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カカクコム争奪TOB、ベイン・LINEヤフー陣営は静観

カカクコム争奪TOB、ベイン・LINEヤフー陣営は静観|M&A Times

カカクコム(証券コード2371)を巡るTOB争奪戦で新たな経過が判明しました。ベインキャピタルが組成しLINEヤフーが間接出資を予定するBCPE Blitz Cayman, L.P.は、先行するKamgras 1公開買付けの期間満了まで静観する方針を示しています。

発表の概要

カカクコムは「価格.com」「食べログ」を運営する東証プライム上場企業です。EQT系の買付主体Kamgras 1株式会社のTOBにカカクコム取締役会は賛同するものの、応募可否は株主判断に委ねる中立の立場です。投資ファンドのベインキャピタルが組成し国内IT大手LINEヤフーが間接出資を予定するBCPE Blitzが対抗しており、8月21日付で両社が経過を開示しました。

項目内容
対象会社株式会社カカクコム(証券コード2371、東証プライム、「価格.com」「食べログ」運営)
Kamgras 1公開買付けの主体・価格・期限EQT系の買付主体Kamgras 1株式会社/1株3,570円(2026年8月13日引き上げ)/買付期間末日2026年8月27日
対象会社の意見Kamgras 1公開買付けに賛同、応募の可否は株主判断に委ねる中立の立場
対抗提案の主体・価格ベインキャピタルが組成しLINEヤフーが間接出資を予定するBCPE Blitz Cayman, L.P./1株3,520円(KDDIと不応募契約締結時は3,640円)
対抗側の方針Kamgras 1公開買付けの期間満了まで静観

背景

BCPE Blitzは主要株主Oasis Managementと応募契約を結んでいました。Kamgras 1が8月13日に買付価格を3,570円へ引き上げたことを受けた価格変更期間(8月20日満了)中に価格変更を申し入れず、応募契約は同日の経過をもって終了しました。

Oasisは8月18日付プレスリリースで、Kamgras 1公開買付価格が3,640円を下回る限り応募しない意向を表明しました。BCPE Blitz側はこれを踏まえ自社提案への支持が続いていると理解し、TOB開始時に応募契約を改めて締結するべく交渉する方針です。

LINEヤフーは8月3日の四半期決算説明会で本件の戦略的意義を説明しています。食べログは飲食店の予約、価格.comは商品の購買、求人ボックスは求人への応募と、いずれも利用者の最終行動(コンバージョン)までサービス内で完結できる点を重要な資産としており、AI時代にはこのようなコンバージョンの完了時に対価を得る事業モデルが主流になるとの見方を示しました。

また買収資金は借入(デット)の活用を前提としており、TOB価格の引き上げ局面でも投資利回り(IRR)10%を最低基準とする財務規律を遵守すると説明しています。本買収におけるシナジーとしては食べログ×LINE公式アカウント領域の開拓を筆頭に、価格.comの商品データや口コミをAIエージェント「Agent i」へ活用する構想を挙げており、買収が実現しない場合は他パートナーの探索か自社展開に切り替える方針です。

今後の予定

Kamgras 1公開買付けの買付期間末日は8月27日です。カカクコム取締役会と特別委員会は両公開買付けが両立し得ないとし、企業価値向上につながる取引を慎重に検討するとしています。BCPE Blitzは自社TOB開始時にOasisとの応募契約を改めて締結する方針です。

解説

本件は対抗提案の浮上で条件が競り上がる例です。Kamgras 1の価格は当初3,000円でしたが3,570円へ引き上げられ、BCPE Blitzの提案も条件付きで最大3,640円に達しています。複数の買い手候補が現れることはこのように条件の改善につながりやすいというメリットがあります。本件は大株主の意向表明が交渉の決着を左右することがよくわかる事例でもあります。

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※本記事は2026年8月24日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典