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ラックスシェアがシードにTOB、795円で非公開化・上場廃止へ

ラックスシェアがシードにTOB、795円で非公開化・上場廃止へ|M&A Times

株式会社シード(証券コード7743、東証スタンダード)は2026年8月26日、ラックスシェア・プレシジョン・ケイマン・リミテッドによる公開買付け(TOB)に賛同し、株主に応募を推奨する意見表明を決議しました。公開買付者は同日、買付価格1株795円でTOBを開始すると発表しています。

発表の概要

シードは東証スタンダード市場に上場する国内コンタクトレンズメーカーです。公開買付者のラックスシェア・プレシジョン・ケイマン・リミテッドは、中国の深セン・香港両証券取引所に上場する立訊精密工業股份有限公司(Luxshare Precision Industry)傘下で、本TOBのため2025年9月3日に設立されたケイマン法人です。同社は2026年8月26日、シード株式へのTOB開始を発表し、シード取締役会は同日、賛同のうえ株主に応募を推奨する意見表明を決議しました。

項目内容
対象会社株式会社シード(証券コード7743、東証スタンダード)
公開買付者ラックスシェア・プレシジョン・ケイマン・リミテッド(Luxshare Precision傘下)
スキームTOBによる非公開化。成立後、株主を公開買付者と筆頭株主・新井隆二氏の2者とし、議決権所有比率を新井氏51.00%・公開買付者49.00%とする
買付価格普通株式1株につき795円(公表前営業日の終値538円に対し47.77%のプレミアム)
買付期間2026年8月27日〜2026年10月13日(30営業日)
買付予定数の下限5,408,800株(買付け後の株券等所有割合17.89%)、上限なし
対象会社の意見賛同し、応募を推奨

背景

Luxshareが本取引を提案した経緯について、開示は次のように説明しています。Luxshareとシードは提携について意見交換を重ね、2025年8月18日にLuxshareがシードへ非公開化を含む意向表明書を提出しました。新井氏は1985年3月にシード社長に就任して以来約15年間取締役を務め、退任後は経営に直接関与していないものの、就任から今日まで約41年間にわたり大株主としてシードを支えてきた人物です。Luxshareと新井氏は、非公開化後の議決権を新井氏51%・Luxshareグループ49%とし、新井氏が株主として残ることで日本ブランドの維持と経営の安定を両立させる方針で合意したとのことです。

本取引にはシードの台湾子会社の扱いについても論点となっていました。Luxshareが本取引を通じて台湾子会社株式を取得するには台湾の外資規制に基づく承認が必要ですが、取得は事実上困難または長期化する見込み出会ったため、シードは台湾子会社の全株式を、新井氏が議決権の過半数を持つラ・ホールディングスへ8月26日付で譲渡、あわせて完全子会社オキュデバイセズの株式85.10%も同日付で同社へ譲渡しています。

また買付価格の交渉経緯について、当初は680円の提案でしたが、シードが社外取締役らで構成する特別委員会を設置し、独立した第三者算定機関兼ファイナンシャル・アドバイザーのPwCアドバイザリーの助言も踏まえ複数回にわたり価格の見直しを求めたことで最終的にLuxshareが2026年8月20日に795円を提案し、シードは同25日にこれを受諾しています。

今後の予定

本公開買付けの期間は2026年8月27日から10月13日までで、決済開始日は同年10月20日を予定しています。公開買付者は買付予定数の上限を設定しておらず、応募株式数が下限(5,408,800株)を上回れば応募株式の全部を買い付けます。

TOBで全株式を取得できなかった場合、公開買付者は決済完了後速やかに株式併合(実質的なスクイーズアウト)の手続を進め、2026年11月頃を目途に臨時株主総会の開催をシードに要請する予定です。株式併合が実施されればシード株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い上場廃止となります。

解説

本件は筆頭株主である個人が議決権の51%を残しつつ株式を非公開化する取引です。一部残留の意義について今回の開示では、新井氏が株主の立場から会社を支え続けることで「日本ブランドの維持と経営の安定」を両立させ企業価値の向上に寄与するためと説明しています。経営者が株式の一部を残す設計は、譲渡後も経営の継続性やブランド維持への関与を保つ手段になり得ることを示す例です。

価格面では特別委員会が独立した算定機関の助言を得て複数回の見直しを求めた結果、買付価格は当初提案の680円から795円へ約17%引き上げられました。売り手側が自社の価値を算定で裏付けて粘り強く交渉することが条件に直結する実例です。交渉の土台づくりは会社売却の準備で解説しています。

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※本記事は2026年8月26日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典