一般社団法人M&A支援機関協会(代表理事・三宅卓)は2026年7月3日、自主規制ルール(コンプライアンス規程)を一部改訂したと公表しました。改訂は同年6月16日にすでに施行されており、宗教法人の法人格が本来と異なる目的に利用されることを防ぐ狙いです。
発表の概要
同協会は、2025年1月にM&A仲介協会から名称・体制を変更した業界団体で、金融機関を含む261社が加盟しています。改訂は、支援機関が不適切な取引に関与することを防ぎ、市場の健全性を確保する目的で行われました。主な内容は次の3点です。
- 宗教法人の法人格を本来の目的とは異なる用途で利用させることにつながる、脱法的な広告・営業・コンサルティング等を会員に禁止する。
- 宗教法人の支配権移転に関与する可能性がある場合の文化庁宗務課への事前相談、および脱税・マネーロンダリング等を目的とした不正な取引が明らかに疑われる場合の報告を求める。
- 協会による会員への報告徴求と、文化庁宗務課との情報共有に関する規程を新たに設ける。
背景
協会は、税制上の優遇措置がある宗教法人について、その特性を利用した脱税・マネーロンダリング等の不正な取引が行われないよう、支援機関にも慎重な対応が求められるとしています。仲介業界の自主規制は、中小M&Aガイドラインや中小M&A資格試験の創設など段階的に強化されてきました。
M&A業界への影響
事前相談が義務づけられたことで、宗教法人の支配権移転に関わる案件では、スキームの設計や取引完了までの期間に影響が生じる可能性があると考えられます。ただし、これは協会が示した枠組みからの解釈であり、個別案件への適用は今後の運用に委ねられます。
また、仲介業界の規律が強化され、悪質な事業者の排除に向かう流れは、会社を売却する側にとって取引環境の改善につながる動きといえます。仲介会社を選ぶ際には、協会への加盟有無や登録支援機関であるかどうかを確認することが、信頼できる会社選びの一つの目安になると考えられます。あわせて仲介会社の選び方やM&A詐欺の手口を把握しておくと安心です。
出典:一般社団法人M&A支援機関協会「【M&A支援機関協会】自主規制ルール(コンプライアンス規程)を一部改訂」(PR TIMES)

