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fonfun子会社、吸収分割でカスタマー派遣事業譲受 3.25億円

fonfun子会社、吸収分割でカスタマー派遣事業譲受 3.25億円|M&A Times

fonfun(2323・東証スタンダード)は2026年8月24日、連結子会社の株式会社YNPがインサイドグロース株式会社の運営するカスタマー派遣事業を吸収分割により譲り受けると発表しました。効力発生日は2026年10月1日の予定です。

発表の概要

fonfunはDXソリューション事業とクラウドソリューション事業を展開する東証スタンダード上場企業で、M&Aによる事業拡大を成長戦略の柱に掲げています。YNPはfonfunの完全子会社のSES企業で、女性比率90%以上を独自の強みとしています。分割会社となるインサイドグロース社(東京都千代田区・代表取締役 上川晋一郎氏)は人材派遣事業や人材紹介事業、SES事業などを手掛ける非上場企業で、今回はこのうちカスタマー派遣事業とこれに付帯する人材紹介事業を切り出してYNPに承継させます。

項目内容
譲渡元(分割会社)インサイドグロース株式会社
譲受側(承継会社)株式会社YNP(fonfunの連結子会社)
対象事業カスタマー派遣事業及びこれに付帯する人材紹介事業
スキーム吸収分割(分割会社側は会社法784条2項の簡易吸収分割に該当)
分割対価(譲受価格)金銭3億2,500万円(YNP株式の交付なし)
承継する資産・負債原則承継せず、退職給付債務相当額と人材紹介サービスに係る返金債務相当額のみ承継(金額は算定中)
対象事業の業績(2026年3月期)売上高10億1,500万円、EBITDA1億6,300万円(区分経理されていないため管理資料に基づく参考値・本社機能に係る間接費用は含まない)
承継する従業員数200名近く(YNP既存分と合わせ300名以上)
算定機関・算定方法下田公認会計士事務所(DCF法
取締役会決議日・契約締結日2026年8月24日
効力発生日(予定)2026年10月1日

本吸収分割は企業結合会計上の「取得」に該当する見込みで、fonfunの連結財務諸表上はのれんが3億2,500万円程度発生する見通しです。

背景

fonfunは吸収分割の目的として、対象事業が大手通信事業者などとの堅調な顧客基盤を持ち、継続的にキャッシュ・フローを創出している点を挙げています。承継後はYNPの既存従業員と合わせ300名以上の人材基盤となり、事業間で人材をローテーションさせることで稼働の最適化を図る考えです。

一方、分割対価の算定の前提とした事業計画では対象事業の平年度ベースの年間売上高を約7億5,200万円、年間営業利益を約4,700万円と見込んでいます。fonfunはこれを2026年3月期実績からの減少と説明し、理由として主要顧客向けの派遣人員が減少傾向にあることと、対象事業の損益に含まれていない本社機能の間接費用を承継後の独立運営を前提に織り込んだことを挙げています。第三者算定機関による事業価値の算定レンジは2億9,100万円〜3億5,800万円で、分割対価3億2,500万円はこの範囲内に収まっています。

fonfunは2026年5月25日公表の第二次中期経営計画「プロジェクトフェニックスII」にてDXソリューション領域におけるM&Aロールアップを成長戦略の柱に掲げており、2029年3月期に売上高100億円・EBITDA20億円・時価総額300億円の達成を目標としています。同計画はSaaSやSES企業の獲得を通じたストック・リカーリング型収益の積み上げを継続する方針を示しており、本吸収分割はその一環に位置づけられます。前中期経営計画期間中には累計1,500件の案件ソーシングから11件のM&Aを実行し、デューデリジェンスやPMIを型化してM&A人材を組織内で育成してきたとしています。

今後の予定

債権者保護手続きに係る官報公告は2026年8月31日を予定しており、異議申出の最終日は同年9月30日の予定です。分割会社であるインサイドグロース社は会社法784条2項に基づく簡易吸収分割にあたるため株主総会決議は不要となっています。

fonfunは対象事業の売上高が直前連結会計年度の連結売上高の10%を上回ることから、連結業績への影響が少なからず発生すると見込んでいます。なお2027年3月期の連結業績予想への影響額は現時点で確定しておらず、精査の結果修正が必要となった場合は速やかに開示するとのことです。

解説

本件は、複数事業を持つ企業が一部の事業だけを切り出して譲渡する吸収分割の活用例です。インサイドグロース社は資産・負債を原則として譲渡対象から外し、退職給付債務相当額など一部のみを承継させる形で事業を切り出しています。譲渡価格は第三者算定機関によるDCF法での算定とデューデリジェンスの結果を踏まえて決定されています。複数事業のうち一部だけを譲渡したい経営者にとっては、会社売却の進め方を検討するうえで参考になる事例といえます。

※本記事は2026年8月24日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典