M&Aの「リアル」を伝える経済メディア

読了目安 約4分

,

メディカルネット、沖縄の板倉歯科器材店を孫会社化 創業51年

メディカルネット、沖縄の板倉歯科器材店を孫会社化 創業51年|M&A Times

メディカルネット(東証スタンダード コード3645・歯科医療分野でメディア運営と医療機関経営支援を手がける)の完全子会社である株式会社オカムラ(東京都福生市・歯科ディーラー)は、2026年9月28日の取締役会にて有限会社板倉歯科器材店(沖縄県那覇市)の発行済株式の全株式600株を取得することを決議しました。板倉歯科器材店はオカムラの完全子会社、メディカルネットの完全孫会社となります。株式の譲渡元は個人株主の板倉潤氏と板倉繁紀氏で、契約締結と株式譲渡の実行は2026年10月16日の予定です。

発表の概要

板倉歯科器材店は沖縄県那覇市前島に本社を置く有限会社で、1975年6月の設立から51年にわたり、沖縄県の歯科医院に歯科医療用品と歯科用機器材を販売してきました。代表取締役は発行済株式の78.3%を持つ板倉潤氏です。

項目内容
譲渡元(売り手)板倉潤氏(持株比率78.3%)・板倉繁紀氏(同21.7%)
取得者(買い手)株式会社オカムラ(メディカルネットの完全子会社・東京都福生市・歯科ディーラー)
取得対象有限会社板倉歯科器材店の発行済株式の全株式600株
事業内容歯科医療用品・歯科用機器材の卸売業
対象会社の業績(2026年3月期)売上高269百万円・営業利益3百万円・経常利益4百万円・当期純利益4百万円/純資産38百万円・総資産98百万円
スキーム株式取得によるオカムラの完全子会社化(メディカルネットの完全孫会社化)
取得価額非公表(株主が個人であり株式譲渡契約書における守秘義務をふまえ非公表。「適切なデューデリジェンスを実施の上、公正な方法で算出した金額にて取得」とし、メディカルネットの直前連結会計年度末の連結純資産の15%未満に該当)
契約締結日2026年10月16日(予定)
株式譲渡実行日2026年10月16日(予定)

背景

メディカルネットは株式の取得の理由を次のように挙げています。1点目は板倉歯科器材店がグループに加わることで仕入条件が向上し、新たな仕入先との取引が始まることで商品力が強化され、材料等の売上増につながること、もう1点はコンサルティング型の営業で新規開業案件や事業承継案件の獲得増を見込める点です。

あわせて宮崎・鹿児島に拠点を置くメディカルネットの連結子会社(孫会社)有限会社吉見歯科器械店と連携し、南九州での事業拡大を図るとしています。買い手のオカムラは1989年4月設立の歯科ディーラーで、2018年にメディカルネットグループに加わりました。

買い手の親会社であるメディカルネットの戦略から見ると、本件は歯科商社事業の拡大に当たります。メディカルネットは2025年8月28日公表の中期経営計画で「中長期的に売上規模100億円の歯科商社となることを目指しております」とし、当期に当たる2027年5月期の歯科商社事業に「M&Aで規模増及び機能増」を掲げています。

今後の予定

契約締結及び株式譲渡の実行はいずれも2026年10月16日の予定です。メディカルネットは本株式取得によるグループの当期(2027年5月期)連結業績への影響は軽微だとしています。同社の当期連結業績予想(2026年7月15日公表分)は連結売上高7,000百万円です。

解説

取得価額は非公表ですが、メディカルネットは「適切なデューデリジェンスを実施の上、公正な方法で算出した金額にて取得しております」と説明しています。売上高269百万円・営業利益3百万円の会社の全株式600株が、個人株主2名から上場グループの子会社へ渡る予定です。

買い手が挙げた狙いは、沖縄の歯科医院との取引基盤を足場にした案件獲得と南九州への拡大です。利益が数百万円規模でも、その地域で長く続けてきた取引先との関係は、そこに自前の拠点を持たない買い手の評価対象になり得ます。

利益の規模や所在地を理由に売却を諦める前に、自社の取引先基盤が買い手のどの狙いに合うのかをまず専門家に相談してみるのも一手です。M&A Timesの無料相談では状況に応じて仲介会社や専門家をご紹介しています。

※本記事は2026年9月29日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の公表資料をご確認ください。

出典

次に読む