自動車部品・用品卸の東証プライム上場企業SPK株式会社(証券コード7466)は2026年8月27日の取締役会で福田部品株式会社(札幌市)の全株式取得を決議しました。既に5.00%を保有する同社株式を創業家から追加取得し完全子会社とします。
発表の概要
福田部品は1948年創業以来、札幌市で自動車部品・用品を販売してきました。2026年1月期の売上高は3,781百万円、営業利益は181百万円、経常利益は239百万円、純資産は3,763百万円で増収増益が続いています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡元(売り手) | 福田久美子氏、福田愼一氏(代表取締役会長) |
| 取得対象 | 福田部品株式会社(取得株式数22,800株、取得後保有割合100%) |
| 事業内容 | 自動車部品・用品販売 |
| スキーム | 株式取得による完全子会社化 |
| 取得価額 | 非開示(守秘義務契約のため。第三者によるデューデリジェンスの結果を踏まえ算定) |
| 契約締結日 | 2026年8月28日(予定) |
| 株式譲渡実行日 | 2026年10月1日(予定) |
背景
取得の理由についてSPKは、福田部品が築いてきた事業基盤や顧客接点に自社グループのグローバルな販売網・調達力を組み合わせることで取扱商品の拡充や事業領域の拡大といった相乗効果を創出し、グループ全体の企業価値を向上できると判断したためと説明しています。その前提として両社が長年の取引関係を通じて強固な信頼関係を築き相互の事業への理解を深めてきたことにも触れています。
買い手SPKの経営戦略上の位置付けとして、同社は中期経営計画「UPGRADE SPK!」(2024年5月公表)でVISION2030の「モビリティビジネスのグローバル商社」への進化を掲げ、M&Aに50億円を配分する方針を示しており、本件はその一環と位置づけられます。
今後の予定
契約締結日は2026年8月28日、株式譲渡実行日は2026年10月1日の予定です。SPKは2027年3月期の連結業績への影響について、現時点で軽微としています。
解説
本件は創業家の福田久美子氏・福田愼一氏(代表取締役会長)が福田部品の全株式を、長年の取引先である東証プライム上場商社に譲渡する株式譲渡の事例です。本件の詳細な事情は非公表ではありますが、一般に創業家が株式を保有する企業では代表者の年齢や後継者の状況を背景に第三者への株式譲渡が選択されるケースが見られます。
注目されるのは売却先が長年の取引関係にある会社である点です。SPKは異動前から福田部品株式の5.00%を保有する株主で両社間には営業取引もあり、開示も取引を通じて築いた信頼関係と相互の事業理解を取得の前提に挙げています。
日頃から取引のある相手への譲渡は買い手が商流や現場を既に理解しているため、従業員や取引先との関係を保ったまま承継しやすく、今回のように承継先として選定されることも少なくありません。
実際に中国工業が長年の仕入先である若柳化成工業を子会社化した事例や海帆が「新時代」16店舗をフランチャイズ運営会社のファッズへ事業譲渡した事例など、既存の取引関係が承継の受け皿となったケースは本件以外にもあります。承継先を検討する際は既存の取引先や少数株主として関係のある企業を候補に含めるのも良いでしょう。
なお同族経営の企業にとって上場企業への株式譲渡は第三者承継の選択肢となります。自社の株式譲渡や後継者問題を検討する経営者は会社売却の進め方を参考にしてください。
※本記事は2026年8月27日時点の開示情報に基づいています。最新の状況は当事会社の適時開示をご確認ください。
出典
- SPK株式会社「株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(適時開示、2026年8月27日)
- SPK株式会社「中期経営計画(2024年度~2026年度)UPGRADE SPK!」(2024年5月31日)

