福岡のシステムソリューション企業のシステムソフト(証券コード7527、東証スタンダード、代表取締役社長・飯田佳史氏)は2026年8月31日、会社更生手続き中のマツオインターナショナル(MIC)と松尾産業(MG)を対象に、ジェイモードエンタープライズと共同でスポンサー契約を締結したと発表しました。
発表の概要
MICは大阪市中央区に本社を置く婦人服・雑貨等の企画・小売・卸売会社で、1985年12月設立で、従業員は630名(2025年12月時点)です。もう一方のMGは大阪市西区でテキスタイルの企画・販売等を手がける会社で、両社とも代表取締役は松尾憲久氏です。
両社は2025年12月31日に大阪地方裁判所から更生手続開始決定を受けています。決算期変更に伴う変則決算となったMICの2025年12月期は売上高38億9,000万円・純資産26億6,100万円のマイナス(債務超過)で、その前の2025年8月期の売上高は124億5,000万円でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象会社 | マツオインターナショナル(MIC)、松尾産業(MG) |
| スポンサー | システムソフト、ジェイモードエンタープライズ |
| 手続 | 会社更生手続(2025年12月31日、大阪地方裁判所が開始決定) |
| スキーム | 更生計画の認可後、MICが発行済株式全部を取得・消却(100%減資)したうえで第三者割当増資を実施し、システムソフトが新株を引き受けて完全子会社化。MGも同様に減資後、MICが新株を引き受け、翌日MICを存続会社とする吸収合併でMGは消滅予定 |
| 取得株式数・取得価額 | MIC株式200株(議決権200個)・1,000万円(取得後の所有割合100.0%) |
| 契約締結日 | 2026年8月31日(同日の取締役会で決議) |
| 更生計画案提出期限 | 2026年8月31日 |
背景
MIC・MGの状況について、開示では2025年12月31日の更生手続開始決定と、その後の財政状態について説明しています。MICが完全子会社となった後は、更生計画に定められた弁済期限までに必要な弁済資金をシステムソフトがMICへ貸し付ける予定です。
支援するスポンサー2社の関係について、MIC・MGは2026年4月1日付でジェイモードエンタープライズとスポンサー支援の基本合意書を締結しており、システムソフトも同社及び関連会社とシステム開発で協業関係にあります。AIを活用した在庫管理システム等の改善に加え、システムソフトにとってもアパレル向けシステム構築への参画が有益となる点が今回のスポンサー契約の目的とのことです。
システムソフトの経営戦略として、同社は2025年9月期有価証券報告書で「戦略的なM&Aを最重要課題として推進」し、AIやDXなど成長分野でM&Aを機動的に実行する方針を掲げています。本件はAIを活用した業務改善を支援目的に挙げており、この方針の一環と言えるでしょう。
今後の予定
MIC・MGの更生計画案の提出期限は2026年8月31日です。更生計画の成立には裁判所の決議付議決定、関係人集会での可決、認可決定が必要で、認可後にMICの100%減資と第三者割当増資、MGの合併によるスキームが実行されます。今期の連結業績への影響は軽微としています。
解説
本件では、更生手続に入った従業員630名のアパレル企業MICが、長年在庫管理システムの提供を受けてきたジェイモードエンタープライズと、同社とシステム開発で協業関係にあるシステムソフトをスポンサーに迎えました。更生計画の認可後は既存株式が100%減資で無価値となり、システムソフトが払い込む1,000万円の増資と弁済資金の貸付けにて再建を進める計画です。
再建型の法的整理では既存株主が出資の価値を失う一方で、事業と雇用は新たなスポンサーのもとで引き継がれうることが本件から分かります(再建型手続の仕組みは民事再生の解説も参照)。しかしながら、窮境が深まる前の売却検討はより経営者の選べる道を広げることができます。具体的な選択肢は赤字会社の売却で解説していますのでぜひご覧ください。
※本記事は2026年8月31日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。
出典
- システムソフト「子会社の異動を伴う会社更生手続中の会社とのスポンサー契約締結に関するお知らせ」(2026年8月31日)
- システムソフト「システムソリューションによる経営支援(再生案件へのスポンサー表明)に関するお知らせ」(2026年7月30日)
- システムソフト 第44期有価証券報告書(2025年9月期・2025年12月19日提出)

