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アジアクエスト、生保ITのテトラ社を完全子会社化へ 9.2億円

アジアクエスト、生保ITのテトラ社を完全子会社化へ 9.2億円|M&A Times

アジアクエスト(企業のAX/DXを支援する東証グロース上場のIT企業、証券コード4261)は2026年10月1日、生命保険会社向けのITコンサルティングを手がけるテトラ・コミュニケーションズ(以下テトラ社)の全株式1,000株を取得し完全子会社化すると発表しました。株式譲渡は2026年11月2日に実行する予定です。

発表の概要

テトラ社は2008年11月設立で従業員87名(2026年8月1日現在)。株主は東証プライム上場のマネジメントソリューションズ(MSOL、80%)と代表取締役の末廣祐介氏(20%)で、アジアクエストは両者から全株式を取得します。

案件の条件一覧を見る譲渡元(売り手)・取得対象・事業内容・スキーム ほか(8項目)
項目内容
譲渡元(売り手)マネジメントソリューションズ(800株・80%)、末廣祐介氏(200株・20%)
取得対象株式会社テトラ・コミュニケーションズ(東京都千代田区、代表取締役 末廣祐介氏)
事業内容生命保険会社に特化した業務・システムコンサルティング及びシステムの開発・構築・運用・保守、PC、サーバー、ネットワーク、セキュリティの設計・導入・キッティング・保守・サポート
スキーム株式譲渡(取得株式1,000株、異動後の議決権所有割合100%)
取得価額テトラ社の普通株式9億2,000万円、アドバイザリー費用等(概算)1,100万円、合計(概算)9億3,100万円。第三者算定機関による株式価値の算定結果を勘案して決定
MSOLの譲渡価額800株で7億3,600万円(末廣氏の保有分の価額は開示されていません)
契約締結日2026年10月1日
株式譲渡実行日2026年11月2日(予定)
テトラ社の決算期売上高営業利益当期純利益純資産
2023年8月期7億8,396万5,000円6,863万2,000円4,825万3,000円2億1,979万2,000円
2024年8月期7億5,371万3,000円6,591万9,000円5,144万7,000円2億7,124万円
2024年12月期(決算期変更による4か月)2億9,025万3,000円2,330万4,000円1,944万1,000円2億9,068万1,000円
2025年12月期11億656万9,000円8,242万5,000円6,450万9,000円3億5,519万1,000円

背景

テトラ社を取得する狙いとしてアジアクエストは、自社グループの既存顧客が少なかった生命保険業界へ本格的に参入できる点を挙げています。テトラ社の専門性と顧客基盤に自社のAI・クラウド技術を組み合わせて生命保険領域でのDXソリューション提供やクロスセルを見込むと説明しています。

アジアクエストは2026年8月14日の決算説明資料で「今後も事業シナジー創出の見込めるアライアンスの拡大やM&A等を積極的に検討」する方針を示しています。

一方、売り手のMSOL(マネジメントコンサルティング会社、証券コード7033)は、自社グループ間ではテトラ社について当初想定していたシナジー効果は限定的だと評価し、テトラ社の成長にはより高い事業親和性を有する企業グループのもとで事業展開を図ることが望ましいと判断したと説明しています。MSOLは子会社の売却により経営資源を成長分野へ集中するとのことです。

今後の予定

MSOLは本件に伴いテトラ社が連結子会社から除外される予定としています。業績への影響は両社とも現在精査中です。売却の手続きは会社売却の進め方で解説しています。

解説

取得価額9億2,000万円は第三者算定機関の算定結果を勘案したもので、2025年12月期の純資産3億5,519万1,000円の約2.6倍、当期純利益6,450万9,000円の約14.3倍にあたります。

中小企業庁の成約データ(2022〜2024年度・譲渡側報告)では、情報通信業のPER中央値は14.3倍で、本件の約14.3倍はこの中央値と同水準です。一方、純資産3億円超〜5億円の規模帯のPBR中央値は1.3倍(四分位範囲0.9〜2.0倍)で、本件の約2.6倍は上位25%に入ります。

利益倍率は平均的でも純資産倍率が高いのは、テトラ社の純資産に対する利益率が高い(2025年12月期で約18%)ためで、従業員87名で割った1人あたり約1,058万円とあわせ、生保特化の人材と顧客基盤が参入の足がかりとして評価された形だと考えられます。倍率の読み方は業種別の実測倍率と純資産規模別のPBR・PERにて解説しています。

取引先が一つの業界に偏っていることを理由に売却を諦める前に、自社の業界知識と顧客基盤を評価しうる買い手がいるかをまず専門家に相談してみるのも一手です。M&A Timesの無料相談では状況に応じて仲介会社や専門家をご紹介しています。

※本記事は2026年10月1日時点の開示情報に基づいています。最新の状況はアジアクエストおよびマネジメントソリューションズの適時開示をご確認ください。

出典

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