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ファーマフーズ、マリン・プロフーズを50.3億円で完全子会社化へ

ファーマフーズ、マリン・プロフーズを50.3億円で完全子会社化へ|M&A Times

ファーマフーズ(東証プライム2929、京都市、機能性食品素材や医薬品の研究開発・販売を手がける企業)は2026年10月6日、水産加工品などを病院・介護施設向けに販売するマリン・プロフーズの全株式を取得し子会社化すると発表しました。取得価額は50億3,000万円です。

発表の概要

マリン・プロフーズ(東京都千代田区、資本金1億円)は水産加工品・大豆加工品・農産加工品を病院・介護施設・学校給食事業者向けに企画・販売するBtoBのメディカルフーズ事業会社です。紀文グループやキッコーマングループを経て独立し、今期は売上100億円を目標に掲げています。

項目内容
譲渡元(売り手)投資事業組合「DPIP企業支援1号」(業務執行組合員:大和PIパートナーズ株式会社。マリン・プロフーズ株式の100%を保有)
取得対象株式会社マリン・プロフーズ(発行済株式124,600株の全部、議決権所有割合100%)
設立2021年11月11日
事業内容農畜水産物、大豆加工品の企画開発・販売
当事者間の関係ファーマフーズとの資本・人的・取引関係はいずれも該当なし
スキーム株式譲渡(完全子会社化)
取得価額50億3,000万円(普通株式124,600株)
取締役会決議日・契約締結日2026年10月6日
株式譲渡実行日2026年10月30日(予定)
マリン・プロフーズの業績(2026年3月期)売上高94億7,500万円、営業利益5億4,200万円、当期純利益2億6,800万円、純資産18億2,200万円、総資産50億4,600万円

背景

完全子会社化の理由についてファーマフーズは、マリン・プロフーズが販売する水産加工製品はメディカルフードとして優れた特長をもち、自社の機能性素材をマリン・プロフーズの製品群に応用することで健康価値を更に高めたメディカルフードを創出できるとしています。

これにより病院・介護施設向けのBtoB市場での展開強化に加え、大型スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の一般家庭向けBtoC市場の開拓も期待されるとしています。ファーマフーズは新たな事業領域と販路の拡大により中長期的な企業価値向上につながると判断したとのことです。

一方、売り手の投資事業組合「DPIP企業支援1号」は大和PIパートナーズ株式会社が業務執行組合員を務める、主に国内中堅・中小企業のバイアウト投資を目的として組成されたプライベート・エクイティファンドです。

同ファンドは2022年1月31日にキッコーマンからマリン・プロフーズの全株式を取得していました。マリン・プロフーズはキッコーマンソイフーズの食材事業を新設分割して設立された会社で、大和PIパートナーズは取得後に管理体制の構築・強化、顧客基盤の拡充、ITシステムの導入、販売戦略の見直し等を支援したとしており、買い手が評価した資産と重なっている領域です。

つまり本件は大手グループから切り出した事業をファンドが約4年9か月保有し、事業会社へ売却するバイアウト投資の典型的なイグジット(投資回収)にあたります。保有期間中にマリン・プロフーズの営業利益は2024年3月期の2億4,700万円から2026年3月期の5億4,200万円へ増加しています。

またファーマフーズは中期経営計画「新価値創造1Kプロジェクト」でM&Aを重要な成長戦略に位置付けているとし、また2025年9月の資料「中期経営計画2026の進捗」の中で成長投資のうちM&Aに「ライフサイエンス領域拡大、販売網の拡充」を目的に100億円を計画していました。

今後の予定

株式譲渡実行日は2026年10月30日の予定で、独占禁止法に基づく届出への公正取引委員会の審査で実行を妨げる要因がないことが前提です。連結業績への影響についてファーマフーズは精査中とし、公表すべき事項が生じれば速やかに開示するとしています。

解説

取得価額50億3,000万円はマリン・プロフーズの2026年3月期の純資産18億2,200万円の約2.8倍、当期純利益2億6,800万円の約18.8倍で、この倍率は業種の相場より高い水準です。中小企業庁の成約データ(2022〜2024年度・譲渡側報告)では卸売業・小売業のPER(株式譲渡価額÷純利益)は中央値12.0倍、上位4分の1の境目が21.0倍で、本件はその間の上位側に入ります。

純資産5億円超の規模帯でみたPBR(株式譲渡価額÷純資産)は中央値1.3倍、上位4分の1の境目でも1.9倍なので、本件の約2.8倍はこちらも超えています。また時価純資産に営業利益の3〜5年分を足す年買法で機械的に計算すると約34億4,800万〜45億3,200万円にとどまり、今回の取得価額はこちらの上限も上回っています。この差が病院・介護施設向けの販路や品質保証体制に対して買い手が上乗せした評価にあたると解釈できます。

ファーマフーズは取得理由の中で、マリン・プロフーズが長年の業歴により顧客から培った「信頼度・商品企画力・品質保証力」に触れ、その製品群に自社の機能性素材を応用するとしています。病院・介護施設のような特定の顧客層との取引基盤や品質保証の体制は、規模を問わず自社の素材や技術を載せる販路を求める買い手の評価対象になり得ることがわかります。

取引先が特定の業界に限られることを理由に売却を諦める前に、その販路がどんな買い手に評価され得るかをまず専門家に相談してみるのも一手です。M&A Timesの無料相談では状況に応じて仲介会社や専門家をご紹介しています。

※本記事は2026年10月6日時点の開示情報に基づいています。最新の状況はファーマフーズの適時開示をご確認ください。

出典

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