東京商工リサーチが2026年7月21日に公表した調査によると、2026年上半期(1〜6月)の障害者福祉サービス事業の倒産は33件で、2012年以降の15年間で最多を更新しました。前年同期比では26.9%増となり、上半期としては3年連続で前年を上回っています。
発表の概要
負債10億円以上の大型倒産が前年同期には無かったのに対し、今回は4件発生し負債総額を押し上げました。資本金別では1千万円未満が27件で全体の81.8%を占め、形態別では破産が30件で90.9%に達しています。
| 項目 | 件数・金額 | 増減 |
|---|---|---|
| 倒産件数 | 33件 | 26.9%増 |
| 負債総額 | 284億4,200万円 | 1425.0%増(15.2倍) |
| 不正受給等を一因とする倒産 | 6件 | ― |
| 行政処分件数(2025年度) | 262件 | 129.8%増(2.2倍) |
背景
厚生労働省によると、障害者福祉サービスの事業所は2025年度で17万7,987事業所(前年度比3.4%増)と8年連続で増加し、利用者獲得の競争は厳しさを増す状況です。2024年の報酬改定による報酬額の減額に加え、人手不足や人件費・光熱費の高騰といった物価高が事業者の収益を圧迫していると東京商工リサーチは分析しています。
都道府県による運営指導の実施率は16.3%にとどまっており、厚労省は2026年6月8日、自治体間の指導格差を是正するため全国一律の厳格な処分基準を盛り込んだ「集団指導・運営指導マニュアル」を公表しました。
解説
今後は報酬改定に加え行政の監査が厳しさを増すとみられ、東京商工リサーチはガバナンス体制に不備のある事業者や資金力の乏しい零細・新興事業者を中心に淘汰が加速する可能性があると指摘しています。コスト負担が重くなる局面では、資金繰りが尽きる前に事業継続の道筋を検討することが欠かせません。倒産や自主廃業に至る前の選択肢として、M&Aによる事業譲渡や大手グループへの参画も有力な手段です。会社売却の進め方完全ガイドなども参考に、経営体力が残るうちの検討をおすすめします。
出典: 東京商工リサーチ「TSRデータインサイト」2026年上半期「障害者福祉サービス」倒産33件 15年間で最多 不正受給で指定取消による倒産も(2026年7月21日)

