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金沢ニューグランドホテル、大和が全株式譲渡へ 特別損失10億円

金沢ニューグランドホテル、大和が全株式譲渡へ 特別損失10億円|M&A Times

金沢の老舗百貨店・大和(8247・東証スタンダード)は2026年9月1日、完全子会社の金沢ニューグランドホテル(石川県金沢市)の発行済株式全部と大和が保有する貸付債権をグループ外の第三者へ譲渡する契約を締結したと発表しました。譲渡実行日は2026年10月1日を予定しています。

発表の概要

金沢ニューグランドホテルは1970年9月設立、石川県金沢市でホテル業を営む大和の完全子会社です。従業員は99人(うちパート32人)です。2026年2月期の業績は売上高1,236百万円・営業利益9百万円と本業は黒字を確保した一方で経常損益は28百万円の赤字となっており、固定資産の減損損失計上を受けて当期純損失1,634百万円を計上し、純資産は2,348百万円のマイナス(債務超過)となっています。

項目内容
譲渡元(売り手)株式会社大和(8247・東証スタンダード)
譲渡対象金沢ニューグランドホテルの発行済株式全部(1,600,000株)及び大和が同社に対して有する貸付債権
対象会社の事業内容ホテル業(石川県金沢市)
スキーム株式譲渡及び債権譲渡(現金対価)
譲渡先大和グループ外の第三者。開示では「ホテル運営に関する豊富な実績を有するグループの関係会社」とのみ記載(名称は譲渡先の同意を得たうえで譲渡日以後に開示予定)
譲渡価額非公表(デューデリジェンスの結果を踏まえて算定・現金対価)
契約締結日2026年9月1日
株式譲渡実行日2026年10月1日(予定)

背景

株式・債権譲渡を決めた理由について大和は、事業環境の変化の中でホテル運営専門事業者のもとで運営することが金沢ニューグランドホテルの成長と競争力強化につながると判断したためと説明しています。あわせて大和自身も事業ポートフォリオの見直しと経営資源の最適配分を進める観点から本譲渡を決定したとしています。なお大和は、中期経営計画の基本方針として百貨店事業を中核とした収益基盤の強化を掲げており、2026年度の連結目標は売上高160億円・営業利益2億5,000万円としています。

業績の背景を補足すると、金沢ニューグランドホテルの当期純損失と債務超過の拡大は2026年4月10日開示の固定資産減損損失1,967百万円の計上が主因です。同日には大和の個別決算でも関係会社事業損失引当金繰入額1,628百万円を計上しており、大和はコロナ禍や競合激化などによる業績低迷を減損の要因として挙げています。

今後の予定

本契約に基づき株式譲渡実行日は2026年10月1日を予定しています。譲渡先の名称は同意を得たうえで譲渡日以後に開示される予定です。またこの譲渡により大和は2027年2月期の連結決算で債権譲渡損等による特別損失を10億円程度計上する見込みで、金額は現時点で精査中のため2026年4月10日公表の通期業績予想には織り込まれていません。

解説

金沢ニューグランドホテルは純資産が2,348百万円のマイナスと債務超過の状態にありながらも、2026年2月期も営業利益9百万円と本業では2期連続の黒字を確保していました。大和は株式に加えて貸付債権もセットで譲渡するスキームを採用しており、金沢ニューグランドホテルは大和からの借入関係ごと、ホテル運営に豊富な実績を持つ譲渡先の傘下へ移ることになります。財務内容が厳しい子会社でも本業に事業価値があれば、株式と貸付債権を組み合わせた譲渡先探しが選択肢になり得る一例です。

大和は2026年4月の減損損失・引当金計上を経て今回の譲渡損計上に至っており、最終赤字と債務超過が続く子会社を手放す過程で親会社側の損失処理が段階的に進む流れも見て取れます。自社や子会社の借入・貸付を抱えた会社の売却を検討する経営者にとっては、財務状況の開示と整理を早めに進めておくことが譲渡先探しの土台になります。売却の段取り全体は会社売却の進め方完全ガイドをご覧ください。

※本記事は2026年9月1日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。

出典

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