中小企業庁は2026年3月27日、中小M&A支援に携わる人材向けの資格試験について、実施機関を選定する企画競争の募集を開始しました。中小M&A市場の拡大に伴い、支援の質を担保する仕組みづくりが進んでいます。
公募の概要
事業名は「令和7年度補正中小企業活性化・事業承継総合緊急支援事業(中小M&A資格試験実施事業)」で、公募期間は2026年3月27日から4月22日までとされました。中小M&A支援に必要な倫理観や知識等を証明するための資格として、試験を実施することが目的です。質の高い支援を実行できるM&A支援機関・専門人材を増やし、その存在を可視化できる仕組みを目指すとしています。
背景にある不適切支援の問題
公募ページでは、新規参入者が増える中で、不慣れな中小企業者に対して十分な説明がなされていない事案や、利益相反が生じた状態のまま取引が進む事案など、不適切な支援対応が見受けられたことが背景として挙げられています。また、経営者保証が解除されない等の不適切な買い手が排除されていない問題も、報道等でクローズアップされたとされています。こうした状況を受け、中小M&A市場の規律と信頼性の向上を図る観点から、資格試験の創設が検討されてきました。
制度設計の詳細は、2026年3月17日に開催された「第4回 中小M&A市場の改革に向けた検討会」の資料で示されています。2025年8月公表の「中小M&A市場改革プラン(中間とりまとめ)」でも資格試験の創設が柱の一つに位置づけられ、2026年度中の初回試験実施が想定されていると報じられています。ただし試験の実施時期や受験要件、既存の支援機関登録制度との関係など詳細は今後公表される見込みです。
売り手経営者への意味
一般に、資格制度が整備されると、仲介会社や担当者を選ぶ際の判断材料が一つ増えることが期待されます。現状では、事業承継・引継ぎ支援センターによる相談・マッチング支援に加え、民間のM&A支援機関の役割が拡大していますが、支援の質は担当者によって差があるとの指摘もあります。中小M&Aガイドラインなど既存の指針とあわせて、今後の制度の具体化を注視する必要があります。
※本記事は2026年7月13日時点の公表情報に基づいています。制度の詳細は中小企業庁の公表をご確認ください。

