PostPrime株式会社(東証グロース・198A、東京都港区虎ノ門、代表取締役社長 松島悟)は2026年7月27日、AppBank株式会社(東証グロース・6177、東京都新宿区、代表取締役社長 白石充三)が運営するオンライン動画サービスの一部を譲受ける事業譲渡契約を締結したと発表しました。譲受価額は450万円で、YouTube「マックスむらい」チャンネル及びニコニコ「マックスむらい部」の主要な出演者・制作者である村井智建氏がSNS「PostPrime」にクリエイターとして参画します。
発表の概要
両社は2026年7月27日の取締役会でそれぞれ事業譲渡契約の締結を決議しました。PostPrimeはSNS「PostPrime」を中核に金融・経済等の情報を発信・共有・学習できるプラットフォームを運営しており、AppBankはIP&コマース事業・メディア事業を展開しています。案件概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡対象 | AppBankが運営するオンライン動画サービスの一部(対象サービス) |
| 対象事業の業績(2025年12月期) | 売上高1,200万円・売上総利益300万円・営業利益300万円 |
| 承継資産・負債 | 簿価上の資産・負債の承継なし(販管費等に関する契約・債務は譲受対象外) |
| 譲受価額 | 450万円 |
| 決済方法 | 自己資金による現金決済予定 |
| 契約締結日 | 2026年7月27日 |
| 譲受実行日 | 2026年8月1日(予定) |
背景
AppBankは営業利益の黒字化を目標に、事業成長やAI事業等の新規事業開発、不採算事業からの撤退、販管費圧縮を進めてきました。2025年3月には創業者の村井智建氏が退職し、同4月に村井氏が代表を務めるマール株式会社へIP&コマース事業の一部(YURINAN事業)を事業譲渡しています。対象サービスはその後も村井氏にコンテンツ制作等の運営を委託する形で継続していましたが、運営が村井氏個人に依存する部分が大きく単独での利活用が見込めないことなどから、村井氏の協力のもとPostPrimeへの譲渡に至りました。
PostPrimeは2026年6月17日付で公表した「事業ポートフォリオの選択と集中に関するお知らせ」に基づき、経営資源をSNS「PostPrime」及びM&A仲介事業に集中する方針を進めています。今回の対象サービスの譲受けと村井氏のクリエイター参画は、この方針に沿った取り組みです。
今後の予定
譲受の実行日は2026年8月1日を予定しており、村井氏は参画後もYouTube・ニコニコの既存チャンネルにおける活動を継続する予定です。PostPrimeの会計処理は企業結合会計基準上の「取得」に該当する見込みで、のれん又は無形固定資産等の計上の有無・金額は未確定としています。2027年5月期の連結業績への影響は軽微と見込んでいます。一方AppBankは、対象事業の売上高1,200万円が2025年12月期売上高12億4,200万円の1.0%にあたるとした上で、2026年12月期に特別利益450万円を計上する見込みです。本譲渡は会社法第467条第1項第2号の「事業の重要な一部の譲渡」に該当せず、株主総会決議を要しない予定です。
解説
本件は資産・負債を一切承継しない小規模な事業譲渡の実例です。譲受価額450万円は対象事業の営業利益実績や将来収益性を踏まえ、両社の協議・交渉を経て決定されており、算定根拠の考え方が開示から読み取れます。株主総会決議の要否判断まで示されている点は、会社ごと譲渡する株式譲渡と事業の一部のみを譲渡する事業譲渡の違いを理解する助けになります。スモールM&Aを検討する中小企業経営者にとって、契約・債務を切り離した譲渡設計や価額算定の考え方は実務上参考になる事例です。
次に読む
※本記事は2026年7月27日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。
出典
- PostPrime株式会社「AppBank株式会社が運営するオンライン動画サービスの一部の譲受け及びマックスむらい氏のSNS「PostPrime」へのクリエイター参画に関するお知らせ」(2026年7月27日) https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20260727500062/
- AppBank株式会社「動画サービス事業譲渡契約締結及び特別利益計上のお知らせ」(2026年7月27日) https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20260727500128/

