合意書を締結
  • 2025年10月20日:株式譲渡契約を締結
  • 契約後:月次業績が事業計画からマイナス乖離、監査法人が譲渡価額の妥当性を指摘
  • 2025年12月10日・2026年1月13日:譲渡価額の減額と保全に関する覚書を締結(当時は未開示)
  • 2026年1月14日:取得価額12.5億円で3rdを完全子会社化
  • 2026年2〜3月頃:独立の外部専門家の知見も活用し事業計画を再検証、売上計画・人材と人件費・コスト構造の3観点で保守的な見直しの余地ありと判断
  • AI技術及びAIコールセンター関連サービスの急速な普及で、従来型コールセンター事業は「事業モデルそのものの再構築及び再検討が必要」と判断
  • 2026年7月14日:減額交渉より合意解約による全額返還が適切と判断し、取締役会承認を経て合意解約(既報)
  • 2026年7月27日:売主から12.5億円全額の返還を受け、3rd株式全部を返還し清算完了
  • 2026年7月31日:本決算で計上した貸倒引当金を訂正

未開示だった2件の覚書について、再発防止として次のガバナンス改善策を公表しています。①既に開示済みの契約に関する変更契約・覚書等を締結する際は事前に弁護士へ開示要否を確認する、②IR・法務・経営企画・財務経理の複数部門で確認する、③判断が明確でない場合は外部専門家に事前相談する、の3点です。

解説

本件は、買収実行後に業績が計画を下回った場合の対応を示す事例です。一般に、契約締結後の業績のマイナス乖離は、価格調整や解約に関する条項の発動につながりやすいです。売り手にとっては事業計画の実現可能性が価格交渉や契約条件に直結するため、売却準備の段階から計画の根拠を整理しておくことが重要です。契約後の覚書等による変更は表明保証や適時開示の要否にも関わるため、専門家の早期関与も欠かせません。

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※本記事は2026年8月12日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典