AI活用の運用基盤「ABEJA Platform」を手がける株式会社ABEJA(東証グロース、証券コード5574)は2026年7月15日、AIガバナンスプラットフォーム「MODEL SAFE」を開発する株式会社MONO BRAIN(東京都渋谷区)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表しました。
発表の概要
ABEJAは株式取得によりMONO BRAINを完全子会社化した後、ABEJAを存続会社、MONO BRAINを消滅会社とする吸収合併を実施する予定です。株式取得の実行日と合併の効力発生日はいずれも2026年9月1日を予定しており、会社法第796条第2項に基づく簡易吸収合併としてABEJAの株主総会決議を経ずに実施されます。
MONO BRAINは2023年3月に設立され、代表取締役CEOは加藤真規氏です。AIの安全性・信頼性を管理する「AIガバナンス」領域を主事業とし、プラットフォーム「MODEL SAFE」の開発・提供とAI共創開発事業を手がけてきました。2026年1月期の業績は売上高1,428万9千円、当期純損失308万9千円でした。なお取得価額は非公表で、日本経済新聞の報道によると数億円規模とみられます。
背景
ABEJAは2012年9月設立、東京都港区に本社を置き、AIの企画・開発から運用までを支援する「ABEJA Platform」を核としたAI活用の運用基盤を企業向けに提供しています。2023年6月に東証グロース市場へ上場しました。
今回の統合について両社は、MONO BRAINが持つAIガバナンス領域の知見・プロダクト・人材と、ABEJAのAI技術・顧客基盤を組み合わせることで、生成AIの活用支援とAIリスクマネジメント体制の強化につながるとしています。
今後の予定
株式取得の実行と吸収合併の効力発生は、いずれも2026年9月1日の予定です。簡易吸収合併のためABEJAの株主総会の承認は不要ですが、日程や条件に変更があった場合は両社から続報が出る可能性があります。
解説
MONO BRAINは2026年1月期の売上高が1,428万9千円、当期純損失308万9千円という小規模なスタートアップでした。それでも成長市場であるAIガバナンス領域の専門性と人材が評価され、上場企業による完全子会社化という受け皿を得た形です。一般に、赤字や小規模な売上高であっても、特定領域の技術・ノウハウ・人材に独自性があれば買い手が現れることがあります。
また、完全子会社化からの吸収合併という流れは、買収後にグループ内の法人格や機能を整理する統合スキームの典型例といえます。自社の売却や譲渡を検討する経営者にとって、こうした案件はスモールM&Aが上場企業の受け皿につながる一例として参考になるでしょう。
※本記事は2026年7月20日時点の公表情報に基づいています。最新の状況は両社の適時開示・IR情報をご確認ください。
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