M&Aの「リアル」を伝える経済メディア

読了目安 約5分

,

ヒット、SHIFT傘下のナディア・xbsを12.9億円で子会社化

ヒット、SHIFT傘下のナディア・xbsを12.9億円で子会社化|M&A Times

ヒット(378A・東証グロース、銀座)は2026年10月15日、SHIFT(3697・東証プライム)の孫会社であるナディアとxbsの全株式を取得し子会社化すると発表しました。株式の取得価額は2社合計で12億9,000万円(アドバイザリー費用等を含む概算総額は13億5,500万円)です。

発表の概要

ヒットは繁華街やロードサイドで大型デジタルサイネージなどの屋外広告媒体を開発・運営する広告会社で、2026年6月期の連結売上高は51億5,900万円です。

ナディア(2020年3月設立・従業員109名)とxbs(2010年3月設立・同3名)は2020年にSHIFTグループに参画し、現在はソフトウェアの品質保証・テストなどを手がけるSHIFTの100%子会社で中間持株会社のデケムが全株式を保有しています。デケムから見れば全株式の譲渡による会社売却です。

案件の条件一覧を見る譲渡元(売り手)・取得対象・事業内容・スキーム ほか(8項目)
項目内容
譲渡元(売り手)株式会社デケム(東京都渋谷区代々木三丁目22番7号、代表取締役 岩﨑佐知子、株式会社SHIFT100%子会社)
取得対象株式会社ナディア(東京都新宿区大京町22番地1、代表取締役 弓庭知)
株式会社xbs(同所在地、代表取締役 幸喜俊)
事業内容ナディア:企業ブランディングのコンサルティングを中心としたデジタルクリエイティブスタジオ
xbs:アプリケーション開発、UI/UXデザイン、Webサイト制作
スキーム株式譲渡による完全子会社化
取得価額対象会社の普通株式 12億9,000万円(内訳 ナディア11億7,500万円・xbs 1億1,500万円)
アドバイザリー費用等(概算額) 6,500万円
合計(概算額) 13億5,500万円
契約締結日2026年10月15日(取締役会決議日と同日)
株式取得実行日2026年10月30日(予定)
対象会社の業績ナディア:売上高11億932万5,000円・営業利益7,782万3,000円・当期純利益7,272万5,000円・純資産8億45万4,000円
xbs:売上高7,961万8,000円・営業利益1,860万5,000円・当期純利益1,351万8,000円・純資産9,613万1,000円
(2026年8月期・決算作業中のため社内管理資料に基づく参考情報)

背景

ヒットは開示にて、主力の屋外広告事業とシナジーが期待できる周辺サービス(クリエイティブ制作やクロスメディア展開等)の強化を目的としたM&Aを視野に入れていた中、当該領域に強みを持つ2社のグループ化を決定したとのことです。

ヒットは2026年6月期決算説明資料にて2029年6月期に売上高78億5,000万円をめざす中期経営目標を掲げ、2027年6月期は機動的なM&Aや資本・業務提携に取り組むと説明していました。

また同資料はクリエイティブ制作などの屋外広告周辺サービスの強化を経営戦略の中心に据えており、すでに提供しているクリエイティブやクロスメディア等の周辺事業を海外展開と並ぶ新たな成長の柱と位置づけています。

ヒットは補足資料で今回の株式取得の目的をクリエイティブ制作・クロスメディア展開の強化と説明しているため、本件は中経の方針に沿った施策といえます。

また、売り手側のSHIFTは開示で、AI活用の進展で顧客ニーズがUI/UX単体の支援から包括的なIT開発全体へ広がり、SHIFTグループ内でもUI/UX領域を含めて幅広く対応できる基盤の整備が進んでいると売却に至る業界・社内環境について説明しています。

そのうえでナディアとxbsの専門性をさらに発揮できるヒットのもとで事業を展開することが、両社の成長やSHIFTグループの事業ポートフォリオの最適化に資すると判断したとのことです。

今後の予定

株式取得実行日は2026年10月30日(予定)です。2社はヒットの100%子会社となり、SHIFTからの出向役員を除き取締役は原則として留任し、ヒットからも非常勤役員を派遣する予定です。xbsでは同日付で代表取締役が幸喜俊氏から甲斐健太郎氏に交代する予定です。

業績への影響についてヒットは判明時点で開示するとし、SHIFTは影響を軽微と見込んでいます。

解説

ナディアの譲渡価額11億7,500万円は2026年8月期の純資産8億45万4,000円の約1.5倍、当期純利益7,272万5,000円の約16倍です(社内管理資料に基づく参考値からの編集部試算)。

買い手は同業の制作会社ではなくクリエイティブ制作を周辺サービスとして強化したい屋外広告会社のヒットで、DCF法による算定を参考にした取得価額は「対象会社が有する将来収益力等を反映したもの」と説明しています。

同業に買い手が見当たらなくても、本件のように自社サービスの周辺を補いたい隣接業種の買い手がシナジーを期待し、評価することがあります。M&A Timesの無料相談では状況に応じて仲介会社や専門家をご紹介しています。

※本記事は2026年10月15日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典

次に読む