建設コンサルタント事業を全国展開するE・Jホールディングス株式会社(岡山市、東証プライム上場)は8月19日、持分法適用関連会社である株式会社演算工房(京都市)の保有株式全部を大手総合建設会社の鹿島建設株式会社へ譲渡することを決議したと発表しました。譲渡価額は27億08百万円です。
発表の概要
演算工房は2001年1月設立、京都市上京区に本社を置く企業です。国内外の山岳トンネル・シールドトンネル工事向けに、計測・施工管理システムの開発から現場実装、運用管理、メンテナンスまでを一貫して手掛け、山岳トンネル計測・管理システムでは国内で高いシェアを持ちます。2025年6月期の売上高は34億92百万円、経常利益4億26百万円でした。E・J HDが保有していた同社株式は、今回株式譲渡により全部が鹿島建設へ移転されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元 | E・Jホールディングス株式会社 |
| 取得側 | 鹿島建設株式会社 |
| 対象会社 | 株式会社演算工房(京都市上京区) |
| 事業内容 | 山岳トンネル・シールドトンネル工事向け計測・施工管理システムの開発・現場実装・運用保守、技術の商品化・外販 |
| 譲渡株式数・比率 | 538,000株(議決権所有割合35.61%、持株比率33.63%)※E・J HD保有の全株式 |
| 譲渡価額 | 27億08百万円 |
| 契約締結日 | 2026年8月19日 |
| 実行日 | 2026年8月末(予定) |
背景
E・J HDグループは前身の株式会社エイトコンサルタント時代から、演算工房と長年にわたり友好的な協力関係を築いてきました。演算工房を通じて鹿島建設より、同社の自動化施工技術と演算工房のシステム開発力・現場技術力を融合しサービス化・商品化を加速させる目的で演算工房を子会社としたい旨の提案を受け、E・J HDはこれに賛同する形で保有株式全部の譲渡を決定しました。
鹿島建設は2024年5月公表の中期経営計画にて建設現場への自動化・ロボット化・スマート生産技術の実装を掲げ、自動化施工技術「A4CSEL」の拡充を明示しています。投資計画には自動化ロックボルト施工「A4CSEL for Tunnel」も盛り込まれ、M&Aにも充てる戦略的投資枠800億円を計画に掲げており、本件はこの方針に整合する取り組みと位置づけられます。
今後の予定
株式譲渡の実行日は2026年8月末を予定しています。実行後、演算工房はE・J HDの持分法適用関連会社から除外されます。本件が2027年5月期の通期業績に与える影響について、E・J HDは現在精査中とし、公表すべき事項が生じた場合は速やかに開示するとしています。
解説
技術力を持つ中小企業にとって、大手事業会社の傘下に入ることが「次のステージ」への足がかりになる例といえます。演算工房のケースでは、長年の協力関係にあったE・J HDグループが窓口となり鹿島建設との接点が生まれた点が特徴的です。日頃の取引先や協力企業との関係が将来の売却先候補につながる例は一般にもみられます。自社の技術やノウハウが大手企業のどの事業戦略を補完し得るかを普段から整理しておくことが、会社売却の進め方を検討する際の備えになります。
次に読む
※本記事は2026年8月19日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

