森トラストグループのオフィスビル保全管理会社、エムティジェネックス(証券コード9820、東証スタンダード)は2026年7月21日、電気・通信工事業を手がける株式会社ネクスト(東京都品川区)の全株式を取得し、連結子会社化すると発表しました。取得価額はアドバイザリー費用等を含め概算1,844百万円です。
発表の概要
エムティジェネックスは同日開催の取締役会で、ネクストの全株式880株(議決権880個、所有割合100.0%)の取得を決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。売り手はネクスト取締役会長で持株比率100%の上原岳氏(東京都新宿区)です。取得価額は普通株式分1,771百万円とアドバイザリー費用等(概算)73百万円を合わせ、合計1,844百万円(概算額)としています。価額は第三者によるデューデリジェンスを踏まえ、ネクストの業績や財政状態、事業計画等を勘案し協議のうえ決定されました。
ネクストは1994年設立、資本金50百万円で、東京・名古屋・仙台エリアを中心に弱電設備工事を手がけ、近年は強電設備工事にも領域を広げてきました。2025年10月期の業績は売上高1,607百万円、営業利益125百万円、当期純利益129百万円、純資産1,032百万円です。
背景
エムティジェネックスは保全管理業務を中核に、事業領域の拡大と新規顧客開拓を目的としたM&Aを成長戦略の柱の一つと位置づけており、今回の取得もその一環です。過去にも電気配線・情報通信工事のアイテック(現エムティアイテック)や、香川県の電気設備保守会社チヨダMEサービスを子会社化した実績があります。同社公式サイトによれば、チヨダMEサービスは2020年のグループ入り後、2025年3月期に過去最高益を達成するなどシナジーが順調に生まれているとしています。
今後の予定
株式譲渡の実行日は2026年7月31日(予定)です。会計処理上のみなし取得日は2026年9月30日とし、当中間連結会計期間からネクストの貸借対照表を、第3四半期連結会計期間から損益計算書をそれぞれ連結する予定としています。今期の連結業績への影響は現在精査中で、公表すべき事項が生じた場合は速やかに開示するとのことです。
解説
今回の売り手である上原氏は、ネクストの発行済株式の100%を保有するオーナー経営者でした。オーナーが保有する全株式を1社に譲渡し経営権を移す株式譲渡は、中小企業のM&Aで広く使われるスキームです。譲渡を決める理由は案件ごとに様々で、一般に事業承継や成長のための資本提携などが挙げられますが、本件における動機は非公表です。
譲渡額は本件のように第三者による企業価値評価を経て決まるのが一般的で、会社売却の相場は業績や資産の状況によって大きく変わります。自社の売却を検討する経営者にとっても、こうした評価プロセスの流れは参考になるでしょう。
次に読む
※本記事は2026年7月21日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

