東証グロース市場の日本ホスピスホールディングス株式会社(代表取締役CEO 高橋正氏)は8月14日、連結子会社ファミリー・ホスピス株式会社が杉並区で運営する有料老人ホーム2施設の事業譲渡を決定しました。訪問看護事業は対象外で継続します。
発表の概要
譲渡対象は特定施設入居者生活介護の指定を受ける「ファミリー・ホスピス高井戸ハウス」(杉並区上高井戸・33室)と「ファミリー・ホスピス松庵ハウス」(杉並区松庵・30室)です。両施設の介護付有料老人ホーム事業と訪問介護事業を株式会社日本アメニティライフ協会へ譲渡し、訪問看護事業はファミリー・ホスピスが引き続き担います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元 | 日本ホスピスホールディングス株式会社(連結子会社ファミリー・ホスピス株式会社) |
| 譲受側 | 株式会社日本アメニティライフ協会 |
| 対象事業 | 「ファミリー・ホスピス高井戸ハウス」「ファミリー・ホスピス松庵ハウス」の介護付有料老人ホーム事業・訪問介護事業(訪問看護事業は対象外) |
| スキーム | 事業譲渡 |
| 契約締結日 | 2026年8月14日 |
| 事業譲渡日 | 2026年12月1日(予定) |
背景
譲渡の背景には2026年度診療報酬改定など医療・介護分野の制度改定があります。日本ホスピスHDは経営資源の集中とエリア戦略の見直しを進めており、地域密着の介護事業で実績を持つ日本アメニティライフ協会(横浜市青葉区・代表取締役 江頭瑞穗氏・1996年設立)に2施設の運営を譲渡し、自社は強みである訪問看護事業に特化する方針です。譲受側の日本アメニティライフ協会は神奈川・東京に約400の介護施設を展開する地域密着の介護事業者です。
日本ホスピスHDが8月6日に公表した決算説明資料では、診療報酬改定を踏まえた事業再構築と黒字化を掲げ、訪問看護の生産性改善や住宅家賃の適正化を課題としています。今回の譲渡はこの方針と方向性が一致します。
今後の予定
事業譲渡日は2026年12月1日を予定し、業績への影響は軽微な見込みです。同社は同日付で2026年12月期の業績予想と配当予想を取り下げており、理由は6月の診療報酬改定に伴う訪問看護の単価動向や住宅家賃見直しによる稼働率低下で通期業績を見通しにくいためとしています。
解説
株式譲渡と事業譲渡の違いは、譲渡する事業の範囲を契約で細かく設計できるかにあります。本件も施設運営と訪問介護事業は譲渡し訪問看護事業は自社に残す設計で、事業譲渡の柔軟性を示す一例です。診療報酬や介護報酬の改定は事業環境を左右しやすく、見直しを迫られた事業者が一部事業を譲渡する動きは介護・医療分野で珍しくありません。会社全体を譲渡する株式譲渡と異なり、事業譲渡は残す部分と譲る部分を切り分けられるため、中小企業のオーナー経営者にとっても選択肢の一つとなります。譲渡範囲や条件の設計には専門家への相談が欠かせません(会社売却の進め方完全ガイド)。
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※本記事は2026年8月14日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

