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大盛工業、港シビルを2,000万円で譲渡 2021年取得の子会社

大盛工業、港シビルを2,000万円で譲渡 2021年取得の子会社|M&A Times

建設会社の大盛工業(東証スタンダード、証券コード1844)は2026年7月21日、連結子会社である港シビル株式会社の全株式400株をサン・シールド株式会社に譲渡することを取締役会で決議したと発表しました。

発表の概要

大盛工業は上水道・下水道工事を主力とする建設会社です。今回譲渡する港シビルは東京都港区に所在し、港湾・河川土木工事業を営む会社で、2005年5月2日設立、資本金2,000万円、代表取締役は織田隆氏が務めています。大盛工業は港シビルの株式400株(議決権所有割合100%)全てを保有していましたが、これを全て譲渡し、譲渡後の持株比率は0%となります。

譲渡価額は2,000万円です。譲渡先のサン・シールド株式会社は愛知県安城市に本社を置き、シールド・セミシールド工事の施工や土木・建築工事を手がける会社で、1987年3月9日設立、資本金5,000万円、純資産1,442,756千円です。大株主はウィズワイホールディングス株式会社(持株比率56.40%)で、大盛工業との間に資本関係・人的関係・取引関係はなく、関連当事者にも該当しません。

背景

大盛工業は土木事業の拡大を目指し、主力の上・下水道工事とは異なる港湾・河川・堤防・橋梁工事を手がける港シビルを2021年6月30日に取得し、連結子会社としました。しかし同社が携わる土木分野では工事受注の競争が続き、受注が難しい状況が継続したこと、また受注した工事でも不採算案件が発生したことなどから、港シビルの業績は大盛工業の期待値を下回る状態が続いていたといいます。早急な業績回復も見込みづらいことから、大盛工業グループ全体の資源配分を再検討し、今回の株式譲渡を決議しました。

港シビルの連結業績は次のように推移していました。

決算期連結売上高連結営業利益(損失)
2023年5月期928,319千円67,837千円
2024年5月期736,400千円△34,883千円
2025年5月期740,354千円△11,978千円
大盛工業の適時開示(2026年7月21日付)に基づく。2025年5月期の連結純資産は35,814千円。

今後の予定

  • 株式譲渡契約締結日:2026年7月22日
  • 株式譲渡実行日:2026年7月31日(予定)

大盛工業は、自社の建設事業における工事受注は順調に推移しており、本株式譲渡による連結業績への影響は軽微と見込んでいるとしています。2026年5月15日に公表した2026年7月期の連結業績予想(連結売上高7,319百万円、連結営業利益731百万円)についても変更はないとしています。

解説

本件は、上場企業であっても、買収した子会社の業績が期待どおりに進まない場合には株式譲渡によって切り離す判断を取ることがある事例といえます。M&Aは買収して終わりではなく、買収後の事業運営(PMI)を含めて成果が問われる継続的なプロセスである点が改めて示された形です。

また、売り手側の視点で見れば、一度大手グループに入った会社が、業績状況などを理由に再び別の同業他社へ譲渡される「二次売却」も実務上は起こり得ます。譲渡先の選定や条件交渉の巧拙が、その後の会社の行方を左右する点は、規模の大小を問わず会社売却を検討する経営者にとって参考になる視点です。会社売却の進め方全般については会社売却の進め方ガイドもご参照ください。なお、本件における譲渡先選定の経緯や交渉過程は非公表であり、ここでの言及は一般的な実務傾向の説明にとどまります。

次に読む

※本記事は2026年7月21日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典:大盛工業「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」(2026年7月21日、日経会社情報DIGITAL 適時開示)