リミックスポイント(証券コード3825、代表取締役社長CEO 高橋由彦氏)は2026年8月14日、電力小売事業を承継する子会社の株式51%を光通信グループのH-Powerホールディングスへ譲渡する基本合意と、光通信との蓄電池事業に関する業務提携・資本提携の基本合意を同時に発表しました。
発表の概要
リミックスポイントは2026年5月15日、電力小売事業を吸収分割で子会社「株式会社リミックスポイントエネルギー事業分割準備会社」(東京都港区、2026年4月20日設立、資本金10百万円)へ承継させる方針を公表済みです。今回はこの分割準備会社の株式51%を、光通信の子会社であるH-Powerホールディングス(東京都豊島区、代表取締役鮑俊氏)へ譲渡する基本合意書を締結しました。承継対象の電力小売事業は2026年3月期売上高21,092百万円、資産合計4,673百万円、負債合計2,388百万円、純資産2,285百万円の規模で、譲渡後はリミックスポイントが49%を保有する持分法適用関連会社になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元 | 株式会社リミックスポイント |
| 対象会社 | 株式会社リミックスポイントエネルギー事業分割準備会社(電力小売事業を吸収分割で承継予定) |
| 譲受先 | 株式会社H-Powerホールディングス(光通信の子会社) |
| スキーム | 吸収分割後の株式譲渡(基本合意書、法的拘束力なし) |
| 譲渡株式数・比率 | 51株(発行済株式の51%) |
| 譲渡価額 | 対象会社の純資産額にのれん相当額(85〜95億円を想定)を加算した金額の51%を基準に算定予定(具体額は今後決定) |
| 基本合意書締結日 | 2026年8月14日 |
| 株式譲渡契約締結(予定) | 2026年9月1日 |
| 譲渡実行(予定) | 2026年10月1日(吸収分割の効力発生が条件) |
同日にはこれとは別に、光通信との蓄電池事業に関する業務提携と資本提携の基本合意書も締結しました。業務提携では需要家向け蓄電池分野でリミックスポイントの設計・施工・EMS・SI・O&M機能と光通信の営業基盤や法人顧客ネットワークを組み合わせるほか、系統用蓄電池の案件開発・ファイナンス・O&M・市場運用・アグリゲーションでも共同保有を視野に協業を進めます。資本提携は光通信がリミックスポイント発行の新株予約権を取得する方法を軸に協議するとしており、具体的な内容は両社協議のうえ決定するとしています。
背景
リミックスポイントは電力小売事業を49%保有の持分法適用会社としつつ、経営資源を蓄電池事業をはじめとする成長領域へ重点配分する方針です。譲渡先グループの光通信は2026年5月13日公表の決算説明資料で、電気・ガス事業をグループ最大のストック収益源としています。2026年3月期はストック利益689億円(前期比12%増)、売上高3,195億円(同10%増)を計上し、低圧(個人向け)契約の獲得好調を成長ドライバーに2027年3月期も電力事業の大幅増益を見込むとしています。今回の51%取得はこの電力小売拡大の方針に沿う動きと位置づけられます。
今後の予定
株式譲渡契約はデューデリジェンスと両社協議を経て2026年9月1日を目処に締結する予定です。譲渡実行は分割準備会社への吸収分割の効力発生(2026年10月1日予定)が条件となります。リミックスポイントは2027年3月期の個別決算で関係会社株式売却益を特別利益として計上する見込みですが、譲渡価額が未確定のため金額は未定としています。また業務提携が2027年3月期の連結業績に与える影響は軽微と見込むとしています。
解説
本件は事業の一部だけを切り出して売却する際に使われる、会社分割と株式譲渡を組み合わせた2段階スキームの実例といえます。まず吸収分割で電力小売事業を別会社に切り出し、その株式の過半数を譲渡することで、蓄電池事業など残す事業と切り離して譲渡先を決められます。51%を譲渡し49%を残す設計は、経営の主導権は譲渡先に渡しつつ持分法適用会社として事業成長の一部を取り込める点が特徴で、企業が事業の一部門だけを譲渡する際にも応用できる考え方です。
今回の発表はあくまで基本合意の段階で、最終条件はデューデリジェンスと両社協議を経て株式譲渡契約で確定します。自社の一部事業の譲渡や会社分割を検討する経営者は、会社分割を活用した事業承継の仕組みを早い段階で把握しておくと交渉の見通しを立てやすくなります。
次に読む
※本記事は2026年8月14日時点の開示情報に基づいています。基本合意書は法的拘束力を有さず、最終条件は今後の協議で確定します。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

